
キルギス(Kyrgyzstan)
国キルギス(Kyrgyzstan)

キルギスへの渡航に備えた予防接種
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項目 | 説明 |
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地域概要 | 中央アジアの北東部に位置し、ウズベキスタン・カザフスタン・タジキスタン・中国と隣接する共和制国家です。 首都はビシュケクで、面積は199,900 km²です。人口は2022年時点で670万人おり、キルギス系の民族が最も多い割合を占めています。公用語はロシア語ですが、国語はキルギス語です。主な産業には農業・畜産業、鉱業が挙げられます。 |
医療情報 | 首都のビシュケクでも劣悪です。多くの病院の建物や医療設備は旧ソ連時代のもので老朽化しています。英語を話す医師はほとんどいません。日本人が病院を受診する場合、医療費はキルギス人が受診する場合よりも高額な外国人料金となることがあるので注意が必要です。 |
気候 | 気候は地域によって大きな差があります。低地のほとんどは温帯気候、南部は亜熱帯気候、山岳部は亜熱帯湿潤気候です。首都のビシュケクの夏は暑く、乾燥しており気温が40℃を超えることもあります。冬の最低気温はー7℃です。 |
宗教 | イスラム教 |
文化 | 騎馬遊牧民であったため、夏はボズウイと呼ばれる移動式住居を建てて生活し、羊や牛といった家畜を肥えさせ、冬には里へ下ってきて冬を越すというスタイルの牧畜をしている人々もいます。 ソ連時代に強制的に定住させられるまでは、季節ごとに移動して羊や牛といった家畜を育てる遊牧生活を送っていました。 |
気をつけたい感染症 | 感染性胃腸炎、急性呼吸器感染症、A型肝炎、B型肝炎、HIV・AIDS、ブルセラ症、炭疽 、ダニ脳炎、結核、エキノコックス症、疥癬、狂犬病 |
推奨する予防接種 | A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病、ダニ脳炎 |
食品衛生の観念も高いとは言えません。外気温が上がる春から夏にかけては細菌性の食中毒、冬季にはノロウイルスによる食中毒が発生します。レストランで食事をする場合はなるべく衛生的なお店を選び、屋台などは利用しないでください。果物はカットフルーツを避け、自分で皮を剥いて食べましょう。
気をつけたい病気
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病名 | 説明 |
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感染性胃腸炎 | 細菌やウイルスなどの病原体による感染症です。感染経路は、病原体が付着した手で口に触れることによる接触感染と汚染された食品を食べることによる経口感染があります。 ノロウイルスによる胃腸炎の主症状は、吐き気、おう吐、下痢、発熱、腹痛であり、小児ではおう吐、成人では下痢が多くみられます。ロタウイルスによる胃腸炎では、おう吐、下痢、発熱がみられます。感染しても発症しない場合や、軽い風邪のような症状の場合もあります。 |
急性呼吸器感染症 | ウイルスや細菌が、咽頭や喉頭、気管支、肺などの呼吸器を通じて侵入することによって発症する感染症。気道や肺に炎症が起こり、咳や痰、発熱、胸痛、呼吸困難などの症状がみられます。 呼吸器感染症にはいわゆる風邪症候群やインフルエンザも含まれており、日常的によく見られます。 |
A型肝炎 | A型肝炎ウイルスによる感染症です。世感染経路は、汚染された食物などを摂取することによっておこる感染、ウイルスが付着した手で口に触れることによる経口感染があります。また、性的接触による感染もあります。 発熱、全身倦怠感などの症状に続いて、食欲不振・嘔吐などの消化器症状、さらに数日後には肝機能低下による黄疸を呈します。 |
