
ボスニア・ヘルツェゴビナ(Bosnia and Herzegovina)
国ボスニア・ヘルツェゴビナ(Bosnia and Herzegovina)

ボスニア・ヘルツェゴビナへの渡航に備えた予防接種
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項目 | 説明 |
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地域概要 | 東ヨーロッパのバルカン半島北西部に位置する国です。北部から西部にクロアチア、東部にセルビア、南部はモンテネグロと隣接しています。 海抜2,000メートル級の山々が連なる山岳国のため、国土の大部分は山地で、南部にディナルアルプス山脈があります。カルスト地形が発達しているのが特徴的です。首都のサラエボは1984年の冬季オリンピックの開催都市として知られています。 |
医療情報 | 医療機関は全体的に朽化した施設が多く、特に首都サラエボやスルプスカ共和国の中心都市バニャ・ルカ、その他にトゥズラ、モスタルなどの医大のある大都市以外では、建物だけでなく医療設備も乏しい医療機関が多いです。しかし、近年は世界各国からの支援もあり、サラエボを中心に最新の医療機器、資材、スタッフをもつ病院が増え、最も規模の大きいサラエボ大学附属病院も少しずつ最新化してきています。 また、私立系の高級病院も出現し、心臓外科手術などの高度な治療も行われてはいますが、スタッフの質や言語の問題等もあるので、緊急時以外の精密検査、手術等はおすすめしません。 |
気候 | 国土の大部分は大陸性気候に属していて、首都サラエボは標高約500メートルに位置する盆地のため、寒暖差が非常に大きく、夏期は最高気温が40℃以上となる日も見られる一方、冬期は最低気温が-20℃を下回ることもあります。 また、時期によっては交通が麻痺するような積雪に見舞われます。年間を通じて比較的乾燥していますが、秋期~冬期にかけては激しい濃霧に見舞われることもあります。 |
宗教 | イスラム教、セルビア正教、カトリック |
文化 | かつてユーゴスラビアを構成していた国の一つで、イスラム文化とヨーロッパ文化が融合した独特のオリエンタリズム漂う美しい旧市街があります。モスタルは世界遺産にも登録されています。 |
気をつけたい感染症 | 上気道炎、経口感染症・下痢症、ブルセラ症、Q熱、クリミア・コンゴ出血熱、ダニ脳炎、狂犬病・犬(動物)咬傷 |
推奨する予防接種 | 成人:A型肝炎、B型肝炎、破傷風、ダニ脳炎の予防接種
小児:A型肝炎、ダニ脳炎、水痘、おたふくかぜ |
気をつけたい病気
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病名 | 説明 |
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上気道炎 | 大気汚染に加え、冬は暖房のため屋内が乾燥していることなどから、呼吸器疾患になる方が少なくありません。長時間暖房を使用することで、室内が非常に乾燥し湿度が30%を下回ることもあり、鼻や喉などの上気道を傷めやすく、風邪などの上気道炎に罹患しやすくなります。 一度罹患すると慢性化したり、肺炎などの下気道炎を続発しやすくなるので、加湿器の導入など部屋の湿度を上げる工夫、インフルエンザの予防接種、マスクやマフラーなどの使用にくわえ、規則正しい生活と十分な睡眠で、疲労やストレスを避けるなどの対策が必要です。 |
経口感染症・下痢症 | 地域によっては水や食品などの衛生環境が不備なこともあり、細菌性の食中毒やA型肝炎など、汚染された食物等を原因とする感染症には注意が必要です。 |
ブルセラ症 | 波状熱、マルタ熱、地中海熱などとも呼ばれ、感染動物の加熱殺菌が不十分な乳、チーズなど乳製品や肉の喫食による経口感染が一般的です。1~3週間の潜伏期間の後、倦怠感、発熱、発汗、腰背部痛、関節痛、悪寒などインフルエンザと同じような症状や、その他、関節炎、リンパ節腫脹、脾腫、肝腫、中枢神経症状が見られることもあります。ボスニア・ヘルツェゴビナでも感染症の報告例があるため注意が必要です。 |
Q熱 | 重要な人獣共通感染症の一つで汚染された環境中の粉塵やエアロゾールを吸入し感染します。病態は大まかに急性と慢性に分けられ、急性型は2~3週間の潜伏期間の後、発熱、筋肉痛、頭痛、全身倦怠感、呼吸器症状などのインフルエンザと同様の症状が出ますが、主症状は肺炎、肝炎、あるいはその他の症状や臨床像は様々です。 慢性型は心内膜炎を特徴とし、適切な治療をしないと致死量が高くなります。 |
クリミア・コンゴ出血熱ウイルス | 出血熱を特徴とする感染症です。ヒトが感染することは非常にまれですが、ヒトはウイルスを有するマダニに咬まれたり、ヒツジなどの家畜を解体する作業中に血液に触れたりした場合に感染します。 また、患者体液との直接的接触でも感染することがあります。 |
ダニ脳炎 | ヨーロッパの森林地帯ではダニ脳炎の危険もあります。ダニに噛まれるのを避けるため、腕、脚を露出した格好は避け、肌の露出は避けましょう。 ダニ脳炎ワクチンの接種をおすすめします。 |
狂犬病・犬(動物)咬傷 | 狂犬病はすべての人を含む哺乳類に感染し、人も動物も死亡率はほぼ100%と言われておりますが、ワクチンを連続して接種することにより発症を防ぐことが可能です。 |
各院の診療時間・アクセスは
下記よりご確認ください。