お腹がギュルギュル、ゴロゴロ鳴る!その原因と対策を解説

  • クリニックブログ
2025/02/10

お腹がギュルギュル、ゴロゴロ鳴る!その原因と対策を解説

「授業中や会議中にお腹が鳴って恥ずかしい」「頻繁にお腹がゴロゴロ鳴るけど、何かの病気ではないかと心配」そんな悩みを抱えていませんか?
お腹の音が気になる原因には、単なる空腹や消化活動以外にも、生活習慣やストレス、さらには健康上の問題が隠れていることがあります。
 
この記事では、お腹が鳴る理由や注意すべき症状、音を抑える方法や予防策をわかりやすく解説します。原因を知り、適切に対処して、安心できる日常を取り戻しましょう。

 
 

お腹がゴロゴロ・ギュルギュル鳴る理由は何ですか?

お腹が鳴る現象は、腸が食べ物やガス、液体を動かす際に発生する音です。これは消化管の正常な働きであり、誰にでも起こることです。ただし、その頻度や音の大きさが気になる場合、原因を知り適切に対処することで改善が期待できます。
 

食後のお腹がゴロゴロ・ギュルギュル鳴る理由

食後にお腹が鳴るのは、消化活動中の胃腸の動きが活発になるためです。胃が収縮して食べ物を腸に送る際、腸内のガスや液体が移動し音が発生します。特に、炭酸飲料や豆類、キャベツなどのガスを発生させやすい食品を摂取すると、音が大きくなることがあります。また、早食いによって空気を飲み込むことも原因の一つです。
対策としては、ゆっくりよく噛んで食事をすることが有効です。また、炭酸飲料やガスが溜まりやすい食品を控えると音を軽減できます。食事後はすぐに横にならず、軽く体を動かして消化を助けることも効果的です。これらの対策で、食後のお腹の音を抑えることができます。
 

お腹が空いたときの音の原因とは?

 

 
空腹時にお腹が鳴るのは、胃や腸が「空腹時収縮」という動きを行うためです。食べ物がない状態でも、胃腸は次の食事に備えて中に残った食べ物のカスや液体を掃除しようとします。この収縮運動で腸内のガスや液体が動き、音が発生します。また、空腹を知らせるホルモン「グレリン」の働きも関与しています。
対策としては、小まめに軽食を摂ることが効果的です。消化に良いナッツやヨーグルト、温かい飲み物などを摂取すると空腹感が軽減され、音も抑えられます。また、規則正しい食事時間を保つことで、空腹時収縮が頻繁に起こるのを防ぐことができます。生活リズムの見直しも予防に役立ちます。
 

横になるとお腹が鳴る理由

横になるとお腹が鳴るのは、腸が圧迫されて腸内のガスや液体が動きやすくなるためです。また、腸の蠕動運動(内容物を送る動き)が活発になると、ガスや消化液が腸壁に当たって音が発生します。特に、食後すぐに横になると消化が進行中で腸の動きが盛んになるため、音が鳴りやすくなります。
対策としては、食後2~3時間は横にならないようにし、食べ過ぎを避けることが効果的です。さらに、ガスを発生させやすい食品(豆類、炭酸飲料など)を控え、ヨーグルトや発酵食品など腸内環境を整える食品を摂取すると改善が期待できます。また、寝る前に温かい飲み物を飲むと腸がリラックスし、音を抑える効果があります。
 
 

お腹の音に注意すべき症状

お腹が鳴ること自体は通常の生理現象ですが、特定の症状を伴う場合、病気や健康上の問題が隠れている可能性があります。以下のような症状がみられる場合は注意が必要です。
 

お腹の音が腹痛や便秘、下痢を引き起こす

お腹の音とともに腹痛や便秘、下痢がみられる場合、腸の機能異常が関与している可能性があります。特に、過敏性腸症候群(IBS)が考えられます。IBSは、ストレスや食生活の乱れにより腸の働きが過剰または低下し、腸内のガスが溜まって音や痛みを引き起こすことがあります。また、腸炎や腸閉塞、食物不耐症なども関連している場合があります。
これらの症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。対策として、腸内環境を整える食事(発酵食品や食物繊維を摂取)や、ストレス管理を行うことが効果的です。症状が頻繁に発生する場合は、消化器内科で適切な診断を受けましょう。
 

