当院での健診項目のご案内
- 紹介
当院での健診項目のご案内
年度も切り替わり、随分と春らしい気温となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
入職や転職、退職など環境が新しく変わる方も多いのではないでしょうか。
4月は会社での職員健診や、会社に入職する際に必要な雇用時健診など、新年度の健診が始まる時期でもありますので、今回は健診の項目について簡単にご紹介致します。
【身体計測】
◯身長・体重・BMI・腹囲など
身体測定を行います。前回から体重が増えている場合や腹囲が大きい場合は、減量を意識してみてください。40歳~74歳の方で腹囲が男性85cm、女性90cmまたはBMI25.0を超えている場合は「特定保健指導」の対象となる可能性があります。特定保健指導の詳細は当院のHP「保健指導」をご参照ください。
【眼科検査】
◯視力検査 ◯眼底検査 ◯眼圧検査
眼科系の検査になります。視力は眼鏡やコンタクトレンズを着用した状態での検査が可能ですが、裸眼で測りたいなどありましたらお知らせください。眼底検査は瞳孔の奥にある眼底の写真を撮り、眼底の血管、網膜、視神経を調べます。また、眼圧検査は眼球に風を吹き付けて眼球の内圧を調べます。レーシック手術をされている場合は、問題はなくても眼圧が基準値から外れる可能性があります。どちらの検査も緑内障やその他の眼の病気が見つかることがありますので、異常所見がある場合は一度眼科を受診してください。
【血圧測定】
◯血圧測定
血圧を測定します。35歳以上の方と1回目で基準値以上の血圧になった方は2回測定しています。血圧が高くなると脳卒中や心筋梗塞などの血管疾患のリスクが高くなりますので、高血圧を指摘された場合は、塩分や味の濃い食事を控えるなど食生活の改善に取り組みましょう。また、バリウム検査などの健診項目でも実施出来ないものが出てくる可能性がありますので、内服薬がある方は、健診当日も通常通り服用されることをお勧めします。
【聴力検査】
◯オージオ検査 ◯会話法
コースにより、オージオ検査と会話法の2パターンがあります。オージオ検査は防音のボックスに入り、ヘッドホンから流れる小さな音が聞こえるかを検査しています。もともと聞こえない、または過去に耳の病気や怪我で聞き取りにくいなどあればお知らせください。会話法は医師診察時の会話の中で聞こえにくそうな様子がないかをみていますので、特に実施する検査はありません。
【血液検査】
◯血液学検査(赤血球・白血球・ヘモグロビン・血小板など) ◯脂質検査(コレステロール)
◯糖代謝(空腹時血糖・尿糖など) ◯肝機能検査(GOT・GPT・γ-GTPなど)
◯肝機能蛋白(アルブミン・総蛋白など) ◯痛風検査(尿酸) ◯腎機能(クレアチニン・eGFRなど)
◯感染症検査(肝炎・梅毒・HIVなど) ◯免疫(CRPなど)
血液検査では様々な項目を検査しています。白血球やCRPのように免疫に関係するもの、脂質や糖代謝、肝機能のように生活習慣に関するものなどがありますが、前回と比較して大幅な増減がある場合は生活を見直す必要があるかもしれません。また、数値がかなり悪くなっている場合や症状のある場合については受診をお勧めしますので、放置せずに内科を受診して再検査や精査・治療について医師とご相談ください。HIV検査については当日医師診察時に別途結果をお渡ししますので、そちらをご参照ください。
【尿検査】
◯尿検査(尿蛋白・尿潜血) ◯尿沈渣(赤血球・白血球など)
尿中の蛋白や潜血、その他細胞類の有無を検査します。尿検査や尿沈渣で異常を指摘された場合、腎臓や膀胱に異常がある場合があります。月経中は潜血や蛋白が出る場合がありますので、女性は月経期間を避けて検査または再検査されることをお勧めします。また、当院では月経中の尿検査は、参考値として結果に載せております。
【便検査】
◯便検査(便潜血)
