
げっぷの原因|よく出る時は病気の可能性も
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げっぷの原因|よく出る時は病気の可能性も
げっぷが頻繁に出ることで気になったり、不快感を感じたりしたことはありませんか?げっぷは、飲食や生活習慣が原因で起こることが多い一方で、逆流性食道炎や胃潰瘍、さらには胃がんなどの病気が関係している場合もあります。
本記事では、げっぷが発生する主な原因や注意すべき症状、関連する疾患について詳しく解説します。また、胃カメラ検査をはじめとする診断方法や、日常生活での効果的な対処法についても紹介します。げっぷの原因を知り、適切に対応するためのヒントをぜひ参考にしてください。
げっぷの原因と症状
胃の中に溜まった空気が食道を通って口から出てくるげっぷは、誰にでも起こる自然な生理現象です。しかし、頻繁にげっぷが出る場合や、他の症状を伴う場合には、単なる生理現象ではなく、何らかの疾患が隠れている可能性があります。げっぷの原因は大きく分けて疾患によるものと、生活習慣によるものがあります。
疾患が原因の注意した方がいいげっぷや喉の違和感
げっぷが頻繁に出る状態が続く場合、特に胸やけや胃もたれ、吐き気といった症状を伴う際には注意が必要です。逆流性食道炎や胃炎、十二指腸潰瘍などの消化器系の疾患が原因となっていることがあります。
また、進行した胃がんでは胃の運動機能が低下し、内容物がうまく腸へ送られなくなることで胃の内圧が上昇し、げっぷが増える場合があります。食道と胃の境目にある下部食道括約筋の機能が低下することでも、げっぷが増加することがあります。
このような状態では、胃酸の逆流も起こりやすくなり、食道の炎症を引き起こす可能性があります。症状が長引く場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。
飲食や生活習慣によるげっぷも
日常生活における様々な習慣もげっぷの原因となります。早食いや会話をしながらの食事では、必要以上に空気を飲み込んでしまいがちです。また、過度な飲酒や喫煙、脂質の多い食事の摂取も胃酸の過剰分泌を促し、げっぷを誘発する要因となります。
姿勢の悪さも原因の一つで、特に前かがみの姿勢は胃への圧迫を増やし、げっぷを引き起こしやすくなります。さらに、強いストレスにさらされることで胃腸の動きが悪くなり、消化不良を招くことでげっぷが増えることもあります。
加えて、歯を無意識に噛みしめる習慣がある場合、唾液の分泌が増えて空気を多く飲み込む結果、げっぷが多くなることがあります。これらの生活習慣は意識的に改善することで、げっぷの症状を軽減できる可能性があります。
げっぷを伴う病気とは?
げっぷの症状が長引いたり、他の不快な症状を伴う場合には、様々な消化器系の疾患が隠れている可能性があります。特に胸やけや胃の痛み、吐き気などと一緒にげっぷが出る場合は、早めに医療機関での診察を受けることが重要です。
以下では、げっぷが症状として現れる主な疾患について説明します。
逆流性食道炎とげっぷ
胃の内容物や胃酸が食道へと逆流することで起こる逆流性食道炎では、げっぷが頻繁に出ることがあります。この病気では、胃から空気だけでなく、胃酸などの内容物も一緒に食道へと逆流してきます。
その結果、げっぷとともに胸焼けや、酸っぱいものが込み上げてくる症状(呑酸)が現れます。主な原因として、食べ過ぎや飲み過ぎ、過度なアルコールの摂取、運動不足、ストレスなどが挙げられます。これらの生活習慣の改善とともに、適切な治療を受けることで症状の改善が期待できます。
胃潰瘍とげっぷ
胃潰瘍では、胃の粘膜が損傷を受け、深い潰瘍(傷)が形成される状態となります。主な原因はヘリコバクター・ピロリ菌への感染です。この病気の特徴的な症状として、げっぷをした際に酸っぱい臭いがすることが挙げられます。
また、みぞおちの痛みや吐き気、食欲不振なども初期症状として現れます。さらに症状が進行すると、吐血や下血といった深刻な症状を引き起こす可能性もあります。早期発見・早期治療が重要となるため、気になる症状がある場合は速やかに医療機関を受診することが推奨されます。
胃がんとげっぷ
胃がんは初期の段階ではほとんど自覚症状がありませんが、進行すると様々な症状が現れてきます。その一つとして、げっぷの頻度が増えることがあります。これは、がんの進行により胃の蠕動運動が低下し、胃の内容物が腸へと適切に送られなくなることで、胃の内圧が上昇するためです。
