花粉症とは?原因・症状・対策を徹底解説
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花粉症とは?原因・症状・対策を徹底解説
花粉症って何?
花粉症とはその名の通り、スギやヒノキなどの植物の花粉によってアレルギー反応が起こる疾患を言います。
最近では花粉症でない人の方が珍しいのではないかと思うほど、ここ数年で
花粉症の患者様は急増加しています。
今や国民病といわれる花粉症は1976年より激増し1979年には社会問題にまで発展しました。
杉の木は一般的に樹齢30年前後から花粉を飛散させるといわれています。
戦後復興のために植樹された杉が花粉を飛ばすようになりました。
毎シーズン、クリニックでも春にかけて花粉症で困っている方が多くいらっしゃいます。花粉症の症状によって勉強や仕事、家事の効率低下など生活への支障が出るという調査結果もあり、早期に治療し、重症化させないことが重要です。
花粉症の原因って?
花粉(抗原)が体内に入り身体が異物として判断するとそれを無害化しようとする反応(抗原抗体反応)が起き、症状が現れます。
花粉症といえばスギ花粉が多く知られていますが、今までに報告された花粉症は50種類以上にもなるといわれています。
一般的に多い植物としてスギやヒノキ、他にも時期や地方によってカモガヤ、ハンノキ、シラカバ、ブタクサ等沢山の植物が原因で多くの方たちを花粉症で困らせています。
最近の研究では症状を悪化させる要因として、 空気中の汚染物質や喫煙、ストレス、空気の乾燥どが指摘されています。また、食生活の欧米化による変化の影響を指摘する意見もあるそうです。
当院での花粉症の検査・治療方法はこちら
花粉症の症状って?
主な症状としては、くしゃみや鼻水、鼻づまり、眼の症状(充血、かゆみ、涙)があります。
また人によっては皮膚の荒れ、咳や喘息、特定の野菜や果物をを食べると口の中が腫れたり痒くなったりとアレルギー反応が出るケースもあります。スギやヒノキの花粉はトマトのアレルゲンと構造が似ていることから、トマトを食べた後に口や喉のかゆみや違和感を生じることがあるそうです。
果物ではリンゴ、モモ、スイカ、オレンジ、キウイなどの報告もあるので、花粉症の症状と口の中の違和感がある方は一度詳しい検査を受けてみても良いかもしれないですね。
なかには下痢や倦怠感、無気力、集中力の低下などが、日常生活においてパフォーマンスの低下が多く見受けられます。特に2〜4月にかけて暖かくなってくる頃はとても辛い時期になりますよね。
花粉症の検査について
花粉症の症状は風邪症状とよく似ていることからその症状が花粉によるものなのか、それ以外のものなのかを判断する必要があります。
花粉が体内に入ってすぐに花粉症になるわけではありません。
抗原の量が多ければ短期間で発症し、抗原の量が少なければ長い期間を経て発症します。子供の頃は花粉症でなくても大人になって発症するケースは少なくないようです。
1: 血清特異的IgE抗体量
1血液中の血清に含まれる
花粉に特異的なIgEの値を調べる検査です。
★VIEW39(当院検査可能)
採血で39種類のアレルギーの原因となる物質を調べられる検査です。花粉症に関するスギやヒノキ等の樹木はもちろん、ハウスダストや犬猫、食物なども検査項目の中に含まれています。1週間で結果が出ます。
2: 鼻汁中好酸球数
鼻水を綿棒で擦り取り、アレルギー性鼻炎の際に上昇する鼻汁好酸球が含まれてるかどうかを調べる検査です。
3: 皮内(皮膚)テスト(スクラッチテスト、プリックテスト)
花粉症の原因となる花粉エキスを腕に1滴垂らし、針で軽く皮膚を傷つけるもしくは注射をして、皮膚が腫れたり痒み、発赤の有無を確認する検査です。判定時間は15〜20分です。
4: 鼻誘導テスト
花粉エキスを鼻の粘膜につけて、花粉を吸い込んだ時と同じ環境を作り、くしゃみなどの症状がでるかどうかを確認する検査です。
花粉症の治療は?
花粉症の治療には大きく分けて、症状を軽減する対症療法と根本を治す根治療法があります。対症療法では、経口薬や点鼻薬、点眼薬などがあります。最近では初期療法として花粉が飛散する前や症状が軽い時期から薬物を予防的に服用することで症状の発現を遅らせたり、症状を軽くする方法が用いられています。
当院では花粉症の時期になるとアレルギー注射が人気で効果を感じて通われてる方もいらっしゃいます。根治療法では、減感作療法といって原因となる花粉エキスを少量ずつ身体に取り込み、花粉抗原に対する免疫を獲得する方法です。
この方法は数年に渡り毎日薬を飲まないといけないことがデメリットではありますが、花粉症に対する免疫が獲得できるので花粉症の治癒や内服薬が減ったり、症状の軽減に繋がります。
花粉症の予防方法は?
最大の予防は花粉を避けることです。今は花粉症ではない人でも花粉がどんどん体内に蓄積されると、花粉に対する抗体が産生され、何らかのきっかけで症状が現れることがあります。
花粉は昼前後、夕方に多く飛散します。
外出時にはウールの服は避け、マスクやメガネで防ぎましょう。自宅に入る前に花粉を持ち込まないようにし、手洗いやうがい、洗顔で花粉を落とすといいでしょう。また基本的に睡眠を十分にとり、お酒の飲み過ぎやタバコは控えるなど全部をすぐ行うのではなく、生活習慣を整えることが重要です。
花粉症のまとめ
ここ数年で花粉症の患者は何倍にも増えて溢れかえっており、症状に苦しんでいる人も多いことでしょう。
症状が軽くても重症化する前に早めに治療、予防することで症状の軽減につながります。自分に合った治療法を見つけることで日常生活の質も上がるのではないでしょうか?
花粉症の薬によっては眠気が強いお薬もありますので、薬が合わない時はいつでもご相談ください。
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略歴
- 藤田保健衛生大学医学部 卒業
- 公立昭和病院
- 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
- 北部地区医師会病院麻酔科 科長
- 2016年 MYメディカルクリニック 医師