
バングラデシュ(Bangladesh)
国バングラデシュ(Bangladesh)

バングラディシュへの渡航に備えた予防接種
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項目 | 説明 |
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地域概要 | 南アジアに位置し、インド、ミャンマーと国境を接し、南はインド洋に面しています。 中央部にガンジス川が流れており、国のほとんどがデルタ地帯で、サイクロンや洪水などの自然災害の被害が多い国です。 |
医療情報 | バングラデシュの医師や医療スタッフの数は日本に比べるとかなり少ないです。そのため、ダッカ市のいくつかの病院では最新設備を導入して先進的治療が施行されていますが、心筋梗塞、脳梗塞、多発外傷などの重症疾患では看護スタッフの少なさから継続的で詳細な患者観察は望めず、24時間常に対応できる医療機関は極めて少ないのが現状です。 不十分な病院設備、血液製剤の確保が困難、病院スタッフのサービス感覚の違い、さらに十分な説明がないまま医療が行われることなどから、首都であっても日本人が安心して満足のいく医療を受けるのは難しく、専門的な治療や入院を要する場合は国外へ出て治療を受けているのが現状です。 |
気候 | 気候は熱帯モンスーン気候で、4~9月の雨季、10~3月の乾季に分かれます。このうち4~5月は夏に相当し、1年のうちで最も暑くなり平均最高気温は33℃ほどになります。12~1月は冬に相当し朝晩は気温が10℃前後まで下がるため、セーターや毛布などが必要になります。 乾季には大気汚染が悪化するため呼吸器系の疾患を有する場合は特に注意が必要です。 |
宗教 | イスラム教、ヒンズー教徒、仏教、キリスト教 |
文化 | ベンガル人が大部分を占める。ミャンマーとの国境沿いのチッタゴン丘陵地帯には、チャクマ族等を中心とした仏教徒系少数民族が居住している。 |
気をつけたい感染症 | 腸チフス、アメーバ赤痢、肝炎、デング熱・チクングンヤ熱、マラリア、狂犬病、ニパウイルス感染症 |
推奨する予防接種 | 成人:破傷風、A型肝炎、B型肝炎、日本脳炎、狂犬病、腸チフスの6種類
小児:破傷風、A型肝炎、B型肝炎、日本脳炎、狂犬病、腸チフスの6種類の他に日本での定期予防接種を年齢相応に完了しておきましょう。 |
小児の方の場合は以上の他に、日本での定期予防接種を年齢相応に完了しておく必要があります。狂犬病ワクチンは、通常の生活圏にいることが確実な場合は咬まれてからの曝露後免疫でも問題ございません。
気をつけたい病気
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病名 | 説明 |
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腸チフス | 高温多湿の気候に加え劣悪な衛生環境のため、熱帯感染症のほとんどが見られます。原因不明の高熱が続くときは、蚊の媒介する疾患以外に腸チフスの可能性を考える必要があります。 消化器症状は必ずしも顕著ではありませんが、早期に抗菌薬等の適切な治療を受けなければ腸穿孔、大量出血をおこして致命的となることもあります。 |
アメーバ赤痢 | 高温多湿の気候に加え劣悪な衛生環境のため、熱帯感染症のほとんどが見られます。アメーバ赤痢は当地ではごく一般的疾患で、必ずしも急性の赤痢様症状を呈するとは限りません。慢性的な粘血便が続くときは必ず便検査を受けてください。 |
肝炎 | 高温多湿の気候に加え劣悪な衛生環境のため、熱帯感染症のほとんどが見られます。A型とE型の肝炎は汚染された生野菜、魚介、牛乳などからウィルスが経口感染します。A型肝炎を防ぐには予防接種を行うことが有効です |
デング熱 チクングンヤ熱 |
ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなどにより媒介されるウィルス性の伝染病で、発熱・頭痛・関節痛・筋肉痛、消化器症状など、よく似た症状を呈しますが、チクングンヤ熱の方がより強い痛みをきたします。雨期の後半に流行が見られます。 |
マラリア | ハマダラカによりマラリア原虫が媒介されることによる疾患です。チッタゴン丘陵はマラリア流行地域であり、このほかコックスバザール近郊、北部シレットなどのミャンマー国境周辺にもマラリアの発生が見られます。クロロキン耐性の熱帯熱マラリアが多く、治療の遅れは致命的となります。 |
狂犬病 | バングラデシュは狂犬病の流行地域です。野犬、野良ネコ、コウモリ等による傷口から入ったウィルスが神経に沿って脳に到達することによって、神経・精神症状、筋肉のけいれん、麻痺、昏睡などを呈したあと死亡します。 |
ニパウイルス感染症 | 頻度は高くはありませんが、感染すると脳炎を発症して高い致死率を示す疾患です。バングラデシュでの発生は、ブタから感染したマレーシアとは異なり、フルーツバットと呼ばれる果物を主食とするオオコウモリがニパウイルスを媒介したとみられています。ニパウイルスを含むコウモリの唾液や尿が付着したナツメヤシの樹液を飲んだり、コウモリが一部分かじった果実を生食したりする事で感染します。 発熱・頭痛・筋肉痛などのインフルエンザ様症状を呈し、進行すると意識障害・痙攣・昏睡などの脳炎を発症します。 |
各院の診療時間・アクセスは
下記よりご確認ください。