これって生理不順?チェック方法や原因、治し方を解説
- クリニックブログ
これって生理不順?チェック方法や原因、治し方を解説
生理不順は多くの女性の悩みの種になっている問題です。しかし、生理のことはなかなか人に相談しづらく、自分が生理不順なのかが分からない、生理不順になったら治療が必要なのかと悩む方もいるかもしれません。
本記事では生理不順がどのような状態なのか、治療方法はあるのかについて詳しく解説します。また、生理と妊娠は密接な関係があり、特にこれから妊娠を望む女性にとっては気になるところでもあるのではないでしょうか。生理不順は妊娠にどのような影響があるのかについても解説するためぜひ参考にしてみてください。
生理不順の特徴と治療方法
ここでは、多くの女性の悩みの種となっている生理不順について詳しく解説します。生理不順の特徴や治療方法を知りたいという方は参考にしてみてください。
生理不順の概要
正常な生理周期は、25日~38日ごとに3日~7日間生理が持続するものとし、周期の変動は±6日以内とされています。つまり、この期間を逸脱して生理が起こる状態が生理不順なのです。生理がはじまってから6年~7年程度は排卵周期が不安定であるといわれています。そのため、生理開始から6~7年程度は生理不順の方が多い傾向にあり、問題視されないことも多いです。
しかし、生理不順にはさまざまな種類があり、生理不順の種類によっては早めに対処しなければならないものもあります。
生理不順の種類・治療方法
生理不順は放置せず、原因を調べて治療をしてもらうのが望ましいでしょう。生理不順を起こしている原因はさまざまなことが考えられ、その種類によって治療方法も異なります。ここでは生理不順の種類と治療方法について解説します。
頻発月経
生理周期が24日以内よりも短い状態のことです。生理周期が短いため月に2回生理が来ることもあり負担に感じるかもしれません。頻発月経の原因は主に3つあります。
ひとつ目は卵子が排卵するまでの期間である卵胞期が短いこと、ふたつ目は排卵から生理がくるまでの黄体期が短いこと、3つ目は排卵が無いことです。このうち卵胞期が短くて頻発月経になっている場合は思春期や閉経前に多く、ホルモンバランスが影響していると考えられるため、治療の必要がないケースがほとんどです。
また、排卵が無いのも、病気の可能性とホルモンバランスによるもののどちらも考えられるため、病気の可能性が無ければ治療は必要ありません。しかし、黄体期が短くて頻発月経となっている場合には黄体機能不全の可能性があり、妊娠の維持ができなくなることから不妊や流産を引き起こす原因にもつながるため、女性ホルモンを補充する治療が必要です。
稀発月経
稀発月経とは、40日~50日ごとに生理がくるもので、生理周期が基準よりもはるかに長く、生理がこない月があることが特徴です。
稀発月経も大きく2つのパターンに分類されます。ひとつは体質によって排卵までに時間がかかるパターンです。この場合は排卵がされているため、治療を必要としないことが多いです。また、過度なダイエットやストレスによって稀発月経となる方もいますが、こちらも生活習慣を改善することで、稀発月経が治れば問題ありません。
もうひとつはホルモン分泌や卵巣機能などのトラブルによって無排卵となり、稀発月経となるパターンです。この場合、放置すると無月経になったり、不妊の原因となったりするため、ホルモン療法で排卵を促すという治療を行います。しかし、妊娠の希望の有無などによって治療頻度は変わります。
過短月経
過短月経とは生理の期間が短いことで、だいたい2日以内で生理が終わってしまう場合を指します。過短月経となる原因は、ホルモンバランスの乱れ、ホルモン分泌異常、子宮の病気の3つが考えられます。ホルモンバランスの乱れが原因の場合は、経過観察で改善する場合が多いです。
しかし、ホルモン分泌異常の場合は卵巣の病気の可能性がありますし、子宮の病気の場合の場合には、その後の妊孕性が関係するためそれぞれ治療を受ける必要があります。主に、ホルモン補充療法となることが多いです。
また、「もともとは生理周期が安定していたのに突然過短月経となった」、「産後過短月経になった」、「成人を過ぎても過短月経の状態」という方は医療機関へ相談するのがおすすめです。
過長月経
過長月経とは月経の期間が長く、8日以上続く場合のことをいいます。この場合、子宮筋腫や子宮腺筋症などの病気、無排卵周期症などの病気の可能性が考えられます。また、過長月経となると出血が続くため、生理のたびに貧血ぎみになり辛い思いをするかもしれません。
過長月経の場合は原因となっている子宮の病気を手術で治したり、ホルモンを補充したりといった治療を行います。
産後に生理不順が起こることもある
これまで順調な生理周期だったのに産後突然生理不順となることもあります。産後は慣れない育児や出産後のホルモンバランスの乱れなどによって女性ホルモンが不安定なため、1年~2年は生理不順になることが多いです。しかし、産後2年以上たっても生理が再開しない、生理再開後なかなか周期が安定しないという場合には一度医療機関へ相談しても良いでしょう。
