消化器検査・呼吸器検査・眼検査

消化器検査の結果の見方

胃部X線検査

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検査項目 基準値 基準値 (東振協) この検査でわかること
上部消化管X線検査 異常所見なし 異常所見なし バリウムにより消化器を二重造影し、テレビモニターで観察すると同時にX線撮影をして臓器の形の変化や異常(がん、潰瘍など)を調べます。

基準値超えた場合のアドバイス

C判定:消化器内科を受診し、内視鏡検査やピロリ菌検査をご検討ください。
D判定:消化器内科を受診し、内視鏡検査での精密検査を受けてください。ピロリ菌が陽性の場合は、除菌についても併せてご相談ください。

胃部内視鏡検査

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検査項目 基準値 基準値 (東振協) この検査でわかること
上部消化管内視鏡検査 異常所見なし 異常所見なし 先端に小型カメラを内蔵した細い管を口または鼻から挿入し、食道·胃·十二指腸を直に観察する検査です。 異常がみられた箇所の組織を取って悪性度の評価をする場合もあります。

基準値超えた場合のアドバイス

C判定:年1回の定期的な検査を受け、大きさや性状の変化がないか確認してください。症状がある場合は消化器内科を受診してください。胃炎などの場合は、刺激性の強い食品を控えるなど食生活に注意しましょう。
D判定:早めに消化器内科を受診してください。ピロリ菌が陽性の場合は除菌についてもご相談ください。

その他の胃検査

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検査項目 基準値 基準値 (東振協) この検査でわかること
ヘリコバクターピロリ抗体 3.0u/ml未満 3.0未満 ピロリ菌に対する血清抗体を調べます。感染の有無は、抗体価が3未満は陰性、10以上は陽性です。3.0~9.9は陰性高値となり、10%程度の感染者がいると報告されていますので、外来にてご相談ください。除菌後も一定期間は陽性となることがありますが、除菌が完了していれば再除菌の必要はありません。
尿素呼気試験 2.5‰以下 診断薬を服用し、服用前後の呼気を集めてピロリ菌の有無を診断します。簡単に行える精度の高い診断法です。
ペプシノゲン ペプシノゲンⅠ値 70.1ng/mL以上 または ペプシノゲンⅠ/Ⅱ比が 3.1以上 血清中のペプシノゲン値を測定して、胃粘膜の萎縮の程度を調べます。

胃がんに発展する可能性がある萎縮性胃炎の診断に役立ちます。

基準値超えた場合のアドバイス

消化器内科を受診し、除菌治療(1週間内服)をされることをお勧めします。一度除菌されている場合は、二次除菌について医師とご相談ください。
胃炎が疑われますので、消化器内科を受診しピロリ菌検査や内視鏡検査をお勧めします。


ABC検査

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検査項目 基準値 基準値 (東振協) この検査でわかること
ペプシノゲン検査・ピロリ菌抗体検査 A群 A群 ヘリコバクター・ピロリ菌感染の有無と、それに伴う胃粘膜の萎縮の状態を調べます。
A群:どちらも陰性で胃粘膜の状態は正常
B群:ピロリ菌(±・+)かつペプシノゲン(ー)、胃粘膜の状態は軽度萎縮
C群:ピロリ菌(±・+)かつペプシノゲン(±・+)、胃粘膜の状態は中等度萎縮
D群:ピロリ菌(ー)かつペプシノゲン(±・+)、胃粘膜の状態は高度萎縮
 
A群 おおむね健康的な胃粘膜で、胃の病気になる危険性は低いと考えらえます。逆流性食道炎などピロリ菌に関連しない病気に注意しましょう。未感染の可能性が高いですが、一部にはピロリ菌の感染や感染の既往がある方が含まれます。一度は内視鏡検査などの画像検査を受けることが理想的です。

B群 少し弱った胃粘膜です。胃潰瘍・十二指腸かいようなどに注意しましょう。胃がんのリスクもあります。内視鏡検査を受けましょう。ピロリ菌の除菌治療をお勧めします。
C群 萎縮の進んだ弱った胃粘膜で胃がんになりやすいタイプと考えられます。ピロリ菌の除菌治療と定期的な内視鏡検査をお勧めします。
D群 (C群) 萎縮が非常に進んだ胃粘膜と考えられます。胃がんなどの病気になるリスクがあります。ピロリ菌感染診断をお勧めします。かならず専門医療機関で内視鏡検査などの診断を受けてご相談ください。
E群 ピロリ菌の除菌治療を受けた方は除菌判定の結果に関わらず、E群(除菌群)として定期的に内視鏡検査を受けましょう。
※除菌により胃がんになるリスクは低くなりますが、決してゼロになるわけではありませんので、除菌後も内視鏡検査医による経過観察が必要です。

