関節痛が続く原因はなに?病気や治療法、予防法について解説

  • クリニックブログ
2023/12/11

関節痛が続く原因はなに?病気や治療法、予防法について解説

日常生活を送るうえで、関節の動きはとても大切です。
関節が痛むと日常生活をスムーズに送れなくなってしまうかもしれません。
 
関節痛が起きる原因には炎症の場合と炎症以外の場合があります。
それぞれ原因となる疾患が異なります。
本記事では関節痛の原因となる疾患や治療法を解説します。

 
 

関節痛の原因

身体を動かすためには、関節の動きが必要不可欠です。
そのため、関節は常に刺激を受けています。
過度な運動や体重増加、加齢、病気などで関節への負荷が多くなると、炎症が起きやすくなるのです。
関節に炎症が生じた状態のことを関節炎といい、痛みや腫れなどの症状が現れます。
 
関節炎といっても、急性と慢性で原因となる疾患が異なります。
原因となる疾患にはどのようなものがあるのでしょうか。

急性関節炎の原因

急性関節炎が原因の場合、以下のような病気が考えられます。
 

  • ● 急性の化膿性関節炎(感染性関節炎)
  • ● 痛風

 
それぞれどのような病気か解説します。
 

急性の化膿性関節炎(感染性関節炎)

急性の化膿性関節炎は、関節内に黄色ブドウ球菌などの細菌が侵入することによって化膿してしまう疾患です。
関節痛や発赤、腫れ、熱感、発熱、倦怠感が症状として挙げられます。
進行が早く、単関節で症状が現れるのが特徴です。
放置しておくと機能障害がおきる可能性があるので、早めの治療が必要です。

 

痛風

痛風は体の中にたまった尿酸が結晶になり、激しい関節の痛みが起きる疾患です。
尿酸値が高い状態が続くと発症するリスクが高くなります。
 

  • ● 足の親指の付け根に痛みが生じる
  • ● 痛くなる関節は1カ所

 
痛風は歩けないほどの痛みが出現します。
徐々に痛みは収まりますが、治療をしないと再発を繰り返す病気です。

 

慢性関節炎の原因

慢性関節炎が原因の場合、以下のような下記病気が考えられます。
 

  • ● 関節リウマチ
  • ● 全身エリテマトーデス

 
それぞれどのような病気か説明します。
 

関節リウマチ

関節リウマチは、免疫の異常により関節に炎症が起こる病気のことです。
原因不明で40〜60代の女性に発症することが多い傾向にあります。
下記のような症状が、左右対称に複数の関節で起こるという特徴があります。

 

  • ● 関節の痛み
  • ● 関節の腫れ
  • ● 朝のこわばり

 

 関節リウマチについて詳しくはこちら

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全身性エリテマトーデス

全身性エリテマトーデスは、全身の臓器に炎症や障害が起きる自己免疫疾患です。
どの年代でも発症しやすく、特に20〜40歳の女性が発症しやすいといわれています。全身性エリテマトーデスに現れる症状は、関節痛や発熱などの症状と皮膚症状です。
 
最も特徴的な症状が、蝶形紅斑と言われる頬にできる赤い湿疹です。
頬と鼻に紅斑が広がっており、それが蝶が羽を広げているように見えることから蝶形紅斑と言われています。
 

 全身性エリテマトーデスについて詳しくはこちら

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炎症以外の原因

炎症以外が原因の場合、以下のような下記病気が考えられます。
 

  • ● 線維筋痛症
  • ● 変形性関節症

 
それぞれどのような病気か解説します。
 

線維筋痛症

線維筋痛症は、体の広範囲にわたって痛みが発生する疾患です。
痛みを伝える神経やシステムに問題が生じていることが原因だと考えられています。
 
痛みの程度は日によって異なり、季節や天候、精神的ストレスなどによって悪化すると言われています。
痛みが原因で眠れなかったり仕事ができなかったりと、日常生活に支障をきたしてしまうかもしれません。
 

変形性関節症

変形性関節症は、骨、軟骨、靱帯などが変性・変形してしまい、痛みやこわばり、機能障害をおこす疾患です。
年を重ねるごとに発症しやすく、40歳以上の有病率は55%だと言われています。
変形性関節症の症状は、関節の痛み、腫れ、関節水腫です。
他にも関節の変形によって可動域制限がおこり、機能障害になってしまう可能性があります。
 
変形性関節症の疼痛や機能障害によって、日常生活に支障をきたしてしまうことは少なくありません。

 
 

関節痛を引き起こす病気の治療法

関節痛を引き起こす病気の治療法について、説明します。

急性関節炎の治療法

急性関節炎の原因となる、急性化膿性関節炎(感染性関節炎)と痛風の治療法について解説します。
 

急性の化膿性関節炎(感染性関節炎)

急性の化膿性関節炎の治療法には、抗菌薬投与と膿の除去、固定と運動療法があります。
 

  • <抗菌薬投与>
    急性の化膿性関節炎は、関節内に細菌が侵入し化膿している状態です。
    そのため、細菌を殺すために抗菌薬を投与します。
    経口薬だと効いてほしい部分に届かない可能性があるので、確実に炎症を起こした関節に届くよう、静脈に打ちます。
    炎症発生後すぐに行うことが重要です。
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  • <膿の除去>
    化膿しているので、関節内に膿が溜まっています。
    そのため、膿を除去する必要があります。膿を吸引するために使用するものは針です。
    針で除去できない場合は、関節鏡検査や手術を実施します。
  •  

  • <固定と運動療法>
    細菌に感染したら、痛みを和らげるために、数日間は関節を固定します。
    固定することで、関節や筋肉が硬くなってしまい、その後の日常生活に支障をきたすことがないよう運動療法をして機能改善をします。

