全身性エリテマトーデス(SLE)の症状は?暮らしや治療のポイントを解説

  • クリニックブログ
2023/11/14

全身性エリテマトーデス(SLE)の症状は?暮らしや治療のポイントを解説

全身性エリテマトーデス(SLE)は、難病対策の対象疾患で、治療費は公費で負担されます。「難病」と聞くと気が重くなりますが、症状によっては日常生活も普通に送ることが可能です。
 
この記事では、この病気の暮らしや治療のポイントをわかりやすく解説します。

問診中の女性医師
  

全身性エリテマトーデス(SLE)とは?

全身性エリテマトーデス(以下、SLE)は、一般的にはあまり耳にしない名前かもしれませんが、実は多くの方々が影響を受けている病気です。
 
SLEがどのような病気なのか、どの年齢層や性別に多いのか、そしてその原因について詳しく解説します。
 

全身性エリテマトーデス(SLE)はどのような病気?

SLEは、免疫系が誤って自分の体を攻撃する自己免疫疾患です。通常、免疫系は外部から侵入するウイルスや細菌を攻撃してくれます。
 
しかし、SLEの場合はそのターゲットが自分自身になってしまうことが問題です。症状が定まったものではなく、初期症状では判断がつきにくい場合もあります。
 

症状の多様性

SLEは、症状が多岐にわたることが特徴です。
関節痛や発熱はもちろん、疲労、頭痛、胸痛、腹痛など、体のあらゆる部位に影響を及ぼす可能性があります。
 

臓器への影響

さらに深刻なのは、心臓、腎臓、肺、神経系などの重要な臓器にも影響を及ぼすことがある点です。特に腎臓への影響は進行すると腎不全につながる可能性もあり、早期の診断と治療が重要といえます。
 

病気の進行

SLEは、急性期と慢性期を繰り返しながら進行することが多いです。急性期には症状が激しく出る一方で、慢性期には症状が落ち着くこともあります。
症状がないからといって安心してはいけません。医療機関での受診が必要です。
 

どんな方に多いの?

SLEは、女性に多く見られる自己免疫疾患です。20代から40代の女性は特に影響を受けやすいとされています。
しかしながら、男性や子供、さらには高齢者もSLEを発症する可能性があり、完全に発症しないという保証は存在しません。
 

原因について

SLEの原因は一つではありません。遺伝的要素やホルモンの影響、さらには環境的な要素(例:紫外線、感染症、ストレスなど)が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
 
しかし、これまでのところ、明確な原因や発症メカニズムは解明されていないのが現状です。SLEの原因や発症のプロセスを理解し、より効果的な治療法や予防策を開発するための研究が進められています。

 
 

全身性エリテマトーデスの症状は?

SLEの症状は多岐にわたり、その表れ方は人それぞれです。症状が出る部位やその程度もさまざまで、一人ひとり異なる特徴を持っています。
特によく見られる症状に焦点を当てて、特徴と対処法について解説します。
 

関節炎

SLEに関連する関節炎は、特に手や足の関節で痛みを感じることが多いです。
この痛みは急激に現れることもあり、ゆっくりと強まる場合もあります。痛みが一過性であることもあれば、長く続くケースも見られます。
 
日常生活での動作の物をつかむ、歩く、階段を上ることが困難になったり、関節炎により、生活の質が著しく低下するケースもあります。
 

発熱

発熱は、体内で何らかの炎症反応が起きている可能性が高く、早めに医師の診断を受けることが重要です。特に38度以上の発熱が続いた場合は、病状が悪化する前に医療機関を受診しましょう。
 

レイノー現象

寒い場所やストレスが引き金となることが多いですが、SLEによっても起こる場合があります。この現象が起きた場合、暖かい場所に移動する、ストレスを和らげるなどの対策が必要です。定期的な検診も、レイノー現象の管理に役立ちます。
 

蝶形紅斑(ちょうけいこうはん)

蝶形紅斑は、顔の両側、特に鼻と頬に赤みが出ることが特徴です。皮膚の炎症や刺激による可能性が高いため、日光に当たることで悪化することがあり、特に紫外線は皮膚にダメージを与えます。
 
外出時には高いSPF値の日焼け止めを使用し、帽子やサングラスを着用することで、紫外線から皮膚を守りましょう。また、症状が出た際には、早急に皮膚科での診断と治療を受けることが重要です。

全身性エリテマトーデス(SLE)の治療

SLEは、現在のところ完治する治療法はありませんが、症状を和らげるための治療方法はあります。主に薬物療法が中心です。
ここでは、主に用いられる薬物と特性について詳しく解説します。
 

非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)

NSAIDsは、関節痛や発熱などの症状を軽減するために一般的に用いられます。ただし、長期間の使用は胃腸障害を引き起こすかもしれません。
そのため、医師の指導のもとで使用することが重要です。
 

ステロイド剤

ステロイド剤は強力な抗炎症作用により、SLEを含む多くの自己免疫疾患の治療に用いられます。免疫システムの活動を抑制し、炎症を減少させることで、症状の軽減や病状のコントロールが可能です。
 
しかし、ステロイド剤の長期使用は、骨粗鬆症、高血圧、糖尿病、感染症のリスク増加など、多くの副作用を引き起こす可能性があります。
 

 糖尿病について詳しくはこちら

詳しくはこちら

 

免疫抑制薬

免疫抑制薬は、免疫系の過剰な反応を抑えるために用いられます。自己免疫反応が引き起こす症状を和らげることが可能です。
感染症に対する抵抗力が低下する可能性があるため、注意が必要です。
 

生物学的製剤

生物学的製剤は、日本では比較的新しい治療方法です。特定の免疫反応を標的として抑制し、高い効果が期待されています。
一方で、高額な治療費がかかることや副作用も考慮する必要がある面があります。

 
 

生活は?周囲には?全身性エリテマトーデスのQ&A

SLEは、日常生活にも多くの影響を与える可能性があります。
しかし、適切な対処とサポートがあれば、生活の質を高めることが可能です。
ここでは、よくある疑問や生活で気をつけたいポイントについて解説します。
 

生活で気をつけた方がいいことがありますか?

ストレスは症状を悪化させる可能性があるため、リラックスする時間を作ることが大切です。また、バランスの良い食事や適度な運動も推奨されます。

全身性エリテマトーデス(SLE)は難病ですか?

全身性エリテマトーデス(SLE)は指定難病とされており、重症度によっては医療援助の対象となる場合があります。全身性エリテマトーデス(SLE)と向き合うには、適切な医療機関での診断と治療が欠かせません。

急に調子が悪くならないか心配です

全身性エリテマトーデス(SLE)は症状が急に悪化することもあります。そのため、定期的に通院し、医師の指導を受けることが必要です。
環境の変化に注意し、季節の変わり目や生活環境が大きく変わる時期は気をつけましょう。

 
 

まとめ

全身性エリテマトーデス(SLE)は、免疫系が暴走して自分自身の細胞を攻撃する病気です。症状は関節痛から発熱、皮膚の赤みに至るまで多岐にわたります。
 
治療には主に投薬治療が行われますが、必ず医師の診断を受けたうえで治療を続けることが重要です。

 
 

MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

資格

略歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師
一覧に戻る