疲労感や倦怠感が抜けない!原因や回復方法は?疲労軽減に効果的な食べ物も解説

  • クリニックブログ
2024/09/19

疲労感や倦怠感が抜けない!原因や回復方法は?疲労軽減に効果的な食べ物も解説

 

 

仕事や家事に育児、そしてインターネットの普及などにより、現代人は忙しく動き、脳を酷使することが多くなりました。
その状態では心も疲弊し、やがて疲労感が生じてきます。
そのため、なかなか疲れが抜けないと感じている方は少なくないでしょう。
本記事では、疲労の原因と回復に効果的な方法、疲労軽減に役立つ食べ物や飲み物をご紹介していきます。

 
 

疲労感や倦怠感が抜けない原因とは?

疲労感や倦怠感があると、仕事や家事で最大限にパフォーマンスを発揮できません。
楽しみにしていた趣味に興じるのも難しくなる場合があるでしょう。
なぜ、疲労感や倦怠感は抜けないのでしょうか。

慢性疲労とはどんな状態?

慢性疲労とは、どれだけ休んでも疲労がなかなか回復しない状態のことです。
 
運動後など日常生活で経験する通常の疲労は、身体を休めることで回復に向かいますが、慢性疲労に陥ると一晩寝ただけでは疲労感は取れません。
疲労感は身体が休息を欲しているサインですから、無理をせず欲求に従うことが大切です。
 

働きすぎなどによる肉体的な疲労

疲労の原因としてまず思い浮かべるのは、肉体的な疲労ではないでしょうか。
 
残業が続いたり、子育てに追われたりと、休養の時間がなかなか取れない方は疲労感を感じやすくなります。
疲労感の原因は、慢性的な睡眠不足ともいえます。
 
また、肉体的な疲労は、過度に動いていることだけが原因ではありません。
デスクワークなどで長時間同じ姿勢を取り続けることも、疲労感を助長させます。
 
肉体的な疲労は、乳酸などの疲労物質が筋肉に蓄積することで起こる場合があります。
適度に身体を動かさないと筋肉の凝りや張りを感じるのはそのためです。
 

インターネットの普及による神経的な疲労

現代は、テレビやインターネット、スマートフォンが欠かせない時代となりました。
多くの方が毎日のようにこうした電子機器に触れ、膨大な情報の波に晒されています。
 
多大な情報量を処理するために脳を酷使すると、やがて脳が疲労します。
これが、神経的な疲労です。
 
神経的な疲労は脳の疲労だけでなく、頭痛やめまい、不眠や倦怠感など日常生活に支障をきたす場合もあるため注意が必要です。
 

ストレスによる精神的な疲労

過労や人間関係などに悩み、ストレスやプレッシャーを感じ続けると、精神的な緊張状態が続きます。
 
自律神経は、身体を活発にする交感神経と身体をリラックスさせる副交感神経で成り立っていますが、緊張状態が続くと、やがて自律神経のバランスが乱れ、不調を感じるのです。
 
自律神経の乱れで心身に不調が現れる状態を、自律神経失調症といいます。
 
自律神経失調症になると、頭痛・動悸・食欲不振・集中力の低下・気分の落ち込みなどあらゆる症状をきたします。
 
 

 自律神経失調症についてはこちら

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病気による影響

疲労感は生活習慣だけではなく、病気によっても起こる場合があります
 
例えば、慢性疲労症候群がその代表的な例です。
慢性疲労症候群は、身体を動かすことのできないほどの疲労が6ヶ月以上続く疾患です。
 
発症すると、強い倦怠感のほかに微熱や頭痛、筋肉痛、不眠、思考力低下などを伴います。
病気による疲労感はほかにも、風邪や急性肝炎などのウイルスによるものや、貧血や糖尿病といった内科的な疾患の可能性も考えられます。

 
 

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疲労回復に効果的な方法

疲労の原因はさまざまであることがわかりました。
では、疲労回復のためにはどんな方法が効果的なのでしょうか。

質のいい睡眠をとる

質のいい睡眠をとることは、疲労回復に効果的な方法の一つといえます。
 
まずは、睡眠時間をしっかり確保しましょう。
年齢とともに睡眠時間は短くなっていきますので、一概に適切な睡眠時間は言い切れませんが、自分にとって適切な時間を確保することが大切です。
 
