チュニジア(Tunisia)

 
チュニジア(Tunisia)

チュニジアへの渡航に備えたワクチン

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項目 説明
地域概要 チュニジアは地中海に面した北アフリカの中央付近に位置し、南北に延びる国土(日本の約5分の2の大きさ)に約1,100万人が住んでいます。
北部や東部は海に面しており、北西部はアトラス山脈から続く山地になっていて、そこから流れるメジェルダ川が北東部に豊かな平野を作っています。南部はサハラ砂漠に連なっています。
医療情報 国立と私立の医療施設があり、両者の医療サービスの差は著しいです。 国立病院はチュニジアの低所得層の医療の受け皿となっており、医薬品不足、医療設備・機器の不備、医療者のストライキなどによって提供される医療サービスの質は低いため、受診をお勧めできません。 私立の医療施設には私立病院と私立医院の2つがあります。私立病院の医療水準は高く、都市部の多くの私立病院は、24時間体制で救急患者を受け入れています。私立病院の医療費は高額となるため、十分な医療保険に加入しておく必要があります。 私立医院は個人開業医の診療所となっており検査施設はありません。医師の指示で院外の検査施設に行き、血液検査や画像検査を受けた後、結果をもって再診することになります。複数の私立医院が一つの建物に入っているところはメディカルセンターと呼ばれています。 都市と地方の医療格差も顕著となっており、地方では病院はあっても医師や看護師がいない施設もあります。緊急に高度医療を必要とする場合、海外旅行傷害保険に付随する緊急移送サービスを利用して国外へ移送される場合もあります。 公用語はアラビア語ですが、医療者はフランス語も話します。英語は通じない場合が多く、日本語が通じる医療機関はありません。 医薬品は、医師の処方箋を持参すれば国内の至る所にある薬局で購入できますが、日本の薬は手に入りません。
気候 沿岸部は地中海性気候で、夏期(6〜8月)は高温で乾燥し、冬期(12〜2月)は雨が降ります。
冬期は比較的温暖ですが、防寒対策も必要です。中部はステップ気候、南部は砂漠気候になっています。
宗教 スラム教、(ユダヤ教、イスラム教シーア派、キリスト教※ごくわずか)
文化 地中海からサハラ砂漠まで変化に富んだ自然の中に、カルタゴ遺跡や古代ローマ遺跡が残り、フランス植民地時代の街とイスラムの世界が混在しています。

気をつけたい感染症 西ナイル熱、季節性インフルエンザ、消化管感染症、地中海紅斑熱、皮膚リーシュマニア症、狂犬病
推奨する予防接種 A型肝炎 B型肝炎破傷風、(生活環境により腸チフスおよび狂犬病
都市の水道水は、細菌学的には飲用可能ですが、浄水あるいはミネラルウオーターが推奨されます。食品の流通は通常問題ありませんが、ラマダン月(断食月)には物流が停滞する傾向にあります。
夏は特に外食ファストフードによる食中毒も多いため、十分に加熱されたメニューを選び、衛生意識の高いレストランを見極めることが重要となります。

気をつけたい病気

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病名 説明
西ナイル熱、
季節性インフルエンザ
9月~12月にかけて蚊によって媒介される西ナイル熱が流行します。チュニジアの海岸線地域は古くから西ナイル熱の流行地域として知られ、3~4年の周期で流行します。12月~3月までは季節性インフルエンザが流行します。
ワクチンのある季節性インフルエンザに関しては、薬局に行ってワクチンを購入すると有料で接種してくれます。
A型肝炎・原虫疾患 首都でも感染する機会があります。地方の牧畜地域において家畜に接触して罹患するエキノコッカス症や,生乳を飲んで感染する腎結核・消化管結核などの感染症があります。
狂犬病 2011年の革命以後、政府による統制が弱まった結果野犬数が増えた事と飼い主のモラル低下により、予防接種を受けない犬も増えています。2015年、狂犬病にかかった動物が約400匹報告され、そのうち6割が犬でした。咬まれないように、用意に見知らぬ動物には触れないでください。
万が一咬まれた場合は傷口をよく洗い、すぐにチュニス・パスツール研究所を受診してください。

ワクチンの費用

項目 金額(税込)
狂犬病ワクチン 19,800円/回
破傷風ワクチン 4,840円/回
日本脳炎ワクチン 8,250円/回
A型肝炎ワクチン  9,900円/回
B型肝炎ワクチン 4,950円/回
腸チフスワクチン 11,000円/回
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン 10,780円/回
髄膜炎ワクチン 25,300円/回
4種混合(ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ)ワクチン 14,300円/回
水痘・帯状疱疹ワクチン 9,900円/回
おたふくワクチン 6,600円/回
肺炎球菌ワクチン 9,350円/回
ポリオワクチン 7,700円/回
ガーダシル9(一回分) 38,500円
ガーダシル9(三回分) 110,000円
シルガード9(一回分) 44,000円
3種T-dap(ジフテリア、百日せき、破傷風)ワクチン 13,600円/回
麻疹(はしか)抗体検査 4,070円
風しん抗体検査 4,070円
麻疹風疹抗体検査 4,840円
水痘抗体検査 4,070円
おたふく抗体検査 4,070円
B型肝炎抗原抗体検査 3,850円
 

