カザフスタン(Kazakhstan)

 
カザフスタン(Kazakhstan)

カザフスタンへの渡航に備えた予防接種

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項目 説明
地域概要 カザフスタンはカスピ海北部から中央アジアに及び広大な草原地帯です。中央アジアで経済的、政治的に最も支配的な国家であり、石油、天然ガスを中心とする資源に恵まれています。
医療情報 旧ソビエト時代からの、「医療は基本的に無料」の制度(政府保証範囲内に限り)を保っており、ほとんどの病院は公立です。医師、看護師、スタッフなど医療関係者はロシア語、カザフ語しか解さないことが大半で、都市部の病院でも英語を話す医師は少ないため、ロシア語ができない方の受診は困難です。しかし近年、アスタナ市、アルマティ市にはCT.MRIなどを揃えたレベルの高い私立の病院、クリニックが出来てきました。成人病など一般的な病気であれば受診可能です。
気候 気候風土は地域により異なります。平均気温は夏が23℃、冬がマイナス6℃で他の中央アジアの諸都市と比べると比較的過ごしやすいです。
宗教 イスラム教、ロシア正教、仏教など
文化 公用語はカザフ語、ロシア語で英語はホテルや観光地等を除いて一般的に通じにくいです。通貨単位はテンゲです。
気をつけたい感染症 A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、HIV/AIDS、ブルセラ症 、炭疽、結核、髄膜炎、旋毛虫症、エキノコックス症
推奨する予防接種 A型肝炎、B型肝炎、HIV、結核
入国時に法的に接種を求められているワクチンはありません。長期に滞在される方には、A型肝炎(小児も)、B型肝炎、破傷風、狂犬病(特に動物と直接接触する機会のある方)、ダニ脳炎(特にゴルフやハイキングなどで山に行く機会のある方)、腸チフス(特に地方へ行く機会のある方)の予防接種をおすすめします。
また、万が一当地で麻疹、風疹、百日咳、おたふく風邪(流行性耳下腺炎)、水痘に罹患した場合、感染症病院での強制隔離や、所属している職場等が衛生当局から感染対策指導を受ける可能性があります。日本で抗体価(IgG)を検査し、必要に応じて、これらのワクチンも接種しておくことが推奨されます。
加えて、冬季に滞在される方は季節性インフルエンザワクチンも接種しておいた方がよいでしょう。 もちろん、当地で接種可能なワクチンもありますが、良質のワクチンがいつでも入手できるとは限りません。また、当地の法令により、民間の医療機関で接種可能なワクチンは限られていますので、日本での接種をお勧めします。なお、ダニ脳炎や腸チフスなどのワクチンは日本で一部のトラベルクリニック以外では接種できませんので、ご注意ください。

気をつけたい病気

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病名 説明
HIV / AIDS カザフスタンでは2016年時点で約2万6千人の登録HIV感染者がいます。
未登録の患者も加えると3万2千人ほどの感染者がいるのではと推察されています。
ブルセラ症 ブルセラ症は中央アジアに多い感染症です。人畜共通感染症の1つで,ウシ,ヤギ,ヒツジ,ブタ,イヌ及びヒトに感染します。ヒトへは上記の動物との接触,非加工乳製品の摂取により感染します。
2~3週間の潜伏期を経て,全身のあらゆる臓器で感染を引き起こすので,特異的或いは局所的症状はなく発熱,発汗,体重減少,うつ状態などの全身症状が見られます。
炭疽 炭疽菌が感染することで発症する病気です。土壌中に炭疽菌は芽胞の状態で存在し,洪水や長雨後などで土表面に現れると,泥の中で動物やヒトに感染しやすい細菌として増殖します。
結核 結核菌を持った患者を介してヒトからヒトに感染します。カザフスタンでは感染患者数は年々減少していますが,現在でも日本の約10倍の罹患率で,国内あらゆる場所で結核に感染する危険があります。
旋毛虫症 旋毛虫の幼虫が寄生している食肉から経口感染する寄生虫疾患です。カザフスタンでは未検疫の豚肉,羊肉が主な感染源です。串焼き肉を食べる場合には肉の中心部まで十分火が通っていることを確認してください。
エキノコックス症 エキノコックスが寄生したキツネ,犬,野ネズミ,ブタなどの糞に触れることや、糞に汚染された水を口にすることで感染する寄生虫疾患です。エキノコックスは肝臓に寄生し,進行するにつれて肝機能障害が出現し,それに伴う倦怠感,上腹部・季肋部の不快感,黄疸などの症状が出現します。