お腹の音が吐き気や嘔吐を引き起こす

お腹の音とともに吐き気や嘔吐がみられる場合、消化管に異常がある可能性があります。代表的な原因として、胃腸炎や腸閉塞が挙げられます。胃腸炎はウイルスや細菌による感染が原因で、腸の炎症により音が目立ち、吐き気や嘔吐を伴うことがあります。一方、腸閉塞は腸が詰まり内容物が移動できない状態で、腹部の張りや激しい痛みも特徴です。
これらの症状は、早期の診断と治療が必要です。また、食物不耐症や胃酸の逆流(逆流性食道炎)も類似の症状を引き起こす場合があります。症状が続く、悪化する、または発熱や血便を伴う場合は、消化器内科を早急に受診してください。自己判断での放置は避けましょう。
 
 

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お腹の音がおならのにおいに影響する

お腹の音が頻繁に鳴り、おならのにおいが強い場合、腸内環境の乱れが原因である可能性があります。腸内の悪玉菌が増えると、タンパク質を分解する際に硫化水素やアンモニアなどの臭気を伴うガスが発生し、音とともに、においが強くなることがあります。また、食生活の乱れや消化不良、食物不耐症が腸内での発酵や腐敗を促進し、においに影響を与えることもあります。
症状が続く場合は、腸内環境を改善することが重要です。食物繊維や発酵食品(ヨーグルト、納豆など)を積極的に摂取し、悪玉菌の増殖を抑えることが効果的です。慢性的な腸内トラブルが疑われる場合は、専門医に相談し適切な治療を受けることをおすすめします。
 

お腹の音がストレスのサインである可能性

 

 
お腹の音が頻繁に鳴る場合、ストレスが原因となっている可能性があります。ストレスが自律神経に影響を与えると、腸の働きが不安定になり、蠕動運動が過剰に活発化したり、逆に低下したりすることがあります。この結果、腸内のガスや液体が動きやすくなり、お腹の音が目立つようになります。また、ストレスは腸内環境にも影響を与え、音を引き起こす要因となります。
対策として、ストレスを軽減する方法を取り入れることが有効です。適度な運動、深呼吸や瞑想などのリラクゼーション法を試してみましょう。また、腸内環境を整えるためにバランスの良い食事や発酵食品の摂取を心がけることも効果的です。症状が続く場合は、医師に相談して原因を特定することをおすすめします。
 
 

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お腹がゴロゴロ鳴ると大腸がんの可能性?

お腹のゴロゴロ音は通常の消化活動の一環ですが、特定の症状を伴う場合は大腸がんの可能性も考えられます。特に注意すべき症状として、便に血液が混ざる血便、慢性的な下痢や便秘、原因不明の体重減少、持続的な腹痛やお腹の張りが挙げられます。これらは大腸の異常を示すサインである可能性があるため、早急に医療機関を受診する必要があります。
対策として、定期的な大腸がん検診を受けることが重要です。特に50歳以上や家族歴がある場合は内視鏡検査を検討しましょう。また、食物繊維を多く含むバランスの取れた食事を心がけ、腸の健康を維持することも効果的です。早期発見が鍵となるため、気になる症状がある場合は放置せず、医師に相談してください。
 
 

お腹の音を止める方法とは?

お腹の音が鳴るのは正常な生理現象ですが、特定の状況では気になることもあります。ここでは、お腹の音を抑えるための効果的な方法を紹介します。
 

背筋を伸ばしてお腹の音を抑える

姿勢が悪いと、腸が圧迫されて音が鳴りやすくなります。背筋を伸ばすことは、腸を正しい位置に保ち、その動きをスムーズにする効果があります。猫背など姿勢が悪いと、腹部が圧迫されて腸内のガスや液体の移動が不規則になり、音が鳴りやすくなります。背筋を伸ばすことで腸が圧迫から解放され、蠕動運動が正常化し、お腹の音が軽減します。
 

