カメルーン(Cameroon)

 
カメルーン(Cameroon)

カメルーンへの渡航に備えたワクチン

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項目 説明
地域概要 カメルーン共和国はアフリカ中部、ギニア湾に面した国で、北はチャド共和国、東は中央アフリカ共和国、南はコンゴ共和国、ガボン共和国、赤道ギニア共和国、西はナイジェリア連邦共和国に隣接しています。 首都はヤウンデ(Yaoundé)で、特徴として民族が約250部族もあります。
医療情報 国内の医療水準は劣悪で、国民の平均寿命は58歳と短命です。日本人が安心して利用可能な医療機関はほとんどなく、虫垂炎等の簡単な手術ですら死亡例が散見されます。成人のHIV陽性率は5%、B・C型肝炎は15%と非常に高いため、輸血は禁忌です。重症例はフランスのパリ等国外への緊急医療輸送をおこなうことになりますが、この場合2,000万円以上の費用が想定されるため、あらかじめこの費用をカバーできる十分な額の海外旅行傷害保険に加入しておくことを強くお勧めします。
気候 平均気温は年間を通じて24~25℃と過ごしやすい気候です。ただし朝夕は20℃以下に冷え込むこともあるため、体調を崩さないよう服装・寝具は日本の初秋の感覚で準備することが必要です。年間降水量は約1,500mm、湿度80%台の日々が続きます。商業都市ドゥアラは港湾都市で雨量も多く(年間降水量約4,000mm)、高温多湿です。
宗教 仏教・イスラム教・キリスト教など
文化 カメルーンにはそれぞれ言語の異なる240もの民族が存在し、それらの民族はバンツー系、セミ・バンツー系、スーダン系住民と大きく3つに分別できます。 公用語はフランス語と英語で、それぞれ人口の70%と30%によって話されています。また都市ではスペイン語とドイツ語を話す人も多くいます。
気をつけたい感染症 マラリア、経口感染症、腸チフス・パラチフス、A型肝炎、アメーバ赤痢、細菌性赤痢、コレラ、上気道炎、髄膜炎菌性髄膜炎、ロアロア(マンゴフライ)、オンコセルカ症、砂ノミ症、黄熱、ポリオ
推奨する予防接種 A型肝炎 B型肝炎髄膜炎狂犬病腸チフス破傷風、黄熱、麻疹風疹おたふく
首都ヤウンデを含む全土に悪性の熱帯熱マラリアが蔓延しており、防蚊対策や予防薬の服用について検討が必要です。 各種予防接種はヤウンデのパスツールセンター等で受けることもできますが、ワクチンの在庫が限られていて在庫がないこともあるため、できるだけ当地を訪問する前に接種しておくことをお勧めします。 また、黄熱病の予防接種については入国時に有効なイエローカードの提示が必要なため、入国の10日前までに済ませておくことが必要です。