また、睡眠の質を高めることも重要です。
 

  • ●夜21時以降の夕食を控える
  • ●就寝前にカフェインを摂取しない
  • ●就寝前にスマートフォンなどのブルーライトを浴びない
  • ●寝具の高さが合うものを使用する
  • ●部屋を暗くする

 
これらの方法は睡眠の質を高めるのに有効といえますので、取り入れられるものから意識してみましょう。
 

適度に身体を動かす

適度に運動をすることも、疲労回復に役立ちます。
 

 
ストレッチやヨガ、散歩など軽めの有酸素運動が有効です。
全身の巡りがよくなり、疲労物質の除去や細胞に栄養が行き渡りやすくなるなどのメリットがあります。
 
さらに身体を動かすことは、精神面にもいい影響を与えます。
副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせる効果があるためです。
 

ぬるめの温度で入浴する

疲労回復のためには、熱めの温度や長風呂ではなく、38〜40℃のぬるめの湯に10分程度浸かることが効果的です。
 
ぬるめの温度は副交感神経を優位にし、疲労回復やリラックス効果が得られるほか、身体の老廃物が排出されやすくなります。
 
入浴は就寝の1〜2時間前にするようにしましょう。
湯船に浸かって深部体温を上げ、就寝する頃に下がるようにすると、身体が休息モードに入り寝つきがよくなります。
 

食事を3食バランスよく摂る

3度の食事をバランスよく摂取することは、疲労回復のみならず健康を維持するためには必要不可欠です。
 
偏った食事や食事を抜くことでエネルギーが不足すると、倦怠感や疲労感を生じます。
また、疲労を感じているときや夕食の時間が遅くなってしまったときは、胃に負担をかけないために消化にいいものを摂るように意識するとよいでしょう。
 
消化するにもエネルギーが必要になるので、なるべく胃腸を休ませ疲労回復にエネルギーを回すことが大切です。

 
 

疲労を軽減させる食べ物や飲み物は?

身体に取り入れるもので、疲労回復にアプローチすることはできるのでしょうか。
本項では、疲労を軽減させる食べ物や飲み物をご紹介します。

疲労軽減に役立つ食材

疲労軽減に役立つ食材については以下の通りです。
 

ビタミンB群を含む食材

疲労回復に役立つとされている栄養素の一つが、ビタミンB群です。
ビタミンB群とは具体的に、ビタミンB1・B2・B6・B12・ナイアシン・パントテン酸・葉酸・ビオチンのことです。
 
ビタミンB群は炭水化物や脂質などをエネルギーに変換する役割があります。
カフェインやアルコールの常飲、ストレス、激しい運動によって失われやすいため、意識して取り入れることが必要です。
 
豚ヒレ肉やウナギ、カツオ、納豆などに多く含まれています。
 

イミダゾールジペプチドを含む食材

激しい運動や過労後は、疲労の原因となる活性酸素が過剰に発生します。
 
イミダゾールジペプチドは抗酸化作用をもっているため、活性酸素による酸化ストレスを緩和し、疲労回復に効果を発揮する栄養素です。
鶏胸肉やマグロなどはイミダゾールジペプチドを多く含有しています。
 

疲労軽減に役立つ飲み物

食事を意識することが難しいと感じる方は、飲み物から栄養素を取り入れてみるようにするのもおすすめです。
 
たとえば、別名「飲む点滴」ともいわれる甘酒は、アミノ酸やブドウ糖、ビタミンなどを多く含み疲労回復に効果的です。
 
特に、必須アミノ酸と呼ばれる体内では生成できない9種類のアミノ酸を含んでおり、免疫力向上にもつながります。
また、疲労回復に有効といわれるクエン酸も積極的に摂取するとよいでしょう。
 
クエン酸は柑橘類や梅干し、お酢などに含まれています。
レモンの輪切りを水に浮かべたレモン水や、お酢ドリンクなどがおすすめです。

 
 

まとめ

疲労は主に、過労などの肉体的疲労・インターネットの普及による神経的疲労・ストレスからくる精神的疲労、病気による影響の4つに分類されます。
 
疲労を蓄積させないためには、質の良い睡眠をとったり、適度に身体を動かしたりして、疲れを翌日に持ち込まないようにすることが大切です。
 
疲労軽減に役立つ栄養素を取り入れながら、上手に生活のバランスを整えて快適に過ごせる毎日を目指しましょう。

 
 

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MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

資格

略歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師
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