不正出血に潜む病気とは?セルフチェックや受診について解説
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不正出血に潜む病気とは?セルフチェックや受診について解説
女性の体は繊細で、日々のライフスタイルやストレスによってさまざまな反応を示すことがあります。特に、不正出血は女性の間でよく見られる現象で、その背後にある要因やどう対応すべきかの情報を知っておくことは大切です。
この記事では、不正出血が起こる理由や、避けるためのアドバイス、日常生活での気をつけるべき点などを解説いたします。
不正出血とは?
「不正出血」は多くの女性が一度は経験する症状といわれています。不正出血の基本的な情報や、それがどのような状態なのかを紹介します。
不正出血とはどのようなものか
不正出血は、通常の月経とは異なるタイミングでの出血を指します。ただの月経の周期のズレだけでなく、何らかの健康上の問題が関連していることも考えられるといえるでしょう。
通常の月経ではないタイミングでの出血は、短い期間でも専門医に相談することをおすすめします。
不正出血と普通の生理の違い
不正出血と普通の生理では、「周期性」「出血の量」「原因」がそれぞれ異なっています。
周期性
通常の月経は一定の周期で訪れますが、不正出血は突然、予測不能なタイミングで現れるのが特徴です。
出血の量
月経時には数日間続く出血が普通ですが、不正出血は短時間で終わる軽い出血が主です。ただし、長期間続く場合もありますので注意が必要です。
原因
不正出血の背後には、ホルモンのバランスの崩れや精神的なストレス、あるいは子宮や膣の健康問題など、さまざまな要因が考えられます。
不正出血の原因や考えられる病気
不正出血の主要な要因と、関連する具体的な症状について解説いたします。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンは私たちの体の多くの動きをコントロールする要素です。特に、女性ホルモンは、月経のリズムや妊娠といった、女性ならではの生理的な変化に密接に関連しています。
生活の変化、ストレス、極端な食事制限などが、ホルモンバランスを崩し、それが不正出血を引き起こすことが考えられます。
腫瘍
子宮筋腫は、良性の腫瘍として知られ、多くの女性に見られる症状の1つです。良性であっても、サイズが大きくなると周囲の部分を圧迫し、出血などの症状を起こすことがあります。
悪性腫瘍、すなわちがんは、進行すると他の部分にも悪影響を及ぼす恐れがあるため、早めの対応が重要です。
炎症や裂傷
性器は非常にデリケートな部位であり、外部からの刺激によって炎症や裂傷が生じることがあります。性行為の際の過度な摩擦や出産などがその一例です。
他にも、感染症やアレルギー反応も炎症の原因になる可能性があるものです。このような原因で起こる炎症や裂傷が、不正出血の原因となる場合があります。
不正出血セルフチェックポイント
不正出血が起きた際、自分の体の変化や症状をしっかりと確認することは、適切な対応や治療への第一歩として非常に重要です。不正出血が起こった際に、自分で確認しておきたいポイントを以下にまとめました。
出血の時期や期間
いつからいつまでの間に出血があったのか、その期間をしっかりと把握することが大切です。通常の月経の時期なのか、それとも月経の間隔中に起きたのかを確認しましょう。
出血が一時的なものだったのか、断続的に続いているのか、あるいは通常の月経期間よりも長引いているのかなど、その特徴をメモしておくと良いでしょう。
出血の量や色
不正出血があったときには、出血量や色をチェックしておくのが重要です。普段の月経の出血を基準にすると参考になります。
出血量が月経の時と比べて多いか少ないか、生理用品をどの程度の頻度で取り替える必要があるかを記録しておきましょう。また、出血の色が鮮血のような赤なのか、暗めの茶色など、色の変化も注意してメモしておくと、後で医師に伝える際に役立ちます。
出血時の痛みや体調
出血が起きた際、どの部分でどんな感じの痛みがあるのか、または発熱や吐き気、頭がくらくらするなどの追加の症状が伴うかをメモしておくと役立ちます。
たとえば下腹部の重だるさや、突然鋭い痛みが出る場合は子宮筋腫などの疾病の可能性が否定できません。めまいや吐き気などの症状がある場合も、他の疾病が関係している場合があります。
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不正出血の年齢別の特徴・対処法
女性の体は年齢とともに変化するため、不正出血の原因や特徴も年齢によって異なることがあります。以下では、年齢別の不正出血の特徴とその対処法について詳しく解説します。
10代・思春期の不正出血
思春期では、月経が始まったばかりのため、ホルモンバランスが不安定になることが多く、そのため不正出血が起こることがあります。
生活リズムを整えたり、栄養バランスの良い食事を心掛けたり、極端なダイエットを避けることでホルモンバランスを整えることが可能です。
20代・30代の不正出血
妊娠や出産が不正出血の要因として挙げられます。また、職場や家庭のプレッシャーも体に影響を及ぼすことがあるでしょう。
妊娠したいタイミングを考え、避妊方法を医師と相談することや、ストレスを溜めない生活習慣を心がけることが大切です。
40代・更年期の不正出血
更年期に差し掛かると、ホルモンの変動が大きくなることが多く、不正出血の要因となることがあります。医師と相談し治療を受けることで不正出血を抑えることが可能です。
50代以降の不正出血
閉経を迎えると、体の変化が大きく、それが不正出血の原因となることが考えられます。閉経後の出血は、何らかの健康上の問題を示唆することが多いため、早めに専門医に相談することが大切です。
いずれの年齢でも不正出血がある場合には専門医を受診し、検査やその後の投薬などの相談をすることが重要です。
まとめ
不正出血は、さまざまな原因によって引き起こされる症状です。ホルモンバランスの乱れや生活習慣、腫瘍や炎症など、多岐にわたる要因が考えられます。
日常生活の中で規則正しい生活習慣を心がけ、バランスの良い食生活を維持することで、不正出血のリスクを低減することが期待できます。また、年に1回以上の婦人科の受診は、不正出血の早期発見・早期治療に繋がります。
健康を維持・向上させるために、日常の生活習慣の見直しと、定期的な医療機関の受診を心がけましょう。
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略歴
- 藤田保健衛生大学医学部 卒業
- 公立昭和病院
- 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
- 北部地区医師会病院麻酔科 科長
- 2016年 MYメディカルクリニック 医師