げっぷ以外にも、胃やみぞおちの痛み、胸やけ、胃もたれ、吐き気、食欲不振、体重減少などの症状が見られることがあります。これらの症状は他の消化器疾患でも起こりうるため、早期の段階での発見が難しい場合があります。
食道裂孔ヘルニアとげっぷ
食道裂孔ヘルニアは、横隔膜の開口部から胃の一部が胸部へと脱出している状態を指します。この状態だけでは基本的に症状は現れませんが、胃酸の逆流を伴う場合には、胸やけやげっぷ、酸っぱいものが込み上げてくる、胸痛、胸がつかえる感じといった症状が出現します。
主に加齢によって発症しますが、肥満や喫煙も発症の要因となります。症状が気になる場合は、医療機関での診察を受け、適切な治療を検討することが望ましいでしょう。
食道裂孔ヘルニアについてはこちら
機能性ディスペプシアとげっぷ
機能性ディスペプシアは、内視鏡検査などで潰瘍や炎症といった器質的な異常が見られないにもかかわらず、胃痛や胃もたれ、膨満感などの不快な症状が続く病気です。
げっぷもこの病気の症状の一つとして現れることがあり、げっぷが多い人ほど本疾患の頻度も高くなる傾向が見られます。胃の運動機能や知覚機能に障害が起きていることが原因と考えられており、症状に応じた適切な治療が必要となります。
機能性ディスペプシアについてはこちら
げっぷの検査方法
頻繁なげっぷに悩まされている場合、特に胸やけや胃の痛みなどの症状も伴う際には、医療機関での検査を受けることをお勧めします。
げっぷの原因となる様々な消化器系の疾患を適切に診断するため、以下のような検査が実施されます。
胃カメラ検査
げっぷの症状が長期間続いたり、胃痛や胸やけ、吐き気、食欲不振などの症状を伴う場合には、胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)の実施が推奨されます。この検査では、口や鼻から細い内視鏡を挿入し、食道や胃、十二指腸の状態を直接観察することができます。
現在の胃カメラ検査では、鎮静剤を使用することで患者さんの負担を大幅に軽減することが可能です。また、最新の内視鏡システムを使用することで、短時間で正確な検査を行うことができます。検査を希望する方には、眠っている間に検査を行う選択肢もあります。
胃カメラ検査により、逆流性食道炎や胃炎、胃潰瘍、食道裂孔ヘルニアなど、げっぷの原因となる様々な疾患を正確に診断することが可能です。早期発見・早期治療につながる重要な検査ですので、気になる症状がある場合は、躊躇せずに医療機関に相談することをお勧めします。
日常生活でのげっぷの対処法
げっぷを抑制するためには、胃腸への負担を軽減し、空気を過剰に飲み込まないよう生活習慣を見直すことが重要です。日常的な予防と対策を心がけることで、げっぷの症状を改善できる可能性があります。また、症状が気になる場合は、適切な医療機関での相談も検討しましょう。
げっぷが気になる場合は健康診断でのげっぷの報告や受診も
げっぷが頻繁に出る場合、胃腸の病気が原因となっている可能性があります。そのため、会社の健康診断や人間ドックを受診する際には、問診票にげっぷの症状について記入したり、医師の問診時に状況を詳しく伝えることが大切です。
定期的な健診で胃や腸の健康状態をチェックすることは、病気の予防にもつながります。特に胃がん検診などを受ける際には、げっぷの頻度や他の症状の有無についても医師に伝えましょう。これにより、適切な検査や治療方針の検討につながります。
気になる症状がある場合は、健診の機会を待たずに消化器内科の専門医を受診することをお勧めします。医師との相談を通じて、生活習慣の改善点や必要な検査について適切なアドバイスを受けることができます。
まとめ
げっぷは誰にでも起こる自然な生理現象ですが、頻繁に出る場合や他の症状を伴う場合には、重大な病気のサインである可能性があります。特に胸やけや胃の痛み、吐き気などの症状と一緒に現れる場合は要注意です。
早期発見・早期治療が重要な胃がんなどの疾患も、げっぷの症状として現れることがあるため、症状が気になる場合は躊躇せず医療機関を受診することが大切です。
定期的な健診で胃腸の健康状態をチェックし、適切な生活習慣の改善を心がけることで、げっぷの症状を改善し、より快適な生活を送りましょう。
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略歴
- 藤田保健衛生大学医学部 卒業
- 公立昭和病院
- 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
- 北部地区医師会病院麻酔科 科長
- 2016年 MYメディカルクリニック 医師