
モンゴル(Mongolia)
国モンゴル(Mongolia)

モンゴルへの渡航に備えた予防接種
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項目 | 説明 |
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地域概要 | モンゴルは,南北を中国,ロシアという大国に挟まれたモンゴル高原北部に位置する内陸国です。日本の約4倍(156.4万平方km)の国土面積に,京都府とほぼ同じ約270万人が暮らしており,その約4割(約111.2万人)が首都ウランバートルに居住しています。地方では現在でも伝統的な移動式住居「ゲル」に暮らす遊牧民が多いのですが,近年は携帯電話の普及や衛星放送による大相撲中継観戦など,遊牧生活の現代化が進んでいます。 |
医療情報 | モンゴルの医療は、原則的にまず家庭病院・地区病院を受診後、必要に応じて専門病院または総合病院に紹介される体制になっていますが、外国人の場合は、国立または私立の総合病院や専門病院を直接受診することが可能です。ただし、日本と同じレベルの医療対応を期待することはできず、手術や高度な治療・検査などが必要となった場合は、可能な限り国外へ移送することが望ましいです。その際にチャーター機を用いる場合は1500万円を超える経費が発生することもありますので、緊急移送を含む海外旅行保険への加入を強く勧めます。公共の救急車(電話103)も利用できますが、モンゴル語しか通じず、到着に時間がかかることもあり、同乗した医師が現場で処置をするだけで病院に搬送されなかったり、希望の病院に搬送されなかったりするなどの問題も生じ得ますので、容態が許せば、自家用車やタクシーで病院に移動する方が良いでしょう。 |
気候 | モンゴル国は北東アジアのモンゴル高原に位置し、首都ウランバートル市も、紫外線の影響を強く受ける海抜1351mの高地にあります。季節ごとや昼夜の気温の較差が大きく降水量の少ない、典型的な大陸性気候です。 2020年のウランバートル市のデータでは、1月の最低気温がマイナス26.7℃、8月の最低気温は7.8℃でした。年間降水量は約300mmで、一年を通して乾燥しています。 |
宗教 | チベット仏教など |
文化 | 日本人がモンゴルに対して一番馴染みがあるのがモンゴル相撲ではないかと思います。モンゴル相撲とはモンゴルのブフと呼ばれる伝統的格闘技で、年に一度の民族の祭典であるナーダムでも催し物の一つとして行われています。モンゴルでは1997年にブフ・リーグが発足され、プロスポーツ化されました。しかし、宗教的な儀式としての意味合いも残されており、この点は日本の大相撲にも非常に似ている部分となっています。主食としては小麦や米も食べられますが、農業が盛んでないモンゴルでは、肉が食卓のうちの主食並みの量を占めることも多いです。肉料理は茹で、蒸し、焼き、だけでなく肉まん、餃子等さまざまな種類があり、代表料理の主を占めます。その他スープやミルクティーも良く飲まれます。 |
気をつけたい感染症 | デング熱、チクングニヤ熱、フィラリア症、日本脳炎、リーシュマニア症、ペスト、ダニ脳炎、呼吸器感染症、高病原性鳥インフルエンザ、麻疹、住血吸虫症 |
推奨する予防接種 | 成人:A型肝炎・B型肝炎・破傷風(+ジフテリア)・腸チフス、滞在予定地に応じて狂犬病・ダニ脳炎、小児期に定期接種を完了していない疾患は、適宜追加接種が必要です(特に麻しん:はしか)。 小児:日本の定期予防接種(ジフテリア、百日咳、ポリオ、麻しん、風しん、日本脳炎、破傷風、BCG、インフルエンザ菌b型(Hib) 、肺炎球菌、 水痘(水ぼうそう)など) 任意予防接種:季節性インフルエンザ、ムンプス、A型肝炎、B型肝炎、ロタウイルス、狂犬病など |
常用薬や発作・緊急時の医薬品は、可能なら日本の医療機関で十分な量を処方してもらい、持参することが望まれます。ワクチンについても、渡航前か一時帰国時などに接種を完了して下さい。
