タジキスタン(Tajikistan)

 
タジキスタン(Tajikistan)

タジキスタンへの渡航に備えた予防接種

表は横にスクロールします

項目 説明
地域概要 中央アジアに位置する共和制国家です。首都はドゥシャンベで面積は142,600 km²です。人口は2022年時点で1000万人おり、タジク系の民族がほとんどを占めます。公用語はタジク語ですが、ロシア語も広く使用されています。
主な産業は農業、アルミニウム生産、水力発電です。
医療情報 医療機関のサービスの質が低く、英語を理解している医療職が在籍している医療機関は限られるので、受診の際はタジク語もしくはロシア語の通訳が必要です。
気候 大陸性気候なので、夏は乾燥し、秋から春にかけて降雨量が増えます。6月~9月は暑く乾燥した気候となり、最高気温が40℃を越えます。12月から2月にかけては、平均気温が0℃以下になり雪が積もります。
電気事情が劣悪なので、停電が多く冬季は厳しい寒さに見舞われます。
宗教 イスラム教
文化 タジキスタンの文化は、首都のドゥシャンベ近郊とゴルノ・バダフシャン自治州の文化に分かれます。
首都のドゥシャンベやホジェンドなどが現代のタジキスタンの文化を発信する中心地域となっています。
気をつけたい感染症 狂犬病、A型肝炎、B型肝炎、腸チフス、結核
推奨する予防接種 A型肝炎、B型肝炎、狂犬病、腸チフス
水道水は水質が悪いため飲料水として使用できません。また、通年、食中毒の事例が多いので、腹痛、下痢の症状がある際には病院を受診してください。

気をつけたい病気

表は横にスクロールします

病名 説明
狂犬病 狂犬病ウイルスを病原体とする感染症です。一般的には、感染した動物に噛まれたり、引っ掻かれたりしてできた傷口からウイルスが侵入することで感染します。発熱・頭痛・全身倦怠や嘔吐などの症状が起こります。次に、筋肉の緊張・幻覚・痙攣・ものを飲み込みづらいといった症状が起こり、次第に液体を飲み込もうとすると筋肉が痙攣するため水を恐れるようになります。やがて昏睡状態になり、呼吸が麻痺して死亡します。
狂犬病は一度発症してしまうと効果的な治療はないため、ほぼ100%の人が死亡します。
A型肝炎 A型肝炎ウイルスによる感染症です。感染経路は、汚染された食物などを摂取することによっておこる感染、ウイルスが付着した手で口に触れることによる経口感染があります。また、性的接触による感染もあります。
発熱、全身倦怠感などの症状に続いて、食欲不振・嘔吐などの消化器症状、さらに数日後には肝機能低下による黄疸を呈します。
B型肝炎 B型肝炎ウイルスに感染することによる肝臓の病気です。主に感染者の血液や体液によって感染します。感染経路としては母から子への垂直感染と不衛生な医療器具の使用・性行為・入れ墨・ピアスなどによる水平感染が挙げられます。症状が現れないこともありますが、体のだるさや食欲不振、吐き気、嘔吐などの症状が現れます。
腸チフス チフス菌、パラチフス菌による感染症です。ヒトのみに感染し、患者や保菌者の便に汚染された食品や水を摂取することによって感染します。高熱、下痢または便秘などを呈し、まれに腸穿孔、腸出血を起こすこともあります。
腸チフスとパラチフスの症状はほとんど同じですが、パラチフスは腸チフスに比べて症状は軽い傾向があります。
結核 結核菌による感染症です。結核を発病し、排菌している人が咳やくしゃみをした際に結核菌を含んだ飛沫が周囲に飛び散り、周囲の水分が蒸発した状態で空気中に漂い、それらを吸い込むことによって空気感染します。
咳・痰・微熱などの症状が現れ、時に血痰、食欲低下、体重減少などの症状もみられるようになります。