パキスタン(Pakistan)

 
パキスタン(Pakistan)

パキスタンへの渡航に備えた予防接種

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項目 説明
地域概要 パキスタンは南・中央アジアと中等の交差する場所に位置するイスラム国家で、インド・中国・アフガニスタン・イランと国境を接しています。
インダス川が国内に流れており、流域にはかつてインダス文明が栄えた地域で、モヘンジョダロやハラッパーなどの都市遺跡があります。
医療情報 イスラマバード・ラワルピンディー・ラホールには公・私立の総合病院がいくつかあります。一般に公立病院での治療費は安価ですが、常に大勢の患者で混雑しており、 また、予算不足で十分に医療設備が整っていなかったり、院内の医薬品が不足しがちであるなどを踏まえ、邦人の公立病院への受診はお勧め出来ません。私立病院は公立病院に比し衛生的で、比較的医療設備も整っており、英国や米国への留学経験を有する医師も多く、高水準の検査・治療を受けることが出来ます。
しかし、文化的・倫理的な観点の違いから、日本と同じ医療サービスを期待することは難しいのが現状です。殆どの私立病院では英語が通じます。日本語で受診できる医療機関はありません。
気候 気候は過酷で、4月から6月は40度を超える酷暑、7月から8月はモンスーンの季節(雨季)で高温多湿、12月から1月は冬にあたり日中は20度近くあり過ごしやすいのですが、夜は0度近くまで冷え込むという寒暖の激しい季節です。
ラワルピンディーやラホールも多少の差はありますが、基本的には同様の気候です。
宗教 イスラム教
文化 熱心なイスラム教国の為、民族衣装、食文化、習慣に大きな特徴があります。
気をつけたい感染症 消化器感染症、A型肝炎、腸チフス、ポリオ、デング熱、チクングニア熱、B型・C型肝炎、クリミア・コンゴ出血熱、マラリア、狂犬病、結核やその他の感染性疾患
推奨する予防接種 成人:A型肝炎、B型肝炎、腸チフス、破傷風、ポリオ、狂犬病、日本脳炎、麻疹風疹
小児:BCG、B型肝炎、3種混合、ポリオ、日本脳炎、MMR、水痘、肺炎球菌、Hib、ロタウイルス、A型肝炎、腸チフス、狂犬病
入国に必要とされている予防接種はありませんが、以下の予防接種を赴任前に接種しておくことを推奨します。 ポリオの予防接種に関し、2014年5月のWHO緊急勧告に伴い、パキスタンに4週間以上滞在した人は、成人・小児に関わりなく、パキスタンからの出国時に過去1年以内かつ出国日から4週間以上前にワクチン接種を行った接種記録の提示が求められます。
パキスタンでは薬の輸送・保管が適切になされているかどうかチェック出来ないことや、 副作用が出た場合の処置や補償が期待出来ないため日本で出来る予防注射は日本で受けてくることをおすすめします。

気をつけたい病気

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病名 説明
消化器感染症 多くの消化器感染症が存在し、主なものでいうと細菌、ウイルス、寄生虫を原因とした感染性胃腸炎、アメーバ性及び細菌性赤痢、コレラ等々があります。重症例では脱水となり、急性腎不全に陥るケースも散見されます。
A型肝炎 食品、水などを通じて経口感染するウイルスが原因の病気です。2~4週の潜伏期間後、体が非常にだるくなり、食欲が低下し、黄疸(眼や皮膚が黄色くなる)と褐色の尿が見られるようになります。予防接種が推奨されます。
腸チフス 食品、水などを通じて口から感染する細菌感染症で、急激な高熱に始まり、腹痛、全身倦怠感、 下痢ではなくむしろ便秘を伴うことが多く、ときにピンク色の発疹や下血、意識障害を認めることがあります。ワクチン接種により、ある程度の感染予防効果が期待できますので、予防接種をおすすめします。
ポリオ ポリオウイルスが経口感染する事で感染する病気で、特にパキスタンはポリオの発生国であり、 感染に注意が必要です。中・長期間パキスタンに滞在される予定のある方は、渡航の前に予防接種を推奨します。
デング熱、
チクングニア熱
ネッタイシマ蚊又はヒトスジシマ蚊により媒介されるウイルスにより起こる病気です。デング熱は、高熱・目の奥の痛み・筋肉痛・発疹などを生じ、時には出血傾向を伴い死に至る重症型になることもあり、ハイバル・パフトゥンハー州を中心に毎年9~10月頃に感染のピークが報告されています。チクングニア熱はデング熱ほど重症化しないものの、関節痛がより特徴的な症状です。
B型・C型肝炎 血液や体液を介して伝染するウイルスにより起こる病気で、毎年約15万人が新たに感染していると推測されています。B型肝炎についてはワクチンで予防出来ますので、予防接種をお勧めします。
クリミア・コンゴ出血熱 ウイルスを保有したマダニに咬まれたり、ウイルスに感染した動物や人の血液や体液に接触することにより感染するウイルス感染症です。バロチスタン州を中心にパキスタンの全州で患者が報告されています。
マラリア ハマダラ蚊(主に薄暮から朝方にかけて活動する蚊)により媒介される、マラリア原虫により起こされる病気です。主に8~9月に患者数が増加します。北部の高地を除きパキスタン全土で見られ、三日熱マラリア(約7割)と熱帯熱マラリア(約3割)が報告されています。熱帯熱マラリアは治療が遅れると死に至ることもあります。
狂犬病 狂犬病は発病してしまうと致死率がほぼ100%という恐ろしい病気です。パキスタンは全土が狂犬病の汚染地域で、野狂犬病の予防接種を受けている犬は非常に稀です。イスラマバード市内に限れば感染リスクは低いといえますが、犬、特によだれを垂らしているような犬には絶対に近寄らないでください。また、地方に長期滞在される場合には、予防接種をお勧めします。
結核 パキスタンは世界保健機関(WHO)が指定する結核高負担国22カ国の一つで、2018年度には約56万人の新規結核患者が報告されています。使用人を介しての感染が起こることも否定できません。他にもリューシュマニア、炭疽、スナノミ症など報告数は少ないものの種々の感染症に感染の危険がありますのでご注意ください。