B型肝炎 | B型肝炎ウイルスに感染することによる肝臓の病気です。主に感染者の血液や体液によって感染します。感染経路としては母から子への垂直感染と不衛生な医療器具の使用・性行為・入れ墨・ピアスなどによる水平感染が挙げられます。症状が現れないこともありますが、体のだるさや食欲不振、吐き気、嘔吐などの症状が現れます。 |
HIV/AIDS | ヒト免疫不全ウイルスによる感染症です。主な感染経路は性感染です。患者の精液や膣分泌液に含まれるウイルスが、粘膜との接触によって感染します。また、妊娠中や分娩時・母乳によって感染する母子感染、針刺し事故や注射器の共用といった血液による感染があります。 感染初期に発熱、咽頭痛や倦怠感といったインフルエンザに似た症状が出ることもありますが、数週間でおさまります。抵抗力が落ちてくると、発熱や下痢などの症状があらわれ、さらに病気が進行すると、肺炎や脳炎になったり、腫れものができたりするなどの日和見感染症や悪性腫瘍を併発します。 |
ブルセラ症 | ブルセラ属菌の細菌による感染症です。感染動物の尿、糞、乳汁、胎盤や羊水などに病原体が含まれており、未殺菌の乳製品や十分に加熱されていない肉の摂取、汚染されたほこりを吸いこむことによって感染します。 主な症状は、倦怠感、発熱、発汗、腰や背中の痛み、関節痛、悪寒などです。 |
炭疽 | 細菌の一種である炭疽菌による感染症です。炭疽菌は動物の体内で増殖しますが、環境中では芽胞という熱や乾燥に強い形態になり長時間生存します。炭疽菌に感染した動物の血液、体液、死体などに汚染された土壌が傷に入ることで感染します。また、感染した動物の肉を食べることによる感染、あるいは菌を吸入することによる感染があります。主な病型には皮膚炭疽、腸炭疽、肺炭疽があります。どの病型でも治療しないと死亡する可能性もあります。 |
ダニ脳炎 | ウイルスを保有したマダニに刺されることによって感染します。発熱、筋肉痛などのインフルエンザと似た症状が2~4日間続きます。その後、数日経って痙攣、めまい、知覚異常などの症状がでることもあります。 |
結核 | 結核菌による感染症です。結核を発病し、排菌している人が咳やくしゃみをした際に結核菌を含んだ飛沫が周囲に飛び散り、周囲の水分が蒸発した状態で空気中に漂い、それらを吸い込むことによって空気感染します。 咳・痰・微熱などの症状が現れ、時に血痰、食欲低下、体重減少などの症状もみられるようになります。 |
エキノコックス症 | エキノコックス属条虫の幼虫に寄生されることによってかかる病気です。経口摂取された虫卵から孵化し、幼虫が肝臓などに寄生します。 肝臓に寄生した包虫によって肝硬変が進んでいき、肝臓の肥大に伴って上腹部の膨満・不快感などの不定症状が現れます。その後、肝機能障害、腹部の膨満が進み、発熱、黄疸等の症状が出ます。脳に寄生した場合は、意識障害やけいれん発作などの症状が出ます。さらに進行すると、黄疸・腹水・浮腫等を合併して全身状態が悪化して死に至ります。 |
疥癬 | ヒゼンダニよる感染症です。 ヒゼンダニが角質層に寄生し、ヒトからヒトへ感染します。通常疥癬はヒゼンダニの数が数十匹以上で、患者の免疫力は通常です。感染力は弱く、顔や頭を除いた全身に赤いブツブツや疥癬トンネルができ、強いかゆみを伴います。角化型疥癬はヒゼンダニの数が100万~200万と通常疥癬に比べて多く、患者の免疫力も低下します。また、感染力が強く、全身に角質増殖と呼ばれる症状が現れます。 |
狂犬病 | 狂犬病ウイルスを病原体とする感染症です。一般的には、感染した動物に噛まれたり、引っ掻かれたりしてできた傷口からウイルスが侵入することで感染します。傷口や目や口の粘膜をなめられたりすることでも感染します。 発熱・頭痛・全身倦怠や嘔吐などの症状が起こります。次に、筋肉の緊張・幻覚・痙攣・ものを飲み込みづらいといった症状が起こり、次第に液体を飲み込もうとすると筋肉が痙攣するため水を恐れるようになります。やがて昏睡状態になり、呼吸が麻痺して死亡します。狂犬病は一度発症してしまうと効果的な治療はないため、ほぼ100%の人が死亡します。 |
各院の診療時間・アクセスは
下記よりご確認ください。