基準値超えた場合のアドバイス

C判定:内科または消化器内科を受診し、ピロリ菌の除菌についてご相談ください。
D判定:消化器内科を受診し、内視鏡検査での精密検査を受けてください。ピロリ菌がいる場合は、併せて除菌についてもご相談ください。

腹部超音波

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検査項目 基準値 基準値(東振協) この検査でわかること
腹部超音波検査 異常所見なし 腹部にゼリーを塗り、その上から超音波を当てて臓器の状態を画像上で調べます。主に肝臓・腎臓・胆嚢・膵臓・脾臓の5臓器と腹部大動脈の観察を行い、腫瘤や嚢胞、結石などを見つけることができます。

基準値超えた場合のアドバイス脂肪肝が疑われる方へ

C判定:年1回の定期的な検査で大きさや性状の変化がないか確認してください。症状がある場合や初めて指摘された場合は消化器内科でCTなどでの精密検査をご検討ください。
D判定:消化器内科を受診し、CTなどでの精密検査を受けてください。

呼吸器検査の結果の見方

肺機能検査

肺の換気能力がどの程度あるかを調べます。呼吸器系の働きをみるために胸部X線と並んで大切な検査です。

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検査項目 基準値 基準値 (東振協) この検査でわかること
肺活量 できるだけ息を深く吸い込んで、思いっきり吐き出したときの息の量です。
%肺活量 80%以上 80以上 (肺活量÷予測肺活量)×100で算出されます。

各個人の性別・年齢・身長に基づいて計算した「肺活量の予測値」に対する肺活量の割合を示しています

努力性肺活量 肺および呼吸の機能の指標で、一気に息を吐いた時の空気の量です。通常の肺活量とは、ゆっくりとではなく、一気に息を吐く点で区別されます。
1秒量 息を最大に吸い込んで最大に吐き出した最初の1秒間の空気量です。
1秒率 70%以上 70以上 1秒量が肺活量の何%になるかを示したものです。息を吐き出す瞬間の量の割合をみます。この率が低いときは、吸い込んだ息を早く吐き出すことのできない病気(肺気腫・喘息など)が疑われます。
%1秒量 80%以上(かつ1秒率70%以上) 80%以上(かつ1秒率70%以上) (1秒量÷予測1秒量)×100で算出されます。

予測1秒量は年齢と性別と身長から割り出されます。

基準値超えた場合のアドバイス

C判定:念のため、再検査または外来への受診をご検討ください。喫煙習慣がある場合は、禁煙をお勧めします。
D判定:精密検査が必要ですので、一度外来を受診してください。

喀痰細胞診

胸部X線上で異常が見られないことがある肺門部肺がんの発見に有効です。

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検査項目 基準値 基準値 (東振協) この検査でわかること
喀痰細胞診 ClassⅠ 痰を採取して細胞の検査を行います。
ClassⅠ:異常なし
ClassⅡ:変化があるが心配なし
ClassⅢa:境界病変を疑う
ClassⅢb:境界病変を強く疑う
ClassⅣ:悪性細胞を疑う
ClassⅤ:悪性細胞を強く疑う

基準値超えた場合のアドバイス

ClassⅢa:外来を受診し再検査
ClassⅢb以上:呼吸器科を受診し精密検査を受けてください。

眼検査の結果の見方

眼底検査

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検査項目 基準値 基準値 (東振協) この検査でわかること
眼底検査(右/左) 異常所見なし 異常所見なし 目の奥の網膜の血管の状態を眼底写真により観察し、動脈硬化、眼底出血などの有無を調べます。 また、緑内障などの早期発見にも役立ちます。

基準値超えた場合のアドバイス

C判定:所見を認めますので、1年以内に眼科を受診し再検査を受けてください。
D判定:異常所見を認めますので、眼科を受診し精密検査を受けてください。

眼圧検査

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検査項目 基準値 基準値 (東振協) この検査でわかること
眼圧検査(右/左) 9~20mmHg 9~20mmHg 眼球内の圧を測定します。 眼圧が高くなる代表的疾患、緑内障の診断に使います。 (レーシック術後の方は5~7mmHgほど基準が下がることがあります。詳細については手術を受けた医療機関にご相談ください)

基準値超えた場合のアドバイス

C判定:年1回の健診で経過観察をしてください。
D判定:眼科を受診し精密検査を受けてください。