
のど(喉)のつかえの原因となる病気は?詰まる違和感がある時は何科を受診する?
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のど(喉)のつかえの原因となる病気は?詰まる違和感がある時は何科を受診する?
「のどに何かが引っかかるような感覚が続いている」「食べ物が飲み込みにくいと感じる」そんな症状にお悩みではありませんか?
喉のつかえは、軽い症状から深刻な病気まで多岐にわたる原因があります。ストレスや生活習慣病が関連している場合もあれば、病気の初期症状である可能性もあります。
この記事では、喉のつかえの原因となる代表的な病気やその診断方法について詳しく解説します。また、症状に応じた受診科の選び方や具体的な対策もご紹介します。日常生活に役立つ情報をぜひご覧ください。
ストレスが原因?喉のつかえに関連する病気とは?
喉のつかえ感は、ストレスや心理的要因が大きく関与している場合があります。ストレスによる身体的な反応として、喉に違和感や詰まりを感じることは珍しくありません。この章では、ストレスと関係が深い喉のつかえに関連する代表的な病気について解説します。いずれの場合も症状が長引く場合は医療機関の受診を検討しましょう。
逆流性食道炎と喉のつかえ
逆流性食道炎は、胃酸が食道へ逆流して起こる病気です。主な症状は胸焼けや胃酸の逆流感、喉の違和感、声のかすれ、慢性的な咳などがあります。特に食後や横になったときに症状が悪化しやすいのが特徴です。
原因としては、高脂肪食や暴飲暴食、アルコール・カフェインの過剰摂取、肥満、ストレス、食後すぐの横になる習慣などが挙げられます。胃酸の分泌過多や腹圧の上昇も要因となります。
対策には、食後2~3時間は横にならない、脂肪や刺激物の摂取を控える、適正体重を維持するなど生活習慣の改善が有効です。また、症状が強い場合は、胃酸分泌を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬など)の服用が効果的です。
食道の異常が原因の場合に注意したい喉のつかえ
食道の異常が原因で喉のつかえ感が生じる場合、以下の症状に注意が必要です。飲み込みにくさ(嚥下障害)や胸部の痛み、体重減少、嘔吐、吐血などがみられる場合は、食道狭窄や腫瘍、逆流性食道炎が原因の可能性があります。特に体重減少や血が混ざった嘔吐がある場合は重大な疾患の兆候です。
対策としては、内視鏡やバリウム検査での早期診断が重要です。生活習慣を見直し、食後すぐに横にならない、刺激物や高脂肪食を控えるなどが効果的です。また、症状に応じて胃酸を抑える薬の使用や、必要に応じて外科的治療を受けましょう。
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咽喉頭異常感症と喉のつかえ
咽喉頭異常感症は、喉に異物感や詰まり感があるものの、検査で明らかな身体的異常が見つからない状態を指します。主な症状は「喉に何かが詰まっている感じ」「飲み込んでも改善しない違和感」などです。飲食には問題がないことが特徴です。
原因としては、ストレスや不安、過労などの心理的要因や、自律神経の乱れが挙げられます。また、胃酸の逆流(逆流性食道炎)や喉の筋肉の過緊張も関与することがあります。
対策には、心理的ストレスを軽減する生活習慣の見直しや、リラクゼーション法(深呼吸、ヨガなど)が有効です。逆流性食道炎が関連している場合は、胃酸を抑える薬の使用も検討されます。
ポリープ・がんの関連性
喉のポリープやがんは、喉のつかえ感や違和感の深刻な原因となることがあります。主な症状は、「喉に詰まる感じ」「声がかすれる」「飲み込みづらさ」、さらには「喉の痛み」や「体重減少」が挙げられます。特に、声のかすれが長期間続く場合や、痛みが悪化する場合は注意が必要です。
対策として、早期の診断と治療が最も重要です。耳鼻咽喉科で内視鏡検査を受け、ポリープの場合は除去手術、がんの場合は放射線治療や化学療法、手術などの適切な治療が行われます。また、喫煙や過度な飲酒はリスクを高めるため、これらの習慣を改善することも予防に役立ちます。
風邪が引き起こす喉のつかえ
風邪による喉のつかえ感は、ウイルスや細菌による咽頭や喉の炎症が原因で起こります。主な症状は、「喉の腫れ」や「痛み」、飲み込む際の違和感、さらには「咳」や「痰」が挙げられます。これらの症状は風邪が進行するにつれて悪化することがありますが、通常は一時的なものです。
対策としては、十分な休養と水分補給が基本です。喉を潤すためにこまめに温かい飲み物を摂取し、うがいや喉スプレーで炎症を和らげるのも効果的です。咳や痛みがひどい場合は、市販薬や処方薬で症状を緩和しましょう。また、加湿器を使用して室内の湿度を保つことも有効です。
咽頭炎と喉のつかえの関係