 

痛風の治療法

痛風の治療は炎症を抑える治療と、尿酸値改善のための治療に分けられます。
炎症を抑える治療に使用する薬は、消炎鎮痛薬とコルヒチンです。
尿酸値改善のための治療では、内服薬を服用します。
薬で尿酸値を改善するのも重要ですが、再発防止のために生活習慣を改善していくことも大切です。

 
痛風は尿酸値が高い状態が続くと、発症しやすいとされています。
そのため、尿酸値を下げるために以下のことに注意しましょう。
 

  • ● プリン体の少ない食事に変える
  • ● お酒を控える
  • ● 水分をしっかりとる

 

慢性関節炎の治療法

慢性関節炎の原因となる、関節リウマチと全身性エリテマトーデスの治療法について解説します。

 

関節リウマチの治療法

関節リウマチの治療法は薬物療法が基本で、発症早期から「抗リウマチ薬」という免疫異常を改善する薬を服用します。
必要に応じて、炎症や痛みを軽減するステロイドや痛み止め、生物学的製剤、JAK阻害薬などが処方されることもあります。
 
リウマチが起こると、痛みを緩和しようと関節をより曲げてしまいがちです。
関節を曲げたままにしてしまうと伸びなくなってしまい、可動域制限が起きてしまいます。
そうならないために実施するのが、運動療法です。
また、運動を行うことで、関節が動きやすくなったり痛みが軽減されたりすると言われています。
 
関節の変形の進行が確認されたら、人工関節置換術などの手術をする場合もあります。
 

全身性エリテマトーデスの治療法

全身性エリテマトーデスの治療に使用されるステロイドは、重症度によって服用する量を調整します。
重症度が高い場合は、ステロイドパルス療法を実施します。
これは、ステロイドを点滴で取り入れる治療で、口から摂取するよりも効果が得られるからです。
 
ステロイドの効果が不十分、副作用が強い場合は、免疫抑制薬を使用します。
他にも抗凝固療法や支持療法、対症療法をすることもあります。

 

炎症以外による関節痛の治療法

炎症以外による関節痛の原因となる、線維筋痛症と変形性関節症の治療法について解説します。
 

線維筋痛症

線維筋痛症は線維筋痛症そのものに対する治療法は確立されていません。
線維筋痛症そのものに対する治療法がないため、痛みに対して薬物療法を、機能低下予防のために運動療法を実施します。
薬物療法では、痛みに関わる神経伝達物質の遊離を抑制する薬剤や抗うつ薬が有効であると確認されています。
 
運動療法では、ストレッチや水泳などを無理のない範囲で継続することが大切です。

 

変形性関節症

変形性関節症の治療は、症状の緩和と関節機能の維持・改善を目的としています。
 
症状の緩和で実施する治療は、薬物療法です。
鎮痛目的で内服薬や外用薬を使用します。他にも、関節内にヒアルロン酸やステロイドを注射することもあります。
関節機能の維持・改善のために実施するのは、可動域練習や筋力トレーニングなどの運動療法です。

 
 

関節痛の予防法

関節痛を予防するためには、なにをすればいいのでしょうか?
予防法について解説します。

冷やさない

関節痛が起きたときは、関節は冷やさず、温めましょう。
捻挫などのケガの際は、冷やすことが推奨されますが、関節痛のときは冷やすのはよくありません。
冷やしてしまうと、筋肉や腱が硬くなってしまいます。
硬くなると関節の動きが鈍くなり、より痛みを感じやすくなってしまいます。
痛みを増強させないために、関節は冷やさず温めましょう。
 

関節に負担がかからない動きをする

関節痛を起こさないために、関節に負担のかかる動きは避けましょう。
負担のかかる動きには、下記のような動きが挙げられます。

 

  • ● 階段昇降
  • ● 床に座る
  • ● 急な方向転換や停止
  • ● 重い荷物をもつ  など

 
痛いからといって安静にしていると関節の動く範囲が狭くなってしまったり、筋力低下が起きたりと、いいことがありません。
関節に負担のかからない動きを無理のない範囲で行うようにしましょう。
 

日頃からの運動で筋肉を鍛える

筋力低下が見られると、関節への負担が増加して痛みが生じやすくなります。
また、体を動かさず安静にしていることは、関節が硬くなることにつながり、痛みの原因になりかねません。
そうならないために、日頃から運動で筋肉を鍛えましょう。
 
運動には有酸素運動(ウォーキング・水泳など)と筋力トレーニングがおすすめです。
しかし、関節に負担のかかるような運動は痛みを増強させてしまうかもしれません。
痛みのない範囲の運動を継続して行いましょう。
 

筋肉痛と関節痛の違いとは?

関節痛と同時に筋肉痛が起こる疾患も少なくありません。
筋肉痛は、可動域制限が起きず一時的である傾向があります。
運動のしすぎや長時間同じ姿勢でいることで起きやすいとされています。
また、筋肉痛は数日で痛みが治まるのが特徴です。
 
関節痛は、可動域制限があり、強い痛みが現れるのが特徴です。
痛みは関節周囲で起き、歩いたり立ち上がったりと何か動作をするときに、痛みが生じます。

 
 

まとめ

今回は関節痛が続く原因となる病気やその治療法、対処法について解説しました。
関節が痛むからという理由で動かないでいると、関節が固まってしまいより痛みが増すという悪循環に陥ります。
そうなると、自分の力で生活するのが難しくなってしまうかもしれません。
 
関節痛が続くときは、放置せず医療機関を受診して治療をしていきましょう。


 

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MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

資格

略歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師
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