生理不順の原因
ここまでご紹介してきたように生理不順はホルモンバランスの乱れが関係していることが多いです。ホルモンバランスの乱れは子宮や卵巣の病気の場合と、病気以外の場合があります。ここでは、病気以外でホルモンバランスが乱れ、生理不順となる原因について解説します。
ストレス
ストレスはホルモンバランスに直結するといわれています。ストレスを感じると女性ホルモンの分泌を司っている下垂体や視床下部からの指令が正常に送られなくなります。これにくわえて、ストレスによるダメージで卵巣を刺激するホルモンの分泌が抑制されるため、生理に関係する女性ホルモンの分泌が減り、その結果女性ホルモンのバランスも乱れるとされているのです。
体重減少
体重の過度な減少もホルモンバランスの乱れに関係します。体重が過度に減少すると脂肪細胞から分泌されるレプチンという物質の分泌量が低下します。レプチンは脳の視床下部というところで、ホルモン分泌に関与していますが、レプチンの低下に伴いホルモンの分泌も抑制されるため、ホルモンバランスが乱れるといわれているのです。
一般的に体重が短期間に5kg以上減少、または体重の10%以上を減少すると生理不順に影響するといわれています。
妊娠や更年期による閉経
妊娠中は妊娠を維持するために通常とは異なるホルモンバランスとなります。そのため、妊娠中はホルモンバランスが乱れやすくなるのです。また、加齢に伴い分泌される女性ホルモンの量が減ってきます。
そのため、閉経が近づいてくると徐々に女性ホルモンのバランスが乱れるのです。早い方では30代から、遅くとも50代には閉経を迎えるとされています。
生理不順は病気の可能性も
生理不順はホルモンバランスの乱れによって起こりますが、ホルモンバランスは病気によっても乱れます。また、ホルモンバランスは正常であっても子宮や卵巣に何かしらのトラブルがあることで、生理不順となる可能性もあります。
ここからは、生理不順を引き起こす可能性のある病気について解説します。
子宮内膜症
子宮内膜症とは子宮内膜あるいは子宮内膜に似た組織が別の場所に発生する病気です。この子宮内膜症は主に卵巣、子宮と直腸の間のくぼみであるダグラス窩、子宮を後ろから支える靭帯である仙骨子宮靭帯、子宮と膀胱の間のくぼみにできます。
通常、子宮内に発生した子宮内膜は生理のたびに剥がれて体外へと排出される仕組みです。しかし、閉鎖的空間に子宮内膜が発生するため、体外へ排出されることなくどんどん子宮内膜が溜まります。その結果としてさまざまな影響を引き起こすのです。
特に、注意したいのが卵巣にできる子宮内膜症である「卵巣チョコレート嚢胞」です。卵巣チョコレート嚢胞になると卵巣に炎症を起こしたり子宮内膜が卵巣に癒着して卵巣の機能が落ちたりするため、排卵に影響し、生理不順を引き起こします。
子宮内膜症について詳しくはこちら
子宮筋腫
子宮筋腫とは子宮の壁である子宮の筋肉に良性の腫瘍ができる病気です。30歳以上の女性の20%~30%にみられており、決して珍しい病気ではありません。
卵巣から分泌されている女性ホルモンの影響で筋腫は大きくなるため、閉経すれば筋腫は小さくなっていくことが特徴です。子宮筋腫は過長月経や過多月経の原因になり、筋腫ができる部位によっては流産のリスクも高まります。
子宮筋腫について詳しくはこちら
多嚢胞性卵巣症候群
多嚢胞性卵巣症候群は、両側の卵巣が腫大・肥厚・多嚢胞化する病気です。本来、排卵前になるといくつかの卵胞が育ち始めますが、そのなかで排卵されるのは最も成長した卵胞にある卵子のみです。ここで排卵されなかった卵子は成長が止まり、縮小していきます。
しかし、多嚢胞性卵巣症候群になると卵胞の成⻑が途中で止まり、小さな卵胞のまま卵胞内に留まるのです。原因は完全に解明されていませんが、ホルモンバランスの乱れが主たる原因であると考えられています。
女性の5%~10%に見られており、不妊の原因にもなりかねません。多嚢胞性卵巣症候群は無月経、稀発月経の原因であるとされています。
生理不順の予防・改善方法
生理不順の原因が病気によるものではない場合、生理不順はセルフケアでの改善が見込めます。生理不順の予防や改善の方法は次の通りです。
規則正しい生活をする
生理不順は無理なダイエットによる栄養不足や、肥満、睡眠不足などが原因で起こることもあり、規則正しい生活は非常に重要です。そのため、バランスのとれた食事を3食しっかりと摂り、睡眠不足にならないようしっかりと睡眠をとりましょう。
規則正しい生活を持続することでホルモンバランスが安定してくるため、生理周期も安定してくるでしょう。
ストレスをためない
生理不順はストレスが大きく影響しています。ストレスを受けるとホルモンの分泌量が低下し、ホルモンバランスが乱れるため、ストレスをためないような生活を心がけましょう。とはいえ、ストレスを全くためない生活というのは難しいかもしれません。
