ベーチェット病の症状は?暮らしや治療のポイントを解説

  • クリニックブログ
2023/11/14

ベーチェット病の症状は?暮らしや治療のポイントを解説

ベーチェット病は、難病であり現代の医療では根治ができないものとされています。
発症してしまうととてもつらい気持ちになるのもやむをえません。
 
しかし、適切な治療を受け、工夫をすることで日常生活を送ることは可能です。
この記事ではベーチェット病の治療法や注意点について紹介していきます。

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ベーチェット病は、一般的にはあまり知られていないかもしれませんが、患者や家族にとって影響の大きい病気です。
ここでは、どのような病気であるのか、日本での患者数はどれくらいなのか、その原因について紹介します。
 

ベーチェット病はどのような病気?

ベーチェット病は、口内、皮膚、目、関節、さらには消化器系まで、体のいろいろな場所で炎症が起こる可能性がある疾患です。
全身に影響を及ぼすこの病気は、症状が人それぞれで一様ではありません。
 
炎症は突然出現することも多く、その程度は非常に多様です。
日常生活においても、この病気は大きな障害となりうるものです。
例えば、口内での炎症は食事や話すことを難しくする可能性があり、皮膚の炎症は見た目にも影響を及ぼすことがあります。
 
目の症状は視力に悪影響を及ぼす可能性があり、最悪の場合、失明する危険性も否定できません。
遺伝や環境、感染症などが関与しているとされていますが、詳細はまだ明らかにされていない状況です。
 

患者さんはどのくらいいるの?

北海道や東北エリアで多く見られ、全体で大体2万人程度の患者がいるとされています。
世界規模で見ると、日本だけでなく、韓国、中国、中東、地中海周辺国でもよく確認される疾患です。
 
この病気は「シルクロード病」とも称されています。
 

原因について

ベーチェット病の発生原因は、今も完全に明らかではありません。
しかし、遺伝的な要素が一定程度影響していると広く認識されています。
 
さらに、環境や感染症、ストレスといった要素も関与する可能性が高いです。
特に地域差があることから、環境が一因であるとも考えられています。

 
 

ベーチェット病の症状は?

ベーチェット病の症状は多岐にわたり、患者ごとに異なる特徴が見られます。
症状が多様であるため、初めてこの病気に触れる方は戸惑うことも多いでしょう。
 
ここでは、ベーチェット病の主な症状について紹介します。
 

口腔潰瘍

ベーチェット病においてよく見られる症状の一つが、口の中に発生する痛みを伴う口内炎です。
強い痛みが出ることが多く、食事や会話が困難になるケースが多く見られます。
 
日常生活に大きな影響を与えることも少なくありません。
食事を流動食や柔らかいものにするなどの工夫が求められることもあるといえるでしょう。
 

皮膚症状

皮膚に赤い発疹や腫れが出現することがあり、時にはかゆみを伴うこともあります。
衣服で隠れないところに発症した場合、外見に影響が出ることも否定できません。
 
突発的な症状である場合もありますが、気がついたら速やかに医療機関での診察を受けることが重要です。
 

外陰部潰瘍

女性患者で、外陰部に潰瘍ができる場合があります。
強い痛みを伴うため日常生活に大きな影響を与えかねません。
 
ベーチェット病の治療のためにかかっている病院以外に、婦人科の受診が必要となる場合もあるでしょう。
 

眼症状

目に関しては、充血や痛み、視力の低下などが報告されています。
視力低下がみられる場合、自動車の運転などに多大な影響があるかもしれません。
 
症状が繰り返される場合には失明の危険性が懸念されるため、早めの治療が大変重要です。
 

その他の症状

関節痛や腹痛、頭痛など、多様な症状が存在します。
ベーチェット病だけでなく他の病気でも見られるため、診断が難しいことも否定できません。
 
気になる症状がある場合には医師の受診をし、診断を受けることが重要です。

ベーチェット病の検査・診断・治療

ベーチェット病の症状は人それぞれ異なるため、個々の状態に応じて診断と治療が進められます。
ここでは、よく行われる検査や診察手法、治療オプションについて説明します。
 

