ブラジル(Brazil)

ブラジル(Brazil)

ブラジルへの渡航に備えたワクチン

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項目 説明
地域概要 ブラジルは、世界で5番目に大きな面積を持つ国で、赤道から南緯33度のまでの広い国土を持っています。

天然資源に恵まれたり、農業も盛んな国であり、生産量ではオレンジ、コーヒー、サトウキビは、世界一、カカオ、大豆、鶏肉、世界2位、トウモロコシは世界第3位の生産量を誇っています。

医療情報 感染症の流行や医療水準も地域によって大きく異なります。

公立病院の医療費は外国人に対しても無料ですが、待ち時間が長く、設備や衛生面に不安があるようです。

一方で、民間の医療機関は比較的設備が整っており、待ち時間も少ないようです。

また、公立および私立の総合病院には、24時間対応の救急外来があります。

日本語や英語での受付のない病院も多いようで、ポルトガル語通訳等が必要になります。

気候 広い面積から、気候も熱帯雨林気候から亜熱帯気候まで幅広く有り、地域により異なります。

北部の熱帯地域は、年間気温が25~35℃と1年中蒸し暑いです。

南部の亜熱帯地域では、1月と2月が最も暑く、雨も多くなっています。

サンパウロから南は温帯に近い亜熱帯地域で、冬は霜が降りる場合もあります。

ブラジリアやパンタナールのある中部の内陸部は雨期と乾期があり、日中の気温は高く、朝晩は冷え込みます。

宗教 カトリック約65%、プロテスタント約22%、無宗教8%
文化 ポルトガルの植民地となっていた歴史からポルトガル語が公用語となっています。

サッカーやカーニバルや日系人のイメージなど日本でも馴染みの深い国の一つです。

また、音楽も有名であり、ボサノヴァやサンバなどは世界中で親しまれています。

気をつけたい感染症 黄熱、デング熱、マラリア、フィラリア症、シャーガス病、リーシュマニア症、レプトスピラ症 (ワイル病)、ハンタウイルス肺症候群、類鼻疽、狂犬病、ジカウイルス感染症など
推奨する予防接種 A型肝炎 B型肝炎破傷風狂犬病(犬や野生動物との接触が予想される場合)、日本脳炎(農村部に長期滞在する場合)


気をつけたい病気

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病名 説明
寄生虫病 多種の寄生虫感染症があり、消化器症状の患者にすぐ駆虫薬を処方することがありますが、きちんと診断を受けたうえで治療を受けることを推奨します。
感染性胃腸炎 ウイルス・細菌・真菌・原虫などに汚染された食べ物や水から感染し、下痢・腹痛・嘔吐・発熱の症状を呈します。ウイルス・細菌・真菌・原虫などに汚染された食べ物や水から感染し、下痢・腹痛・嘔吐・発熱の症状を呈します。

脱水に対する対症療法を行いますが、症状が強いときは医療機関を受診してください。
呼吸器感染症 北部の熱帯地方では1年中利用し、南部の冬は気温が下がり空気が乾燥するため、どの地域でも上気道炎や肺炎にかかりやすくなります。
デング熱 蚊の媒介で発症するウイルス感染症で、例年ブラジルでも流行します。

突然の高熱・頭痛・関節痛があり、一部で重症化(デング出血熱・デングショック症候群)することがあるので、症状を有する場合は直ちに受診が必要です。
チクングニア熱 蚊の媒介で発症するウイルス感染症で、ブラジルでは国内全体で毎年感染例が発生しています。

発熱・関節痛・発疹が見られ、予防接種や治療薬はないため、蚊に刺されないことが大切です。

ワクチンや予防薬はないため、虫除け対策が一番の予防法であり、肌が露出する服装で野外を行動することは避けましょう。
ジカウイルス感染症 2015年にブラジル国内で感染例が確認され、軽度の発熱・発疹・結膜炎・疲労感・関節痛を起こしますが、重症化せず死亡することは稀とされています。

感染しても約8割が不顕性感染と言われていますが、予防接種や治療薬はないため、蚊にさされないことが大切です。
有毒性動物 蛇・サソリ・くも・毛虫などの有毒性生物による咬・刺傷事例が多く、死者も出ています。

