コソボ共和国(Republic of Kosovo)

 
コソボ共和国(Republic of Kosovo)

コソボ共和国への渡航に備えた予防接種

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項目 説明
地域概要 バルカン半島中部の内陸部に位置する共和制国家です。首都はプリティシュナで、面積は10,890 km²です。
人口は2021年時点で179万人おり、ほとんどがアルバニア人です。アルバニア語やセルビア語が使用されています。主な産業はサービス業、農業、工業です。
医療情報 衛生状況が良好なので、水道水は基本的にそのまま飲用できます。医療事情としては、周辺の高所得国からの医療ツーリズムの需要に応えて、美容外科、心臓カテーテルなどの高額医療を提供する小規模私立病院が多く見られます。しかし、国民が必要とする一般的な医療は、医療レベルが低い公立病院でしか取り扱っていない場合もあります。また、感染症は国家で管理を行うため、原則公立病院のみで対応するという方針です。
ほとんどの医師は英語を話しますが、他の医療従事者はアルバニア語、セルビア語が必要な場合があります。
気候 気候は地中海性気候ですが、南北で気候が異なります。南部は夏の気温が高く乾燥しており、冬は穏やかに冷え込み雨が多くなります。北部は夏と冬で寒暖の差が激しいのが特徴です。
宗教 イスラム教(主にアルバニア人)、セルビア正教(セルビア人)
文化 コソボはヨーロッパで最も新しい国です。世界遺産であるペーチ総主教修道院は、コソボでも人気の高い自然観光スポットです。
気をつけたい感染症 破傷風、A型肝炎、B型肝炎、狂犬病、腸チフス、麻疹、風疹
推奨する予防接種 A型肝炎、B型肝炎、破傷風
首都のプリシュティナは、ヨーロッパの中でも大気汚染指数が高いので、暖房等を使用する冬季は注意が必要です。
風邪の咳が長引いたり、眼が痛くなりやすいので、汚染が強い日は窓を閉めたり、うがいをするなどの対策が必要です。また、外国人であっても無料で定期予防接種を受けることができます。

気をつけたい病気

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病名 説明
破傷風 土壌中に広く分布する破傷風菌が産生する毒素によってひき起こされる感染症です。口を開けにくい、首筋が張る、体が痛いなどの局所症状が現れます。その後、体のしびれや痛みが体全体に広がり、全身を反らせる姿勢や呼吸困難の症状が現れます。重症化すると呼吸筋の麻痺によって窒息死することもあります。
A型肝炎 A型肝炎ウイルスによる感染症です。感染経路は、汚染された食物などを摂取することによっておこる感染、ウイルスが付着した手で口に触れることによる経口感染があります。また、性的接触による感染もあります。発熱、全身倦怠感などの症状に続いて、食欲不振・嘔吐などの消化器症状、さらに数日後には肝機能低下による黄疸を呈します。
B型肝炎 B型肝炎ウイルスに感染することによる肝臓の病気です。主に感染者の血液や体液によって感染します。感染経路としては母から子への垂直感染と不衛生な医療器具の使用・性行為・入れ墨・ピアスなどによる水平感染が挙げられます。症状が現れないこともありますが、体のだるさや食欲不振、吐き気、嘔吐などの症状が現れます。
狂犬病 狂犬病ウイルスを病原体とする感染症です。一般的には、感染した動物に噛まれたり、引っ掻かれたりしてできた傷口からウイルスが侵入することで感染します。発熱・頭痛・全身倦怠や嘔吐などの症状が起こります。次に、筋肉の緊張・幻覚・痙攣・ものを飲み込みづらいといった症状が起こり、次第に液体を飲み込もうとすると筋肉が痙攣するため水を恐れるようになります。やがて昏睡状態になり、呼吸が麻痺して死亡します。狂犬病は一度発症してしまうと効果的な治療はないため、ほぼ100%の人が死亡します。
腸チフス チフス菌、パラチフス菌による感染症です。保菌者の便に汚染された食品や水を摂取することによって感染します。 高熱、下痢または便秘などを呈し、まれに腸穿孔、腸出血を起こすこともあります。典型的な経過をたどると回復まで4週間程度かかります。 腸チフスとパラチフスの症状はほとんど同じですが、パラチフスは腸チフスに比べて症状は軽い傾向があります。
麻疹 麻疹ウイルスによって起こる感染症です。ウイルスの中で最も感染力が強く、麻疹を発症している人と同じ部屋にいるだけで感染することがあります。ワクチン接種を受けていない人は、海外旅行の際にかかる可能性が高いです。ウイルス感染者に直接接触や、感染者の唾液などから感染します。 感染してから10~12日は症状ありませんが、その後、高熱、咳、鼻水が数日間持続し、口の中に直径1mm程の白い発疹ができます。熱は一度下がりますが、再び上昇し、その後身体中に赤い発疹ができます。一般的には7~10日後に回復します。
風疹 風しんウイルスによる感染症です。主な感染経路は、患者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むことによる飛沫感染です。その他にもウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる接触感染もあります。