トイレに行くたびに痛い?排尿時の痛みの原因と症状、対処方法について解説
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トイレに行くたびに痛い?排尿時の痛みの原因と症状、対処方法について解説
尿を排出する際に痛みや不快感を感じたことがある方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
痛みを感じると、トイレに行くことが怖くなったり、水分を控えてしまう方もいます。
排尿時痛には、さまざまな原因が隠れています。
今回は、トイレに行くたびに気になる痛みについて説明します。
誰でもなる可能性が高いので、日々の生活の中で予防する方法もあわせて紹介します。
排尿時の痛みの原因と症状とは?
排尿時に痛みを感じるときには、必ず原因があります。
どのような原因で起こるか、症状を合わせて説明します。
排尿時に感じるツーンとした痛み
尿を排出する際に、ツーンとするような痛みを感じた場合は、粘膜からの細菌の感染が疑われます。
急に我慢ができないほどの痛みや、焼けるような痛みとして感じることもあります。
突然痛みを感じる場合は、急性膀胱炎や間質性膀胱炎などの可能性があるので、その場合は早急に受診を行いましょう。
排尿が終わりかける際に感じる痛みの原因
排尿が終わるころにお腹の奥のほうで「ズキ」とした痛みや「ツーン」とする痛みは、尿の通り道に原因がある場合が多くみられます。
疑われる病気としては、膀胱炎(急性膀胱炎)や性感染症によるクラミジア感染症などです。
他にも尿路結石や膀胱炎といった病気の可能性も考えられます。
近年では、性交渉の低年齢化とともに違和感を訴える方が増加しています。
痛みがあった場合はパートナーへの感染リスクも考えられます。
ひどくなると黄色や白っぽい膿が出たり、我慢ができないほどの痛みになることもあります。
クラミジア感染症についてはこちら
男性や女性による排尿時痛の違い
男性と女性では、基本的な体の構造が異なるため排尿時痛が異なります。
それは、尿道の長さが関係しています。
尿道とは尿の通り道のことで、膀胱から外尿道口(尿の出口)までを示します。
その尿道に細菌が入り込むことで、痛みにつながることがあります。
男性の場合、尿道(尿の出口)から膿が出ていると細菌感染尿道炎や前立腺炎といった炎症性疾患の可能性が高いです。
女性では下腹部に痛みや違和感を訴える方が多くみられます。
尿道が短いので外尿道口から細菌が侵入し、膀胱粘膜に感染する膀胱炎であることが多いです。
排尿痛を感じるときには、身体の免疫力が衰えているときです。
疲労の蓄積や冷えなどの免疫力が低下しやすい要因に注意しましょう
下腹部の痛みについてはこちら
排尿時痛の対策と治し方
排尿に痛みが起こる最も多い原因は、病気の影響です。
症状によっては病院へ行かず、自然治癒力に任せて回復をする場合もあります。
どのようなときに病院を受診をすべきかタイミングを説明します。
自然治癒する場合と受診が必要な場合
ほとんどの排尿時痛は、感染症が原因でみられます。
日常生活での疲れやストレスで身体に負荷がかかるときには注意しましょう。
すぐに休息やリフレッシュするなどで気分転換すると、症状が治まる場合があります。
十分な休息が取れなかったり、風邪をひくなどの症状がある場合は一度受診をして悪化を防ぐことが大切です。
尿路感染症や膀胱炎の治療方法
尿検査を行ったうえで、原因となる菌を特定し有効な抗生物質を処方します。
尿検査は簡易的なものがほとんどですが、膀胱炎を繰り返す場合には、膀胱の壁に異常がないかをエコー検査で調べることがあります。
尿路感染症についてはこちら
男性における前立腺炎の対策と治療
男性は尿道から雑菌が侵入し炎症を起こす前立腺炎になりやすいです。
前立腺炎である場合は、排尿の始めに痛みを感じます。
他にも、頻尿・残尿感といった症状がみられることもあります。
炎症が強くなると高熱・倦怠感なども加わり、痛みが全身に広がります。
気になることがある場合は、早めに医師に相談しましょう。
排尿時痛の予防方法と注意点
排尿時痛は、繰り返すことが多い病気です。
予防方法と注意点について解説します。
感染を防ぐための注意事項
排尿時痛は、抵抗力が落ちていると発病しやすくなりますので、風邪や冷え、過労、ストレスに注意して予防しましょう。
ほとんどが尿路の細菌感染によって起こるもので、体が健康なときには、抵抗力が十分にあるので少しぐらいの細菌が感染しても発病しません。
性感染症による排尿時痛の再発を防ぐ方法
性感染による排尿時痛は、性的な接触時にコンドームをつけることで幾分予防することが可能です。
クラミジア感染症は、現在最も多い性感染症で初期段階では自覚症状がなく人に感染を広げてしまいます。
男性が感染した場合は、排尿の始め頃に感じるツンとした痛みや尿道がしみるといった症状が見られることがあります。
再発しないようにするためには、安易な性接触を行わず身体の免疫力を落とさない努力をすることが求められます。
膀胱炎の予防策と対策
膀胱炎の予防は、日常生活でストレスをためないことや身体の免疫力を落とさないようにすることが大切です。
下腹部を冷えないように、常温で水分をとったりひざ掛けなどを活用することもおすすめです。
女性の場合はスタイル維持のために行う下腹部をしめつけるもの(ガードルなど)の着用時間に気を付けてください。
初期段階であれば膀胱炎は比較的治りやすい病気です。
しかし、すぐに再発しやすいため予防して十分に注意しましょう。
まとめ
排尿時に痛みを感じた場合は、排尿の初めに感じる痛みと終わりに感じる痛みでは原因が異なります。
女性と男性では、原因が異なるため治療方法も変わってきます。
軽い膀胱炎であれば、ストレスに気を付けたり疲労を回復させる生活を心がけることですぐに回復します。
痛みが我慢できないほどのものであったり、膿が出てくるような場合であれば性感染症の疑いが考えられます。
その場合は、早急に医師のもとへ相談に行くようにしましょう。
身体を冷やさない、疲れをため込まないように心がけることで排尿時に感じる痛みは和らげることができます。
心当たりがある場合は、生活改善にも取り組みましょう。
略歴
- 藤田保健衛生大学医学部 卒業
- 公立昭和病院
- 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
- 北部地区医師会病院麻酔科 科長
- 2016年 MYメディカルクリニック 医師