郊外での野外活動では、長袖・長ズボンを着用し、藪には近づかないようにしましょう。刺絞傷を受けた場合は、医療機関を受診してください。
黄熱 2019年4月までにブラジル全土を黄熱ワクチン接種推奨地域とすることを発表しました。

黄熱は、高熱・筋肉痛で発症し、黄疸や出血傾向など重症化した場合の致死率は20%~50%とされています。

渡航前に、黄熱ワクチン接種をすることを推奨します。
マラリア ブラジル北部7州(アマゾン地域)とマラニョン及びマットグロッソ州の9州が流行地域です。マラリア原虫に感染した蚊に刺されることにより感染します。

マラリアの症状は、まず悪寒・高熱ですが、頭痛や下痢の感冒様症状で発症する場合もあります。

流行地域で蚊に刺され高熱が出た場合は、速やかにマラリア専門の公立医療機関を受診してください。
急性肝炎 食べ物から感染するA型肝炎と血液や体液から感染するB型肝炎があり、発熱・全身倦怠感・食欲不振・黄疸などの症状が表れます。

渡航前にA型・B型肝炎ワクチン接種を推奨します。
狂犬病 狂犬病ウイルスが傷口から侵入することで感染します。発熱・頭痛・倦怠感・筋肉痛・疲労感といった風邪のような症状で始まります。

不安状態・錯乱・攻撃状態・水を怖がるなど脳炎症状を呈し、最終的には昏睡から呼吸停止で死亡します。

狂犬病ワクチン予防接種が有効とされているので、渡航前の予防接種を推奨します。
シャーガス病 吸血昆虫のサシガメが媒介する感染症です。発熱・発疹で発症しますが、初期治療をしないと10年~20年後に心臓病を起こす可能性があります。

バラー州を中心として、不衛生なアサイー食品からの感染例が多いので注意が必要です。
リーシュマニア病 リーシュマニア原虫に感染したメスのサンチョウバエに吸血されることにより感染します。

発熱・貧血で発症する内蔵リーシュマニア・皮膚粘膜リーシュマニアが症状として表れます。
マンソン住血吸虫症 巻き貝が生息する淡水に入った際に、皮膚から感染します

現在、ブラジルでの慢性肝臓病の原因の一つとされています。
HIV / AIDS ヒト免疫不全ウイルスに感染した血液や精液などから感染します。輸血など血液製剤による感染は減少し、性交渉での感染が増えています。

また、注射器の使いまわしによる汚染血液が原因の感染も起こりえますので、ご注意ください。

ワクチンの費用

項目 金額(税込)
狂犬病ワクチン 19,800円/回
破傷風ワクチン 4,840円/回
日本脳炎ワクチン 8,250円/回
A型肝炎ワクチン  9,900円/回
B型肝炎ワクチン 4,950円/回
腸チフスワクチン 11,000円/回
MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン 10,780円/回
髄膜炎ワクチン 25,300円/回
4種混合(ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ)ワクチン 14,300円/回
水痘・帯状疱疹ワクチン 9,900円/回
おたふくワクチン 6,600円/回
肺炎球菌ワクチン 9,350円/回
ポリオワクチン 7,700円/回
ガーダシル9(一回分) 38,500円
ガーダシル9(三回分) 110,000円
シルガード9(一回分) 44,000円
3種T-dap(ジフテリア、百日せき、破傷風)ワクチン 13,600円/回
麻疹(はしか)抗体検査 4,070円
風しん抗体検査 4,070円
麻疹風疹抗体検査 4,840円
水痘抗体検査 4,070円
おたふく抗体検査 4,070円
B型肝炎抗原抗体検査 3,850円
 