便中の潜血の有無を検査します。当院は2日法となっているため違うタイミングで2日間分の便を採っていただくことがベストですが、1日分でも検査可能です。便潜血が陽性の場合、痔や大腸ポリープなどの良性疾患の他、大腸がんが見つかることもありますので、一度大腸カメラなどで詳しく検査されることをお勧めします。また、潰瘍性大腸炎やクローン病などの既往のある方も便潜血になりやすいため、かかりつけ医とご相談ください。
【肺機能検査】
◯肺機能検査(肺活量など)
機器に向けて息を吸ったり吐いたりすることで肺機能を検査します。喫煙や肺疾患があると肺の機能が低下することがありますので、禁煙をお勧めします。また、喘息の既往のある方も低めになることがあります。
【上部消化管検査・胃検査】
◯バリウム検査 ◯内視鏡検査 ◯ABC(ピロリ菌)検査
胃の状態を評価する検査です。バリウム検査では、発泡剤とバリウム(白い液体)を飲み、検査台の上で身体の向きを変えながらX線撮影を行います。内視鏡検査は胃カメラで直接胃の中を見ることで異常がないか見ていきますので、過去に胃の疾患等を指摘されている場合は内視鏡検査へ切り替えることをお勧めします。また、ヘリコバクター・ピロリ菌の有無により、胃がんや胃炎のリスクを評価することができるため、バリウム検査や内視鏡検査で胃炎や潰瘍等を指摘された場合は、合わせてピロリ菌の検査を行い、陽性の場合は除菌されることをお勧めします。
【胸部X線検査】
◯レントゲン検査
胸部のX線写真を撮影し、肺や肺の周辺に異常がないか検査します。肺に影がないかだけでなく、大動脈に異常がないか、背骨は曲がっていないか胸膜は正常かなど、様々なものを見ることができます。肺に病変の疑われるものを指摘された場合や、前回なかったものが新出している場合はCT検査などで精査されることをお勧めします。
【心電図検査】
◯心電図検査
手足と胸部に電極をつけて、心臓のリズムや心筋の状態を調べる検査です。体質によるものや過去に心臓の手術をしたことのある場合にも波形の変化が出ることがありますが、動悸や胸痛のある場合や初めて指摘された場合などは一度精査されることをお勧めします。
【腹部超音波検査】
◯腹部超音波検査
腹部の5つの臓器(肝臓・腎臓・脾臓・胆嚢・膵臓)と腹部大動脈について超音波を当てて撮影し、異常がないかを検査します。様々な体位で観察することで、見落としを減らすようにしています。そのため当院では少し時間をかけて検査しております。
【乳がん検診】
◯乳房超音波検査 ◯乳房X線検査
どちらも乳房に異常がないか検査します。超音波検査とX線検査(マンモグラフィー検査)の併用検診を行うことで、より精度の高い検査が可能となります。超音波検査と比べて、マンモグラフィー検査は人によっては痛みがかなり強いことがありますので、不安な際は技師へご相談ください。
【婦人科検診】
◯子宮内診 ◯子宮がん検査(細胞診) ◯HPV検査 ◯経膣超音波検査
内診及び経膣超音波検査では、子宮筋腫や卵巣嚢腫など、目視や触診で分かるものを検査します。経膣超音波検査は膣から器具を挿入して広域に撮影するため、子宮だけではなく、卵巣の様子も見ることができます。子宮がん検査については、細いブラシで膣内の細胞を採り、異常な細胞がないかを検査します。HPV検査を併用して頂くことで、子宮がんになりやすいHPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスがいないか検査できますので、より検診の精度が高くなります。
一言で健診・検診といっても様々な検査があります。
今回記載した検査以外にもオプションとして追加できるものが多々ありますので、基本のコースの他に追加したい検査がありましたら、事前に当院にご連絡頂くか、当日に受付にてご相談ください。画像系検査などは予約状況によっては当日受け入れが難しい場合もありますので、事前にご連絡頂くことをお勧めします。
また、結果の見方につきましては、当院ホームページ「健康診断成績表の見方」をご参照ください。
今年も健康な1年にできるよう、また現在の健康状態を知るためにも、ぜひ健診を受診してみてください。