そのため、自分でストレス発散方法を見つけて適度にストレスを発散していきましょう。強いストレスが続き、生理が安定しないという場合には、病院で医師に一度相談してみても良いかもしれません。
激しい運動を控える
ストレス発散あるいはダイエット目的で運動をする方もいるかもしれませんが、実は激しい運動は生理不順を誘発するといわれています。激しい運動を継続して行うことで、エネルギーが不足したり、運動によってストレスが溜まったりして、これらが脳の視床下部や下垂体といった女性ホルモンを司る部分にダメージを与え、無月経の原因になるとされています。
そのため、生理不順を治すためには激しい運動を控えるのがおすすめです。
婦人科外来はこちら
生理不順は病院へ行くべきか迷ったときの判断基準
「自分が生理不順なのかわからない」、「この程度で病院へ行って良いのかわからない」というような悩みや、「婦人科受診へハードルの高さを感じる」というような悩みを感じる方もいるのではないでしょうか。
ここからは、生理不順で病院へ行くべきか迷ったときの判断基準についてお伝えします。
思春期なら様子を見ても問題ない
前述したように生理がはじまってから6年~7年程度は生理周期は安定していません。そのため、思春期はまだまだ生理周期が不安定で、生理不順は起こりやすいとされています。つまり、思春期であれば様子を見ても問題ないといえるでしょう。
一般的に1年に3回~4回生理が来ていれば問題ないといわれています。
妊娠を希望するなら早めに対処
未婚の女性や妊娠の希望が無い女性の場合は、生理不順以外の症状が無ければ経過観察でも問題ないことが多いです。しかし、妊娠を希望するならば早めに対処する必要があります。
生理不順を放置し、長期間子宮内膜の変化の異常であると、その結果として着床率の低下や流産、胎児発育不全などが関係するといわれています。そのため、妊娠を希望している方は早めに医療機関を受診して医師へ相談しましょう。
生理不順以外の症状があれば病院へ行くべき
生理不順の症状のみであれば経過観察でも問題ありませんが、もしも生理不順以外の症状が合った場合には病院へ行くべきです。生理不順以外の症状があると病気の可能性があります。
特に、次のような症状が見られた場合には病院の受診を検討しましょう。
- ● 強い痛みがあり日常生活が困難
- ● 1時間おきにナプキンを変えるほど出血量が多い
- ● 月経以外の時期に出血する
病気が原因の場合には、病気を治せば生理不順が改善できるかもしれません。
生理が約1週間遅れている場合は検査キットで判断
生理が遅れている場合には、妊娠の可能性もあります。特に普段から生理周期が乱れている場合には、妊娠していても、「生理不順によるものだろう」と思ってしまい、妊娠になかなか気づけないでしょう。そのため、生理開始予定日から1週間経過したら妊娠検査薬を使って一度妊娠の有無をチェックしてみても良いでしょう。
生理が3ヶ月から半年程度来ていない場合は受診
生理が3ヶ月から半年程度来ていない場合には女性ホルモンの分泌量に問題がある可能性が高いです。また、子宮や卵巣、脳の病気がある可能性も考えられます。そのため、なるべく早く病院を受診して医師へ相談しましょう。
ただし、初めて生理が来てから3年経っていない場合には、生理が3ヶ月から半年程度来ないこともよくあるので、その場合には様子を見ても良いでしょう。
判断ができない場合は受診を推奨
生理不順だったとしても、生理になってからずっと生理周期が安定していないという方の場合、自分では生理不順かどうか判断できないかもしれません。そのため、生理不順か判断できない場合には病院受診が推奨されます。
病院を受診すれば自分が生理不順かどうかということに加え、生理不順の原因についても分かるでしょう。専門医に自分の生理の状態を相談し、具体的な対策を教えてもらうことをおすすめします。
まとめ
初めての生理が来てから、生理周期が安定するまではある程度時間がかかり、その間は生理不順になることはよくあります。
しかし、生理が安定していたにもかかわらず突然生理不順になったり、初めての生理が来てからある程度年数を重ねたのに生理不順になっていたりする場合には、何か病気が隠れているかもしれません。そのため、生理不順が続いているという方は早めに病院を受診して医師に相談しましょう。
また、生理不順はストレスや日常生活の乱れも関係しています。生理不順が突然始まったという方は、日常生活を整えることで、生理不順が改善できるかもしれません。生理不順が続いているけれど、病院に行くべきか悩んでいるという方も病院を受診して医師の診察を受けてみてください。
婦人科外来はこちら
略歴
- 藤田保健衛生大学医学部 卒業
- 公立昭和病院
- 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
- 北部地区医師会病院麻酔科 科長
- 2016年 MYメディカルクリニック 医師