喉頭炎はすぐ治る?原因や治療法・予防法と急性喉頭炎・慢性喉頭炎の違いを解説

  • クリニックブログ
2024/05/01

喉頭炎はすぐ治る?原因や治療法・予防法と急性喉頭炎・慢性喉頭炎の違いを解説

「声が出ない・かすれている」「喉が痛い」といった症状があれば、それは喉頭炎かもしれません。喉頭炎は、喉頭の粘膜に炎症が起きる病気であり、ウイルスをはじめさまざまなことが原因で発症します。「どうして喉頭炎になるの?」「喉頭炎を早く治したい」「予防法はある?」といった疑問を持つ方は多いことでしょう。
 
今回は、喉頭炎になる原因、急性喉頭炎と慢性喉頭炎の違い、喉頭炎の治療法と注意点について解説します。

 

喉頭炎とは

喉頭炎とは、喉頭(俗に言うのどぼとけ)の粘膜に炎症が起きる病気の総称です。ウイルス・細菌や喫煙・ホコリなどの刺激、ストレスなどさまざまな原因によって炎症が引き起こされます。「喉が腫れて声を出しにくい」「喉がむず痒い」といったものが典型的な症状です。
 
喉頭炎は、急激に症状が進行する急性喉頭炎と、症状が長く続く慢性喉頭炎の大きく2つに分けることができます。

 
 

喉頭炎になる原因

喉頭炎になる原因はウイルス・細菌感染、喫煙やホコリなどの刺激、ストレスなどが代表的です。他にも、さまざまな原因によって喉頭炎を発症することがあります。以下でそれぞれの原因について解説します。

ウイルス・細菌への感染

喉頭炎の原因として多いのは、ウイルスや細菌への感染です。特に多いのがライノウイルスやインフルエンザウイルスなどのウイルス感染ですが、マイコプラズマ細菌の感染によっても引き起こされます。体内から感染源であるウイルス・細菌が除去されることで喉頭炎の症状は改善されます。
 

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喫煙やホコリなどの刺激

喫煙やハウスダストを吸い込む、部屋が極度に乾燥しているといったことが刺激となり、喉頭炎を発症することもあります。原因である喫煙をやめる、掃除してハウスダストを取り除くといった対処をしなければ、慢性的に症状が継続する慢性喉頭炎になる可能性が高いです。
 

ストレスによるもの

ストレスが喉頭炎の原因になることもあります。ストレスが溜まってしまうと免疫機能が低下し、ウイルス・細菌に感染しやすくなります。その結果、喉頭炎を引き起こしやすくなってしまうのです。
 

その他の原因

喉頭は声帯に近い場所にあることから、声の出しすぎが原因で喉頭炎になることもあります。たとえば、カラオケで何時間も大声で歌った次の日に声が出しにくくなるといった場合、声の出しすぎによる喉頭炎と考えられるでしょう。
 
また、逆流性食道炎によって喉頭が胃酸の影響を受け、喉頭炎になることもあります。逆流性食道炎が続く場合、喉頭炎も慢性化する可能性が高いです。他にも、アレルギーや何らかの薬が原因となり、喉頭炎になることがあります。喉頭源の原因にアレルギーなどが疑われる場合は、病院で検査することをおすすめします。

 

 逆流性食道炎について詳しくはこちら

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急性喉頭炎と慢性喉頭炎の違い

急性喉頭炎と慢性喉頭炎の大きな違いは、症状の進行具合や持続期間です。ウイルス・細菌感染で起こる喉頭炎は急激に症状が進行し、原因ウイルスの除去にともない治癒するため、急性喉頭炎となります。しかし、風邪が長引いたり喫煙などで刺激を与え続けたりすると、慢性喉頭炎になります。
 
また、急性喉頭炎の場合は発熱や喉の痛みが代表的な症状ですが、慢性喉頭炎になると声が枯れたり喉が常に乾燥している状態になったりします。


 
 

喉頭炎の検査・診断方法

喉頭炎の検査や診断は、まず問診によって行われます。ヒアリングしながら患者の声が枯れていないか、典型的な症状がないかなどをチェックして評価します。また、鏡や内視鏡を用いて喉頭を直接視診し、喉頭に腫れはないか、正しく動いているかなどを確認・評価します。
 