血液検査

血液検査では、炎症反応を示すマーカーが高い値を示すことが一般的です。
体内で何らかの炎症反応が起きている可能性を示唆しています。
 
しかし、これらの数値が高いからといって、ベーチェット病であると即座に断定するわけではありません。
他の症状や検査結果と合わせて、総合的に診断が行われます。
 

診断

ベーチェット病の診断は、主に症状と各種検査データを総合的に評価して行われます。
具体的には、口腔内の潰瘍、皮膚の症状、眼の症状など、特定の症状が複数確認された上で、他の可能性がある疾患が排除されると、ベーチェット病と診断されるケースが多いです。
 
血液検査だけでなく、皮膚生検や眼底検査、さらにはMRIやCTスキャンなどの画像診断も用いられることがあります。
 

治療

主にステロイド剤や免疫抑制剤が用いられます。
これらの薬は炎症を抑える作用があり、症状の軽減を目的として処方されることが多いです。
 
ステロイド剤は、口腔内の潰瘍や皮膚症状に特に効果的で、塗り薬や外用薬としても使用されます。
免疫抑制剤は、症状が重い場合やステロイド剤だけでは効果が不十分な場合に追加される薬です。
免疫システムの活動を抑えることで、炎症反応を減少させます。
 

口腔潰瘍

口内炎はベーチェット病でよく見られる症状です。
症状をを和らげるために、ステロイドの塗布薬が一般的に使用されます。
 
塗布薬を使用することで、食事や会話が楽になることが多いです。
口内炎が繰り返し出現する場合、口腔ケアの専門家からのアドバイスを受けることも有効といえるでしょう。
 

皮膚症状

皮膚症状が強い場合、ステロイドの外用薬や免疫抑制剤が処方されることが多いです。
これらの薬は炎症を抑え、かゆみや赤みを軽減します。
 
皮膚の状態によっては、光線療法も効果が期待される治療法です。
 

外陰部潰瘍

外陰部に潰瘍は痛みが強い場合が多く、日常への影響が大きいといえるでしょう。
治療として外用薬と抗生物質が一緒に処方されることが多いです。
 
炎症や痛みを抑える効果があります。
薬だけで症状が改善しない場合は、婦人科などの専門医の診療も必要です。
 

眼症状

重篤な眼の症状が出た場合、専門の眼科医による早急な治療が必要です。
視力に影響が出る可能性があるため、速やかな対応が求められます。
 
症状によっては、点眼薬や内服薬、さらには手術が必要となる場合もあるでしょう。

 

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遺伝する?うつる?ベーチェット病のQ&A

ベーチェット病については多くの疑問や誤解が存在します。
ここではよくみられる質問の回答を紹介します。
 

ベーチェット病は遺伝しますか?

遺伝的要素がベーチェット病に影響を与える可能性はありますが、それだけが全てではありません。
家族内でベーチェット病の症例がある場合、リスクが高まる可能性はありますが、その他の要因も絡む複雑な病気です。
 
遺伝子検査なども行われていますが、遺伝だけが原因ではないと広く認識されています。

性行為でうつりますか?

ベーチェット病は感染症ではないので、性行為による感染のリスクはありません。
よく誤解されがちですが、ベーチェット病はウイルスや細菌による感染症とは異なります。
 
感染防止のための特別な対策は必要ありません。

日常生活で注意した方がいいことがありますか?

日常生活で特に注意すべきは、ストレスの管理、健康的な食事、適度な運動です。
ストレスは症状を悪化させる可能性があるため、瞑想や趣味などでリラックスすることが推奨されます。
 
また、バランスのとれた食事を心がけ、適度な運動をすることも体調を整えたりストレスを減らしたりする効果があるといえるでしょう。

 
 

まとめ

ベーチェット病は多岐にわたる症状を持つ難病であり、その診断と治療は個人によって異なる場合が多いです。
遺伝的要素や環境などが病気の原因として考えられていますが、まだはっきりしないことも多いといえます。
 
症状も口腔潰瘍、皮膚症状、外陰部潰瘍、眼症状など多岐にわたり、ステロイドや免疫抑制剤を用いた治療が一般的です。
ストレスを軽減した規則正しい生活を送ることも症状を和らげることに効果があるといえるでしょう。
 
ベーチェット病は確かに厄介な病気ですが、適切な治療と生活習慣によって、普通に生活することは十分に可能です。
何か気になる症状があれば、早めに医師の診療を受けるようにしましょう。


 

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MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

資格

略歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師
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