麻疹ワクチン(Measles)

概要

麻疹は「はしか」とも呼ばれ、空気感染の他に飛沫感染や接触感染など様々な経路で感染します。
10日前後の潜伏期間の後に発熱、咳、結膜充血、発疹が出ます。免疫のない人が感染するとほぼ100%発症すると言われており、合併症として、肺炎や脳炎を起こすことがあります。

現在でも一部の発展途上国では、小児の主な死亡原因となっています。過去に麻しんの接種既往が不明な方や感染の確認ができていない方は接種をおすすめします。

流行地域

発展途上国を中心に世界中で流行しています。
最近でもヨーロッパや日本(関西空港2016年など)でも集団感染も発生しています。

製剤の特性

毒生の弱い麻しんウイルスをニワトリ胚初代培養細胞で増殖、ウイルス液を精製し、安定剤を加えた後に凍結乾燥したものです。

接種スケジュール

海外渡航者で免疫が不明、不十分の可能性が高い場合は2回(初回,4週間後)

有効性

95%以上の人が麻しんウイルスに対する免疫を獲得することができるとされています。
また、2回の接種を受けることで1回の接種では免疫が付かなくても、多くの場合で免疫をつけることができると言われています。
さらに、接種後年数の経過とともに免疫が低下した場合に、2回目のワクチン接種が有効と言われています。

副反応

稀な副反応として、脳炎・脳症が100万~150万人に1人以下の頻度で報告されています。
ただし、ワクチンとの因果関係がない場合も含まれます。また、麻しん含有ワクチンはニワトリの胚細胞を用い、卵そのものを使っていないため卵アレルギーによるアレルギー反応の心配はほぼないとされます。
しかし、重度のアレルギーのある方は、ワクチンに含まれるその他の成分によるアレルギー反応が生ずる可能性もあるので、接種時にかかりつけの医師に相談してください。

その他の留意点

妊娠されている方への接種は基本的には行なえません。
海外に渡航する場合に既往歴や感染が確認できない方は接種をおすすめ致します。

風疹との混合ワクチンであるMRワクチンもご検討ください。

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