ワクチンの接種時期と回数について

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ワクチン種類 0日 1週間 2週間 3週間 4週間 5週間 6週間 7週間 8週間 5ヶ月 6ヶ月 12ヶ月 18ヶ月 24ヶ月
A型肝炎 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目
B型肝炎 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目
狂犬病 (曝露前) ★1 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目
MR 生ワクチン 初回 2回目
髄膜炎 不活化ワクチン 1回
水痘・ 帯状疱疹 生ワクチン 初回 2回目
ムンプス 生ワクチン 初回 2回目
破傷風 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目(2回終了後 1年~1年半)
日本脳炎 (国産) 不活化ワクチン 初回 2回目 3回目 (2回終了後1年後)
日本脳炎 (輸入) 不活化ワクチン 1回
インフルエンザ 不活化ワクチン 初回 2回目
  • ※上記は一例です。 患者様の渡航先に合わせてご案内します。
  • ※生ワクチンは基本、接種後4週間経つまでは他のワクチン接種ができないため、渡航まで時間がない場合は接種スケジュールに注意が必要です。
  • ★1 曝露後の狂犬病ワクチン接種は別スケジュールとなります。 詳しくはこちらをご参照ください。

渡航前ワクチンの流れ

渡航前ワクチンご予約から接種後の流れ

ご予約
  • ワクチン仮申込フォームを入力し送信してください。 24時間以内(土日・祝日を除く)に、当院からお電話もしくはメールでご連絡を差し上げ、ご予約確定となります。 ※英文証明書をご希望の場合、来院希望日時は申込日から5日後以降の日程をご選択ください。
  • ・事前に接種を希望されるワクチンの問診票を下記よりダウンロードしていただきご記入ください。
ご来院・接種
●お持ち物 問診票・母子手帳・接種証明書・ワクチン手帳(ある方)
  • ・37.5度以上の発熱があるなどの体調不良時には予防接種を受けることができません。
  • ・当院以外でも予防接種をおこなう場合は、ワクチンの接種間隔にご注意ください。
接種後
  • ・接種後15~30分間は体調変化の経過観察をしてください。
  • ・次回のワクチン接種予定がある方は、接種計画(ワクチンの種類・スケジュール)を確認してからご帰宅ください。
  • ・接種当日の激しい運動は避けてください。
  • ・シャワーや入浴は可能ですが、長風呂は避けてください。
  • ・1週間以内に接種部位が赤くなったり痛みが出たりなど、何らかの副反応が生じる場合がありますが、ほとんどの場合は数日以内に自然に軽快します。 日常生活に支障をきたすような症状がある場合、気になる症状がある場合は、当院までお問い合わせください。

注意事項 ※必ず事前にご確認ください。

  • ●初回は必ずワクチン仮申込フォームでの事前お申し込みが必要です。 下記「ワクチン仮申込フォーム」をご入力ください。
  • ●原則、事前のワクチン確保が必要なため、完全予約制です。 当日の接種をご希望の場合は事前に当院へご連絡ください。 ※インフルエンザワクチンについてはご予約をお受けしておりません。
  • ●英文証明書をご希望の場合、事前に当院での対応可否を確認しております。 ワクチン仮申込フォームより英文接種証明書をご希望いただき、別途事前にFAXにて記載箇所を明示の上ご送付ください。
  • ●証明書は発行までに数日程度お時間をいただく場合もございますのでスケジュールに余裕をもってお問い合わせください。
  • ●無断キャンセルはキャンセル料を頂く場合がございますので、予約のご変更はお早めにお電話くださいませ。
  • ●中学生以下の方の接種は、小児科医不在のためお断りしております。
  • ●高校生~未成年(20歳未満)の方の接種には保護者同席をお願いしております。
  • ●黄熱病予防接種実施機関ではないため、黄熱病予防接種証明書(イエローカード)については対応しておりません。

問診票について

予防接種時には問診票の記入が必要です。 事前に下記より問診票をダウンロードし、ご記入の上お持ちいただくと当日スムーズにご案内可能です。 (当日の状況次第では、お待ち時間が発生する可能性がございます。 ) 未成年の方の予防接種には、保護者の方の同意が必要です。 保護者の方が予防接種時に付き添えない場合には、事前に問診票をダウンロードしていただき、保護者の方のサインをご記入の上ご持参くださいませ。 医師問診の際に、保護者の方にオンラインでお繋ぎいただくことによって未成年の方は予防接種可能となります。 ※医師の判断により、予防接種を中止することがございます。 あらかじめご了承ください。


主な出典・引用元