 
正しい姿勢を保つことで、空気やガスの過剰な動きを防ぎ、腸内の動きが静かになるのが大きなポイントです。また、深い呼吸がしやすくなり、腸を落ち着かせる効果も期待できます。座る際は足を床につけ、背筋を伸ばしてリラックスする姿勢を意識することで、お腹の音を抑えるだけでなく、体全体の緊張を和らげる効果も得られます。
 

ジュースやお菓子を摂取してお腹の音を和らげる

ジュースやお菓子を摂取することが、お腹の音を和らげる理由は、軽い空腹が原因で鳴っている胃腸の動きを一時的に落ち着かせるためです。空腹時には胃が「空腹時収縮」を繰り返し、その動きで腸内のガスや液体が音を発生させます。少量のジュースやお菓子を摂取することで、胃腸に食べ物が入り、収縮が弱まり音を抑えることができます。
摂取するものは、消化に良い低脂肪のお菓子や果汁100%のジュースなどがおすすめです。これにより、胃腸への負担を最小限に抑えながら空腹感を軽減し、音を抑える効果が得られます。ただし、糖分や脂肪分が多すぎる食品は避け、適量を心がけることが大切です。手軽にできる方法として、日常生活で役立てることができます。
 
 

お腹の音を予防するためにできること

お腹の音を完全に防ぐことは難しいですが、適切な生活習慣を取り入れることで、音が頻繁に鳴るのを予防することができます。ここでは、日常的に実践しやすい対策を紹介します。
 

食事をゆっくりとることでお腹の音を抑える

早食いは空気を多く飲み込む原因となり、腸内にガスが溜まりやすくなります。このガスが移動する際にお腹の音が発生します。食事をゆっくりとることで、飲み込む空気の量が減り、腸内でのガス発生を抑えることができます。また、よく噛むことで消化がスムーズになり、腸への負担が軽減されるため、音の発生が少なくなります。
1口につき20~30回噛むことを意識し、落ち着いた環境で食事を摂ることがポイントです。このシンプルな方法でお腹の音を予防する効果が期待できます。
 

炭酸飲料を避けてお腹の音を減らす

炭酸飲料には大量のガスが含まれており、飲むことで腸内にガスが溜まりやすくなります。このガスが腸内で移動するときにお腹の音が発生します。炭酸飲料を控えることで、腸内のガス量を減らし、音を抑えることができます。
代わりに、水やお茶、ハーブティーなどのガスを発生させない飲み物を選ぶと良いでしょう。また、飲み物を一気に飲むことも音の原因になるため、ゆっくり飲むことを心がけることが大切です。
 

規則正しい食習慣を身につけてお腹の音を予防する

不規則な食事時間は腸内のリズムを乱し、空腹時にお腹の音が鳴りやすくなります。規則正しい食事習慣を身につけることで、腸の働きが安定し、余計な音を防ぐことができます。
1日3回、決まった時間にバランスの良い食事を摂ることが基本です。特に朝食を抜かないようにすることで、腸内リズムを整える効果が高まります。また、夜遅くの食事は腸に負担をかけるため避けるのが理想です。習慣を整えることで音の頻度を減らせます。
 
 

まとめ

お腹の音は通常の消化活動によるものがほとんどですが、空腹や食後、特定の姿勢など状況に応じて音が目立つことがあります。また、ストレスや腸内環境の乱れ、さらには病気が関与している場合もあります。この記事では、お腹が鳴る原因を解説し、音を抑えるための対策や予防策を紹介しました。
お腹の音を抑えるには、ゆっくりと食事を摂ることや炭酸飲料を控える、規則正しい食生活を心がけることが効果的です。さらに、姿勢を改善し、軽い空腹時には適度に間食を摂るなど、日常生活で実践できる方法が多くあります。
ただし、腹痛や吐き気、血便などの症状を伴う場合は、病気のサインである可能性もあるため、早めに医療機関を受診しましょう。正しい知識を持ち、適切に対応することで、健康的で安心した日常を過ごすことができます。
 
 

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MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

資格

略歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師
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