健康診断の結果、健康診断を受ける時の注意点

  • クリニックブログ
  • 検査
  • 豆知識
2022/08/02

健康診断の結果、健康診断を受ける時の注意点

 皆様、新型コロナ感染症の第7波が猛威を振るう中、いかがお過ごしでしょうか。

 感染症の只中ですと今現在の健康にだけ目を向けがちですが、長い目で見て健康を保っていくには健康診断などの予防医療がとても大切です。

 今回は横浜みなとみらい院院長の山本が健康診断についてご紹介いたします。

 

健康診断による早期発見・早期治療が大切です

 人は皆、辛い症状の病気になれば自然と医療機関へ足を運びますが、自覚症状が現れてから検査を受けたのでは病気が進行してしまっている可能性が高いです。

 そのため、病気の未然に防ぎ、未病を保つという観点から健康診断を受けることは非常に重要です。定期的に健康診断を受ければ病気を症状の現れる前の早期に見つけられ、手遅れになる前に治療を行うことができます。

 健康診断のもうひとつの目的は、生活習慣の見直しです。健康診断では、病気にはなっていなくても、予兆ともいえる症状を知ることができます。毎年受けることで、去年の状態と今年の状態を比べ、症状が改善しているのかということも判断できます。生活習慣をあらためることで症状改善につながることもあるため、生活習慣を見直す機会としても健康診断は非常に重要です。

 

健康診断前日… やって「いいこと」「悪いこと」

 健康診断の前日には遅い時間の食事がNGとされています。健康診断の項目のうち、「血糖値・中性脂肪・肝機能・血圧」は前日の食事内容の影響を受けます。特に血糖値は「空腹時血糖(食後10時間以上、水以外何も摂取していない状態の値)」を測らなくてはなりません。このため、朝から健康診断を行う場合は、夕食を前日の夜9時までに食べ終えておく必要があります。また、アルコールは分解されるのに数時間から12時間程度かかるため、前日のアルコールも控えましょう。
 もしうっかり前日の夜9時以降に食事や水以外の飲料を摂取してしまったら、検査を実施する医療機関に、速やかに、そして正確に、食事の内容と食事を摂った時間を伝えましょう。場合によっては食事が影響しない検査のみ行い、残りの検査は後日改めて行うこともあります。

 

 健康診断の前になると、できるだけ良い数値を残したいという気持ちから、慌ててダイエットをしたり、前日に激しい運動をして体重を落としたりする人がいますが、これは絶対にやめましょう。現状を正確に把握できなくなるということもありますが、激しい運動や体へのストレスにより肝機能や尿酸値、白血球数などが逆に悪化することもあります。健康診断の前は普段どおりに過ごすとともに、暴飲暴食や夜ふかしをせず、注意事項をしっかり守りましょう。

 また、医師から毎日飲むよう指示されている処方薬は通常通り飲んで構いませんが、サプリなどのビタミンC剤や総合ビタミン剤は尿検査に影響するため、この日は服用してはいけません。受診の当日は、起床後、朝食・お茶・ガム・飴など、食べ物や水以外の飲み物は一切口にしないように気をつけましょう。水・白湯のみ、午前6時くらいまでは200mL以下なら飲んでも構いません。胃のバリウム検査や内視鏡検査を受けない場合でも、血液検査などに影響する可能性がありますので、同じように絶食が必要です。医師から毎日飲むよう指示されている処方薬に関しては、事前に医師と相談しておき、200mL以下の水で飲みましょう。とくに、血圧や心臓の薬に関しては必ず服用します。ただし、糖尿病の薬や注射はインスリン(食後血糖値を下げるためのホルモン)に関するものなので、食事をしていないこの朝だけは服用・注射をしないでください。また、胃の検査を受ける場合、受診の2時間前までに薬の服用を済ませておくようにしましょう。

 

健康診断結果… A 以外は再検査が必要?

 健康診断の結果はアルファベットであらわされますが、それぞれの意味を紹介します(表記は健康保険組合によってやや異なることがあります)。

 

A 異常なし
今回の検査では、異常は認められませんでした。
B 略正常(軽度異常)
検査の結果、軽度の異常が見られましたが、特に問題となるものではありません。
C要経過観察 要生活改善
病気へと進行する可能性があるので、生活習慣の改善をしながら、次回の健診で経過を見てみましょう。所見によっては日常生活で改善する可能性もあります。
D要精密検査・治療
精密検査や治療が必要な段階でした。早めに医療機関を受診してください。
E治療中 医療機関で 経過観察中
引き続き治療を継続してください。

 

 健康診断の結果を前回を見比べたときに、数値などの結果は変わらないのに判定が異なる場合があります。これは、前回の結果を比較して判定をすることがあるためです。

 

 例えば下記のような結果が出たとします。

 

 前回 肺結節影 判定:D(精査が必要)

 今回 肺結節影 判定:C(要経過観察)

 

 胸部X線検査 (レントゲン)で肺に影がある場合、肺がんなどの重大な病気の可能性があるため、初めて指摘された場合 (前回)は念のためにCT検査による精査が必要になることが多いためD判定とすることがほとんどです。しかし、今回は「前回の健康診断の後にCT検査を済ませていて、今後は定期的に検査をしていく予定」なのであれば、今回はその経緯を踏まえましてC判定となります。当院ではこのように経験豊富な保健師がそれぞれの受診者様に合わせて判定なども変更しております。

 

まとめ

 健康診断は、結果を受けとってからの行動も大切です 健康診断は受けて終わりではなく、結果が届いてからの行動が大事です。病気を未然に防ぐせっかくの機会ですので、何らかの異常が指摘された場合は、生活習慣の改善をしたり、医療機関を受診するなどの対策をとることをおすすめいたします。

 当院では健康診断結果をご持参いただければ、医師とゆっくり結果について相談ができるアフターフォロー外来を行っております。どのようなことでも結構ですので、気になることがありましたら是非ご来院ください。

 

横浜みなとみらい院院長 山本 康博

 

一覧に戻る