気をつけたい病気

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病名 説明
マラリア 当地での健康管理上、特に注意したいのがマラリアです。40℃前後の持続性高熱、頭痛、関節痛、消化器症状、貧血を特徴とします。予防方法は、蚊に刺されないようにすることが重要です。
経口感染症 外食時にはできるだけ清潔なところを選ぶようにし、購入した食材はきれいな水で洗い流して調理してください。果物類はしっかり皮をむき、生野菜はできるだけ避け、加熱されたものを食べるようにしてください。特に生魚、十分加熱されていない肉、生卵などは生命に係わる疾患に罹患する恐れもありますので、口にしないようにしてください。
腸チフス・パラチフス 1~2週間の潜伏期間の後に熱が階段状に上昇し高熱が続き、全身倦怠から意欲のない顔貌になるのと熱の割に脈が速くならないのが特徴です。腸チフスのみワクチンがあり、当地のパスツールセンターでワクチンが接種可能です。
A型肝炎 水や食物から感染し、感染後2~4週間ほどで嘔吐や全身倦怠を伴う38度をこえる急激な発熱が生じ、ワクチン接種をお勧めしますが、日本製のワクチンと欧米で標準的に使われているワクチンとでは接種方法と有効な期間が異なるため、接種時には注意が必要です。
アメーバ赤痢 病原体は、赤痢アメーバという原虫です。初期の症状は下痢と腹部の不快感がある程度ですが、放っておくと便に血液が混ざり、テネスムスという排便しても便意が繰り返し残る症状を生じます。
細菌性赤痢 小腸と大腸の両方をおかす急性の細菌性の病気で、これも糞便で汚染された食物や水から感染します。下痢、発熱、吐き気とともに、典型的なものではアメーバ性赤痢と同様に、粘血便とテネスムスを生じます。治療は適切な抗生物質で行う必要があります。
コレラ 潜伏期間は数時間から3日、米のとぎ汁のような激しい水様性下痢を生じ、急速にひどい脱水状態となって衰弱し、死に至ることもあります。。予防のためのワクチンがあり、当地ではパスツール研究所で接種可能です。
上気道炎 当地の気候は予想外に涼しく、特に持病にアレルギー性鼻炎、喘息、慢性副鼻腔炎などの既往のある人、喫煙者は注意が必要です。気候にあった衣類・寝具にて体温調節を行い、手洗い・うがいも心がけてください。
髄膜炎菌性髄膜炎 アフリカ中央部には髄膜炎ベルトとよばれる最大の流行地帯がありカメルーン北部がこれに含まれます。ワクチンにより予防できる疾患ですので、接種を強くお勧めします。予防接種は2歳から接種可能で日本でも接種できます。4種の型(A, C, Y, W-135)に対応できる4価ワクチンを接種して下さい。
ロアロア(マンゴフライ) マンゴフライとよばれるアブに刺されることで感染します。皮下や眼球結膜に痛み、かゆみ、むくみを生じます。治療方法は外科的に虫体を取り除き、ジエチルカルバマジンという駆虫剤を内服することが最も確実です。
オンコセルカ症 ブユが刺入した皮膚の傷口からミクロフィラリアが体内に侵入して成長し、成虫が皮下に寄生してクルミ大のこぶをつくります。皮膚にかゆみや色素異常、異常な肥厚や萎縮を生じることもあります。
砂ノミ症 砂ノミは高温乾燥の環境を好み、家畜の糞の散っているほこりっぽい道を歩いたときに、受精した雌が人に付き、皮膚の中に入り込みます。症状として局所はひどくかゆく、かくと化膿しくずれて潰瘍になります。刺激がおこる前に切開しノミを取り出す必要があります。危険地では毎日足を注意して調べてください。砂ノミのいる地帯では靴をはき、昆虫忌避薬をつけてノミを防ぎます。
黄熱 カメルーンへは黄熱予防接種証明書(イエローカード)がないと入国できません。蚊によって媒介され、3~6日の潜伏期の後突然39度台の発熱や頭痛を生じます。
ポリオ ポリオウイルスに感染した人の便を介して感染し、症状として手足の麻痺を起こすことがあります。2020年8月に、野生型ポリオウイルスの根絶が宣言されました。しかし、ワクチン由来ポリオウイルスの感染リスクはあります。乳幼児には忘れずに接種させるようにして下さい。

ワクチンの費用

項目 金額(税込)
狂犬病ワクチン 19,800円/回
破傷風ワクチン 4,840円/回
日本脳炎ワクチン 8,250円/回
A型肝炎ワクチン  9,900円/回
B型肝炎ワクチン 4,950円/回
腸チフスワクチン 11,000円/回
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン 10,780円/回
髄膜炎ワクチン 25,300円/回
4種混合(ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ)ワクチン 14,300円/回
水痘・帯状疱疹ワクチン 9,900円/回
おたふくワクチン 6,600円/回
肺炎球菌ワクチン 9,350円/回
ポリオワクチン 7,700円/回
ガーダシル9(一回分) 38,500円
ガーダシル9(三回分) 110,000円
シルガード9(一回分) 44,000円
3種T-dap(ジフテリア、百日せき、破傷風)ワクチン 13,600円/回
麻疹(はしか)抗体検査 4,070円
風しん抗体検査 4,070円
麻疹風疹抗体検査 4,840円
水痘抗体検査 4,070円
おたふく抗体検査 4,070円
B型肝炎抗原抗体検査 3,850円
 

