イラン渡航前ワクチン・予防接種

イラン(Iran)

推奨するワクチン

狂犬病ワクチン
19,800円/回
破傷風ワクチン
4,840円/回
日本脳炎ワクチン
8,250円/回
A型肝炎ワクチン
9,900円/回
B型肝炎ワクチン
4,950円/回
腸チフスワクチン
11,000円/回
髄膜炎ワクチン
25,300円/回
4種混合(ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ)ワクチン
14,300円/回
水痘・帯状疱疹ワクチン
9,900円/回
おたふくワクチン
6,600円/回
ポリオワクチン
7,700円/回
ガーダシル9(一回分)
38,500円
シルガード9(一回分)
44,000円
3種T-dap(ジフテリア、百日せき、破傷風)ワクチン
13,600円/回
 

ワクチンの接種時期と回数について

表は横にスクロールします

ワクチン種類 0日 1週間 2週間 3週間 4週間 5週間 6週間 7週間 8週間 5ヶ月 6ヶ月 12ヶ月 18ヶ月 24ヶ月
A型肝炎 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目
B型肝炎 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目
狂犬病 (曝露前) ★1 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目
MR 生ワクチン 初回 2回目
髄膜炎 不活化ワクチン 1回
水痘・ 帯状疱疹 生ワクチン 初回 2回目
破傷風 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目(2回終了後 1年~1年半)
日本脳炎 (国産) 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目 (2回終了後1年後)
日本脳炎 (輸入) 不活化ワクチン 1回
インフルエンザ 不活化ワクチン 初回 2回目
  • ※上記は一例です。 患者様の渡航先に合わせてご案内します。
  • ※生ワクチンは基本、接種後4週間経つまでは他の生ワクチン接種ができないため、渡航まで時間がない場合は接種スケジュールに注意が必要です。(複数の生ワクチンの同時接種は可)
  • ★1 曝露後の狂犬病ワクチン接種は別スケジュールとなります。 詳しくはこちらをご参照ください。

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イランへの渡航に備えたワクチン

地域概要

イランは、日本の4.4倍(約165万平方km)の広大な国土に、7,000万人以上の人々が暮らす地域大国です。
ペルシャといえば、「砂漠」に「ラクダ」のイメージが強いかもしれませんが、首都テヘラン(Tehran)などイラン北西部はとても緑豊かな高原が広がっており、中東最高峰のダマーヴァンド山(標高5,604m)をはじめとする4,000m級の山々も連なっています。冬には国内外からスキーヤーが集まるスキー場もあります。

医療情報

テヘランなどの大都市の医療水準は比較的高く、CTやMRI等の高度医療機器を備えた病院も多くあります。しかし、各診療科の連携が不十分で適切な治療が行われない例もあり、プライバシー等に関する習慣の違いや言葉の問題等もあることから、詳しい検査・手術・入院等が必要な場合は、先進国の医療機関を受診されることをお勧めします。
出産についても、およそ半数が帝王切開で行われていることや、赤ちゃんに異常があった場合のケアに不安があることから、本邦等の先進国での出産が安全です。

気候

首都テヘランは、標高1,000~1,800メートルの高地に位置し、年間を通じて乾燥し寒暖の差が大きい内陸性気候です。夏季には気温が40℃を超える一方、冬季には市街でも降雪があります。年間降水量は約200ミリと少なく、そのほとんどが12月から3月にかけての冬季に集中します。

宗教

イスラム教、キリスト教、ユダヤ教、ゾロアスター教など

文化

多くの民族や多くの言語が使われています。生活はイスラム教と強く結びついています。古くからシルクロード中継地点であったため、文化も多様です。

気をつけたい感染症

細菌性赤痢、A型肝炎、腸チフス、サルモネラ、カンピロバクター感染症、コレラ、アメーバ赤痢、
ジアルジア症、ポリオ、クリミア・コンゴ出血熱

推奨する予防接種

A型肝炎 B型肝炎破傷風狂犬病ポリオ

テヘランの水道水は、無菌で良質と言われていますが、日本と比べてカルシウムやマグネシウムを多く含む硬水で、下痢を起こすこともあるため注意が必要です。特に妊婦や乳幼児には、市販のミネラルウォーターの利用をお勧めします。
また、テヘラン以外の水道水は飲用に適さないものもあります。

自動車の排気ガスなどの影響で、テヘランなどの大都市では大気汚染が深刻な問題となっており、特に冬場に悪化して学校が休校になることもあります。

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気をつけたい病気

大気汚染の影響、持病をお持ちの方

大気汚染が常態化しており、気管支喘息などの呼吸器疾患、アレルギー性疾患、高血圧症や心臓病などの循環器疾患が悪化したり、新たに発症したりする可能性があります。持病がある方は、渡航に際し主治医によくご相談ください。また、日本と同じ医薬品を購入することは困難ですので、常用薬は予め十分な量を日本からお持ちください。

交通事故

毎年、交通事故による死者は約2万人(日本約3,200人)、人口10万人あたりでは約25人(日本 約2.5 人)に上るなど、イランの交通事情はよくありません

マラリア

発生地域は、イランの南東地域のシスタン・バルチスタン州および隣接するホルモズガン州とケルマーン州の農村部に限られていて、2018年時点ではパキスタンなどの隣国からの輸入症例が601例、輸入症例からハマダラカを媒介して偶然に感染した導入症例が20例のみになります。テヘラン、イスファハン、シーラーズなどの主な観光地では、マラリア予防薬は必要ありません。