気をつけたい病気
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病名 | 説明 |
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感染性胃腸炎、 旅行者下痢 |
衛生状態、食事の内容(肉中心、脂肪分・塩分が多い)などから、旅行者も長期滞在者も、腹痛や下痢に苦しむことが頻繁にあります。 下痢が一週間以上つづく場合や発熱・血便・強い腹痛を伴うなどの場合は、医療機関を受診して下さい。 |
呼吸器疾患、皮膚炎、結膜炎 | 乾燥や大気汚染により、喘息などの呼吸器疾患が悪化する可能性もあります。モンゴルでの診断・治療が困難であることから、日本でしっかり治し、治療薬を持参した上で渡航して下さい。 紫外線による皮膚や眼の障害への注意は、曇りの日にも必要です。 |
脱水、日射病(熱射病) | 夏だけでなく冬でもセントラルヒーティングにより室温が高く乾燥するため、幼児の脱水症や高齢者の脳梗塞などの危険性が高まります。常に十分な水分摂取を心がけて下さい。 |
A型肝炎 | ウイルス感染症です。食品や水、食器についたウイルスに感染します。 事前のワクチン接種により予防可能です。 |
B型・C型肝炎 | モンゴル国民の10~20%がウイルスを保有しています。血液や体液を介する医療行為(輸血、手術、注射、歯科治療)や出産などで感染する可能性があります。B型肝炎は事前のワクチン接種により予防可能です。 |
狂犬病 | 動物に咬まれたり、なめられたりすることで感染し、発症すれば100%死に至るウイルス感染症です。イヌやオオカミのほか、ウシ、ウマ、ラクダ、ネコなども感染の可能性があります。 動物に襲われ、感染が疑われる場合は、直ちに創傷部を石けんと流水で良く洗い、一刻も早く医療機関を受診し、適切な処置を受けて下さい。 |
結核 | モンゴルはアジアの中でも結核が多い国の1つです。結核患者の咳とともに排出された菌が浮遊する室内や航空機内などに、長くとどまることで感染します。 咳や微熱が3~4週間以上長引く場合は、医療機関を受診して下さい。 |
破傷風 | けがをした場合、特に土などで汚れた傷は感染の危険性が高く、直ちに予防接種などの処置が必要です。発症すると死亡する危険があります。大人でも定期的な追加接種が必要なので、渡航前に医師とよく相談して下さい。 |
HIV感染、エイズ、 性行為感染症 |
性行為、輸血、手術、医療行為(注射、採血、歯科治療、産婦人科の検査・治療、胃カメラ)、ピアスの穴あけ、入れ墨などにより感染する危険があります。 不特定多数との性行為を避け、コンドームを正しく着用すること、また、危険な処置を受けないようにすることで、感染のリスクは減少します。 |
ペスト、炭疽、 ブルセラ症 |
ペストは、齧歯類やそのノミの刺咬により、炭疽(皮膚、腸、肺に感染)やブルセラ症はウシ・ヒツジ・ヤギなどの家畜との接触や肉・乳製品から感染します。 感染予防には、動物(死体や毛皮も含む)に近づかないことと、加熱殺菌処理されていない食品(乳製品、肉製品)を触ったり食べたりしないことが重要です。 |
ダニ媒介性脳炎、 ライム病 |
夏季にダニによる脳炎の発生があり、ダニの吸血によるライム病などの感染症があります。草むらなどでの野外活動の際は長袖・長ズボンを着用して肌の露出を避け、 帰宅後全身のダニをチェックすることが重要です。 ダニが見つかった場合は、医師に除去を依頼して下さい。 |
ジフテリア | 過去にモンゴルで流行したことがあります。事前のワクチン接種により予防可能です。 |
麻しん(はしか) | 2015年、2016年にモンゴル国内で流行しました。事前のワクチン接種で予防可能ですので、未接種者は必ず出発前にワクチンを接種して下さい。 |
主な出典・引用元
各院の診療時間・アクセスは
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