また、喉頭がんなど別の病気が疑われる場合は、血液検査を実施することもあります。


 
 

喉頭炎の治療法と注意点

喉頭炎の治療法や注意点は以下の通りです。

内服薬で炎症を抑える

検査によってウイルス感染のみであると判断された場合は、抗炎症薬による内服治療を行います。痛み・腫れを和らげ症状を抑える対症療法です。また、咳症状が強い場合、喉頭炎が長引いて慢性化することが懸念されます。そのため、鎮咳薬を処方することもあります。
 

抗生剤で細菌を退治する

細菌感染である場合は、その菌に対応した抗生剤を処方します。抗生剤は抗炎症薬や鎮咳薬のような対症療法とは違い、処方された分をすべて飲み切ることが大切です。抗生剤は、体内の細菌の働きを弱めて除去するための薬です。途中でやめてしまうと細菌が除去しきれず、症状が長期化するリスクが高まります。
 
また、抗生剤を途中でやめることで、薬剤耐性菌を生み出すきっかけを作ることもあるため、必ず飲み切るようにしましょう。
 

ネブライザー治療

ネブライザー治療とは、液体の薬剤を霧状にして吸入する治療法です。炎症部位に薬が直接届くため、喉頭炎による炎症を効果的に抑えられます。ネブライザー治療後は、喉頭の腫れが引いて声が出しやすくなったり、咳も出にくくなったりします。
 
吸入する薬は症状や原因に合わせて抗生剤やステロイドなどを用います。

 

栄養を摂って安静にする

喉頭炎の原因はそのほとんどがウイルス・細菌の感染です。そのため、栄養と休養をしっかりと摂り、自己免疫力を高めることが症状改善にとって重要です。喉頭炎により喉が腫れている・痛みがあるなどの理由で食事が難しいケースでは、点滴を行うこともあります。いずれにせよ、喉が痛い場合は睡眠を多く取るようにしましょう。

 

注意点

喉頭炎の治療を行えば、症状は改善されていきます。しかし、すぐに完治するわけではなく、炎症が引くまでには時間が必要です。それまでの間は、喉頭炎を悪化させないようにすることが大切です。たとえば、声をあまり出さないようにする、禁煙をする、室内の湿度を保つといった、喉に優しい生活を送りましょう。


 
 

喉頭炎の予防法

喉頭炎は日々の生活に注意することである程度予防できます。以下を参考に、喉頭炎を予防しましょう。

手洗いうがいをする

ウイルス感染が主な原因なので、手洗いうがいは喉頭炎予防に効果的です。石鹸でしっかり手を洗うことはもちろん、アルコール消毒なども実施しましょう。
 

水分補給や室内の湿度を保つ

乾燥しているとウイルスは室内で浮遊します。また、粘膜が乾燥すると免疫機能が低下するため、喉頭炎にかかりやすくなります。こまめな水分補給や部屋の湿度を保つなどの工夫をしましょう。

 

生活習慣を整える

暴飲暴食、寝不足、疲労、ストレスは免疫力を大きく低下させるものです。免疫力が落ちればウイルスが原因による喉頭炎を発症しやすくなります。そのため、バランスの良い食事を取ってぐっすり寝ることが大切です。
 

喫煙・飲酒を控える

喫煙や飲酒を控えることも喉頭炎予防に効果的です。どちらも喉に負担をかけるものですから、お酒の量を減らして禁煙を心がけましょう。


 
 

まとめ

喉頭炎は喉頭が炎症を起こす病気で、その多くはウイルスが原因とされています。そのため、自己免疫力を高めれば自然治癒することも多いです。しかし、仕事で忙しく生活習慣が乱れている、喫煙習慣がある、その他喉頭に負担をかけるようなことがある場合は、慢性化・重症化リスクが高まります。
 
また、多くはウイルスが原因であることから、他人にうつしてしまう可能性もあるでしょう。そのため、喉頭炎の疑いがある場合は、ひどくなる前に病院を受診することをおすすめします。


 

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MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

資格

略歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師
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