エイズ

宗教戒律の厳格なイランにおいても、従来の麻薬中毒患者の注射器等の再使用による感染に加え、性行為によるHIV / AIDS(エイズ)感染が増える傾向にあります。新規感染者では、女性の割合が30%強まで増えており、その大半は性的感染が原因になっています。厚生省の報告によれば、2014年までに28,663人が確認されていた累計患者数は、2019年には40,735人と増加傾向にあります。さらに、2019年の現感染者数は21,635人ですが、未診断の者も含めると現感染者数は約6万人と見積もられています。

コレラ

夏季を中心に発生があり、2005年にイラン国内で約1,100人が発症、11人が死亡し、テヘラン地域でも217人の患者が確認されました。2011年に1,000人超、2013年にも約250人の患者の発生がありましたが、それ以外の年は数十人程度で推移しています。

中東呼吸器症候群(MERS)

アラビア半島諸国(サウジアラビア、アラブ首長国連邦など)を中心に発生が報告されており、2014年から2015年にかけてイラン国内で6人の患者が確認されました。ラクダとの接触や、未殺菌のラクダの乳など加熱不十分な食品を避けてください。

皮膚リーシュマニア症

パキスタン国境に近い地方やペルシャ湾岸を中心に、テヘランを含むイラン全土において発生があります。
サシチョウバエが媒介し、感染のあるイヌとの接触や咬傷によってもヒトに感染します。

クリミア・コンゴ出血熱

家畜に付くダニが媒介し、初夏から秋にかけて、イスファハン、ホラサーン・ラザヴィ、シスタン・バルチスタン各州を中心に26の州において散発的に報告されています。

狂犬病

毎年、数名の死者が報告されています。万一、狂犬病にかかっているおそれのある動物に咬まれた場合には、創部の十分な洗浄と速やかな狂犬病ワクチンの接種が必要になります。

レプトスピラ症

ネズミの尿等から感染する病気で、カスピ海沿岸地域で発生が報告されています。

腸チフスやA型肝炎等の経口感染症

夏季を中心にイラン全土で報告されています。

渡航前ワクチンの流れ

渡航前ワクチンご予約から接種後の流れ

ご予約
  • ワクチン仮申込フォームを入力し送信してください。 24時間以内(土日・祝日を除く)に、当院からお電話もしくはメールでご連絡を差し上げ、ご予約確定となります。 ※英文証明書をご希望の場合、来院希望日時は申込日から5日後以降の日程をご選択ください。
  • ・事前に接種を希望されるワクチンの問診票を下記よりダウンロードしていただきご記入ください。
ご来院・接種
●お持ち物 問診票・母子手帳・接種証明書・ワクチン手帳(ある方)
  • ・37.5度以上の発熱があるなどの体調不良時には予防接種を受けることができません。
  • ・当院以外でも予防接種をおこなう場合は、ワクチンの接種間隔にご注意ください。
接種後
  • ・接種後15~30分間は体調変化の経過観察をしてください。
  • ・次回のワクチン接種予定がある方は、接種計画(ワクチンの種類・スケジュール)を確認してからご帰宅ください。
  • ・接種当日の激しい運動は避けてください。
  • ・シャワーや入浴は可能ですが、長風呂は避けてください。
  • ・1週間以内に接種部位が赤くなったり痛みが出たりなど、何らかの副反応が生じる場合がありますが、ほとんどの場合は数日以内に自然に軽快します。 日常生活に支障をきたすような症状がある場合、気になる症状がある場合は、当院までお問い合わせください。

注意事項 ※必ず事前にご確認ください。

  • ●初回は必ずワクチン仮申込フォームでの事前お申し込みが必要です。 下記「ワクチン仮申込フォーム」をご入力ください。
  • ●原則、事前のワクチン確保が必要なため、完全予約制です。 当日の接種をご希望の場合は事前に当院へご連絡ください。 ※インフルエンザワクチンについてはご予約をお受けしておりません。
  • ●英文証明書をご希望の場合、事前に当院での対応可否を確認しております。 ワクチン仮申込フォームより英文接種証明書をご希望いただき、別途事前にFAXにて記載箇所を明示の上ご送付ください。
  • ●証明書は発行までに数日程度お時間をいただく場合もございますのでスケジュールに余裕をもってお問い合わせください。
  • ●無断キャンセルはキャンセル料を頂く場合がございますので、予約のご変更はお早めにお電話くださいませ。
  • ●中学生以下の方の接種は、小児科医不在のためお断りしております。
  • ●高校生~未成年(20歳未満)の方の接種には保護者同席をお願いしております。
  • ●黄熱病予防接種実施機関ではないため、黄熱病予防接種証明書(イエローカード)については対応しておりません。

問診票について

予防接種時には問診票の記入が必要です。 事前に下記より問診票をダウンロードし、ご記入の上お持ちいただくと当日スムーズにご案内可能です。 (当日の状況次第では、お待ち時間が発生する可能性がございます。 ) 未成年の方の予防接種には、保護者の方の同意が必要です。 保護者の方が予防接種時に付き添えない場合には、事前に問診票をダウンロードしていただき、保護者の方のサインをご記入の上ご持参くださいませ。 医師問診の際に、保護者の方にオンラインでお繋ぎいただくことによって未成年の方は予防接種可能となります。 ※医師の判断により、予防接種を中止することがございます。 あらかじめご了承ください。