ワクチンの接種時期と回数について

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ワクチン種類 0日 1週間 2週間 3週間 4週間 5週間 6週間 7週間 8週間 5ヶ月 6ヶ月 12ヶ月 18ヶ月 24ヶ月
A型肝炎 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目
B型肝炎 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目
狂犬病 (曝露前) ★1 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目
MR 生ワクチン 初回 2回目
髄膜炎 不活化ワクチン 1回
水痘・ 帯状疱疹 生ワクチン 初回 2回目
ムンプス 生ワクチン 初回 2回目
破傷風 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目(2回終了後 1年~1年半)
日本脳炎 (国産) 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目 (2回終了後1年後)
日本脳炎 (輸入) 不活化ワクチン 1回
インフルエンザ 不活化ワクチン 初回 2回目
  • ※上記は一例です。 患者様の渡航先に合わせてご案内します。
  • ※生ワクチンは基本、接種後4週間経つまでは他のワクチン接種ができないため、渡航まで時間がない場合は接種スケジュールに注意が必要です。
  • ★1 曝露後の狂犬病ワクチン接種は別スケジュールとなります。 詳しくはこちらをご参照ください。

渡航前ワクチンの流れ

渡航前ワクチンご予約から接種後の流れ

ご予約
  • ワクチン仮申込フォームを入力し送信してください。 24時間以内(土日・祝日を除く)に、当院からお電話もしくはメールでご連絡を差し上げ、ご予約確定となります。 ※英文証明書をご希望の場合、来院希望日時は申込日から5日後以降の日程をご選択ください。
  • ・事前に接種を希望されるワクチンの問診票を下記よりダウンロードしていただきご記入ください。
ご来院・接種
●お持ち物 問診票・母子手帳・接種証明書・ワクチン手帳(ある方)
  • ・37.5度以上の発熱があるなどの体調不良時には予防接種を受けることができません。
  • ・当院以外でも予防接種をおこなう場合は、ワクチンの接種間隔にご注意ください。
接種後
  • ・接種後15~30分間は体調変化の経過観察をしてください。
  • ・次回のワクチン接種予定がある方は、接種計画(ワクチンの種類・スケジュール)を確認してからご帰宅ください。
  • ・接種当日の激しい運動は避けてください。
  • ・シャワーや入浴は可能ですが、長風呂は避けてください。
  • ・1週間以内に接種部位が赤くなったり痛みが出たりなど、何らかの副反応が生じる場合がありますが、ほとんどの場合は数日以内に自然に軽快します。 日常生活に支障をきたすような症状がある場合、気になる症状がある場合は、当院までお問い合わせください。

注意事項 ※必ず事前にご確認ください。

  • ●初回は必ずワクチン仮申込フォームでの事前お申し込みが必要です。 下記「ワクチン仮申込フォーム」をご入力ください。
  • ●原則、事前のワクチン確保が必要なため、完全予約制です。 当日の接種をご希望の場合は事前に当院へご連絡ください。 ※インフルエンザワクチンについてはご予約をお受けしておりません。
  • ●英文証明書をご希望の場合、事前に当院での対応可否を確認しております。 ワクチン仮申込フォームより英文接種証明書をご希望いただき、別途事前にFAXにて記載箇所を明示の上ご送付ください。
  • ●証明書は発行までに数日程度お時間をいただく場合もございますのでスケジュールに余裕をもってお問い合わせください。
  • ●無断キャンセルはキャンセル料を頂く場合がございますので、予約のご変更はお早めにお電話くださいませ。
  • ●中学生以下の方の接種は、小児科医不在のためお断りしております。
  • ●高校生~未成年(20歳未満)の方の接種には保護者同席をお願いしております。
  • ●黄熱病予防接種実施機関ではないため、黄熱病予防接種証明書(イエローカード)については対応しておりません。

問診票について

予防接種時には問診票の記入が必要です。 事前に下記より問診票をダウンロードし、ご記入の上お持ちいただくと当日スムーズにご案内可能です。 (当日の状況次第では、お待ち時間が発生する可能性がございます。 ) 未成年の方の予防接種には、保護者の方の同意が必要です。 保護者の方が予防接種時に付き添えない場合には、事前に問診票をダウンロードしていただき、保護者の方のサインをご記入の上ご持参くださいませ。 医師問診の際に、保護者の方にオンラインでお繋ぎいただくことによって未成年の方は予防接種可能となります。 ※医師の判断により、予防接種を中止することがございます。 あらかじめご了承ください。