ワクチンの接種時期と回数について

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ワクチン種類 0日 1週間 2週間 3週間 4週間 5週間 6週間 7週間 8週間 5ヶ月 6ヶ月 12ヶ月 18ヶ月 24ヶ月
A型肝炎 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目
B型肝炎 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目
狂犬病 (曝露前) ★1 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目
MR 生ワクチン 初回 2回目
髄膜炎 不活化ワクチン 1回
水痘・ 帯状疱疹 生ワクチン 初回 2回目
ムンプス 生ワクチン 初回 2回目
破傷風 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目(2回終了後 1年~1年半)
日本脳炎 (国産) 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目 (2回終了後1年後)
日本脳炎 (輸入) 不活化ワクチン 1回
インフルエンザ 不活化ワクチン 初回 2回目
  • ※上記は一例です。 患者様の渡航先に合わせてご案内します。
  • ※生ワクチンは基本、接種後4週間経つまでは他のワクチン接種ができないため、渡航まで時間がない場合は接種スケジュールに注意が必要です。
  • ★1 曝露後の狂犬病ワクチン接種は別スケジュールとなります。 詳しくはこちらをご参照ください。

渡航前ワクチンの流れ

渡航前ワクチンご予約から接種後の流れ

ご予約
  • ワクチン仮申込フォームを入力し送信してください。 24時間以内(土日・祝日を除く)に、当院からお電話もしくはメールでご連絡を差し上げ、ご予約確定となります。 ※英文証明書をご希望の場合、来院希望日時は申込日から5日後以降の日程をご選択ください。
  • ・事前に接種を希望されるワクチンの問診票を下記よりダウンロードしていただきご記入ください。
ご来院・接種
●お持ち物 問診票・母子手帳・接種証明書・ワクチン手帳(ある方)
  • ・37.5度以上の発熱があるなどの体調不良時には予防接種を受けることができません。
  • ・当院以外でも予防接種をおこなう場合は、ワクチンの接種間隔にご注意ください。
接種後
  • ・接種後15~30分間は体調変化の経過観察をしてください。
  • ・次回のワクチン接種予定がある方は、接種計画(ワクチンの種類・スケジュール)を確認してからご帰宅ください。
  • ・接種当日の激しい運動は避けてください。
  • ・シャワーや入浴は可能ですが、長風呂は避けてください。
  • ・1週間以内に接種部位が赤くなったり痛みが出たりなど、何らかの副反応が生じる場合がありますが、ほとんどの場合は数日以内に自然に軽快します。 日常生活に支障をきたすような症状がある場合、気になる症状がある場合は、当院までお問い合わせください。

注意事項 ※必ず事前にご確認ください。

  • ●初回は必ずワクチン仮申込フォームでの事前お申し込みが必要です。 下記「ワクチン仮申込フォーム」をご入力ください。
  • ●原則、事前のワクチン確保が必要なため、完全予約制です。 当日の接種をご希望の場合は事前に当院へご連絡ください。 ※インフルエンザワクチンについてはご予約をお受けしておりません。
  • ●英文証明書をご希望の場合、事前に当院での対応可否を確認しております。 ワクチン仮申込フォームより英文接種証明書をご希望いただき、別途事前にFAXにて記載箇所を明示の上ご送付ください。
  • ●証明書は発行までに数日程度お時間をいただく場合もございますのでスケジュールに余裕をもってお問い合わせください。
  • ●無断キャンセルはキャンセル料を頂く場合がございますので、予約のご変更はお早めにお電話くださいませ。
  • ●中学生以下の方の接種は、小児科医不在のためお断りしております。
  • ●高校生~未成年(20歳未満)の方の接種には保護者同席をお願いしております。
  • ●黄熱病予防接種実施機関ではないため、黄熱病予防接種証明書(イエローカード)については対応しておりません。

問診票について

予防接種時には問診票の記入が必要です。 事前に下記より問診票をダウンロードし、ご記入の上お持ちいただくと当日スムーズにご案内可能です。 (当日の状況次第では、お待ち時間が発生する可能性がございます。 ) 未成年の方の予防接種には、保護者の方の同意が必要です。 保護者の方が予防接種時に付き添えない場合には、事前に問診票をダウンロードしていただき、保護者の方のサインをご記入の上ご持参くださいませ。 医師問診の際に、保護者の方にオンラインでお繋ぎいただくことによって未成年の方は予防接種可能となります。 ※医師の判断により、予防接種を中止することがございます。 あらかじめご了承ください。