咽頭炎は、喉の粘膜がウイルスや細菌の感染によって炎症を起こす病気で、喉のつかえ感や痛みの原因になります。主な症状は、「喉の腫れ」や「ヒリヒリ感」、飲み込む際の痛み、さらには「発熱」や「声のかすれ」が挙げられます。感染が進むと、喉の違和感が強まり、日常生活に支障をきたすこともあります。
対策として、まずは十分な休息と水分補給を心がけましょう。喉を乾燥させないように加湿器を使用し、うがいやのど飴で炎症を和らげるのも効果的です。細菌感染が原因の場合は、抗生物質の処方が必要です。また、喉への刺激を避けるため、辛い食べ物やアルコールの摂取を控えることも重要です。
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喉のつかえの検査と診断方法
喉のつかえ感の原因を特定するには、症状や背景に応じた検査と診断が必要です。まず、医師による問診が行われ、症状の詳細(持続期間、頻度、他の症状の有無)や生活習慣、ストレスの有無が確認されます。その後、必要に応じて以下の検査が行われます。
- 1. 内視鏡検査
喉や食道、胃の状態を詳しく調べるため、内視鏡を使います。
特に、逆流性食道炎や腫瘍の有無を確認する際に有効です。 - 2. 超音波検査
首や喉周辺の異常(甲状腺腫れ、リンパ節の腫大など)を確認します。
体重の増加や首の膨らみがある場合に推奨されます。 - 3. バリウム検査
食道や胃の形状をX線で確認します。
飲み込みにくさや食道狭窄が疑われる際に使用されます。 - 4. 血液検査
甲状腺ホルモンや炎症マーカーを調べ、甲状腺の異常や感染症を特定します。
これらの検査を通じて、喉のつかえの原因が身体的なものか、心理的なものかを判断します。異常が見つかった場合は、適切な治療を早期に開始することが重要です。
喉のつかえや違和感、どの科に相談すればいい?
喉のつかえや違和感を感じた際、適切な診療科を選ぶことは重要です。症状の原因によって受診すべき科が異なるため、自分の症状に合わせて選ぶ必要があります。この章では、主な症状ごとに相談すべき診療科とその理由を詳しく解説します。
風邪症状がある場合の喉のつかえ
喉の痛みや腫れ、発熱など風邪に似た症状がある場合は、耳鼻咽喉科や内科を受診しましょう。これらの症状はウイルスや細菌による感染が原因であることが多いため、抗生物質や抗炎症薬の処方が有効です。
- 主な症状:喉の腫れ、痛み、咳、発熱
- 受診すべき科:耳鼻咽喉科、内科
- 治療法:薬物療法、うがい、十分な休養
胸焼け・胃もたれ・ 吐き気などが原因の喉のつかえ
胸焼けや胃もたれなど、消化器系の不調を伴う場合は、逆流性食道炎が原因の可能性があります。この場合は消化器内科を受診し、胃酸を抑える薬の処方を受けることが有効です。
- 主な症状:胸焼け、胃もたれ、酸っぱい液体が喉に上がる感じ
- 受診すべき科:消化器内科
- 治療法:生活習慣の改善、胃酸を抑える薬物療法
息苦しい・咳や痰が出ることによる喉のつかえ
息苦しさや咳、痰が伴う場合は、呼吸器系の異常が原因となっている可能性があります。呼吸器内科や耳鼻咽喉科で診察を受け、必要に応じて肺や気管支の検査を行いましょう。
- 主な症状:息苦しさ、咳、痰
- 受診すべき科:呼吸器内科、耳鼻咽喉科
- 治療法:吸入療法、抗炎症薬の使用
声が出にくい・ 声がかすれていることによる喉のつかえ
声の異常が続く場合は、声帯や喉頭に異常がある可能性が高いです。ポリープや声帯の炎症などが疑われるため、耳鼻咽喉科を受診し、専門的な検査を受けることをおすすめします。
- 主な症状:声のかすれ、声が出にくい
- 受診すべき科:耳鼻咽喉科
- 治療法:声帯の休養、ポリープ除去手術(必要に応じて)
体重が増えている・ 首が膨らんでいることによる喉のつかえ
喉のつかえ感に加え、首の腫れや体重の増加が見られる場合は、甲状腺の異常が原因である可能性があります。この場合は内分泌内科を受診し、甲状腺ホルモンの検査を行うことが必要です。
- 主な症状:首の腫れ、体重増加、疲れやすさ
- 受診すべき科:内分泌内科
- 治療法:ホルモン療法、手術(必要に応じて)
まとめ
喉のつかえはさまざまな原因で引き起こされますが、その多くは適切な診断と治療で改善が可能です。症状が軽度であっても、継続する場合や悪化する場合は早めに医療機関を受診することが大切です。この記事を参考に、症状に応じた適切な科を選んで専門医に相談し、早期改善を目指しましょう。
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略歴
- 藤田保健衛生大学医学部 卒業
- 公立昭和病院
- 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
- 北部地区医師会病院麻酔科 科長
- 2016年 MYメディカルクリニック 医師