尿酸値が高いのは危険!下げる方法や病気について解説

  • クリニックブログ
2024/07/18

尿酸値が高いのは危険!下げる方法や病気について解説


 

 

「尿酸値が高いと言われた。これからどうなるの?」
「尿酸値が高いと言われたため下げる方法が知りたい」

 
本記事では、このようなお悩みを解決します。
 
結論からお伝えすると、尿酸値が高いと疾患を引き起こすリスクが高まるため、数値を下げる必要があります。
尿酸とは排出すべき老廃物であるため、血液中にたくさん含まれているのは危険です。
 
以降では、尿酸値が高いことによるリスクや下げる方法を解説します。
尿酸のことでお悩みの方は最後までご覧ください。

 
 

尿酸とは?

ここでは、尿酸とはどのようなものなのか、また危険な数値、高まる原因について解説します。
 

尿酸とは?

尿酸とは、ビールやアンコウ、うになどに含まれる「プリン体」が分解されてできる老廃物です。なお、プリン体は食べ物だけではなく、体内にもともと存在しています。
 
プリン体は肝臓で分解され、尿酸となった後に尿と一緒に排出されます。生きている間は必ず産生されるものであるため、なくなることはありません。
 

尿酸が8.0mg/dlを超えると治療が必要となる

尿酸が8.0mg/dlを超えると治療が必要となるのは、今後「痛風」になるリスクが高まるためです。7.0mg/dl以上の数値が数年続くと「痛風」を発症しやすくなります。
 
「痛風」だけでなく「高尿酸血症」の状態がすでに危険であるため、数値を下げるよう努めなくてはなりません。
 
治療は、生活の見直しと併せて薬物治療を行います。8.0mg/dlは薬物治療が推奨される数値、9.0mg/dlを超えると必須の数値となります。
 

尿酸値が高くなる原因

尿酸値が高くなる原因には大きく分けて「産生量を増加させる行動」「尿酸の排出能力を低下させる行動・状態」の2つがあります。
 

産生量を増加させる行動 排出能力を低下させる行動・状態
●激しい運動をする
●早食いする
●食事量が多すぎる
●プリン体が多い食品をたくさん摂取する
●アルコールを摂取する
●水分の摂取量が少ない
●肥満状態になる

 
 

尿酸が高いと起きる病気

先ほど軽く触れましたが、尿酸が高いと発症する「高尿酸血症」と「痛風」について解説します。
 

高尿酸血症

最初に、高尿酸血症の症状や原因、なりやすい方の特徴を解説します。
 

症状

高尿酸血症とは血液中の尿酸値が7.0mg/dlを超えた状態です。軽度の場合は無症状ですが、進行すると痛風発作が起こったり、結石を作り出したりするようになります。
 
結石が腎臓にできると腰痛を起こし、膀胱や尿管に流れると排尿痛を起こし激痛を伴います。

 
 

 尿路結石についてはこちら

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原因

高尿酸血症の原因は、生活習慣や肥満による尿酸の増量です。しかしそれだけとは言い切れず、遺伝も影響しています。血縁関係者で痛風を起こした方がいる場合は、注意しなければならないでしょう。

 

なりやすい方の特徴

なりやすい傾向にあるのは男性です。加えて、尿酸値をコントロールする機能のある女性ホルモンが減少した、閉経後の女性も該当します。
 
また、血がつながった親族に痛風を起こしたことのある方がいる場合、生活習慣が正しくても通常の方と比べると尿酸値が高くなりやすいです。

 

痛風

次に痛風の症状や原因、なりやすい方の特徴を解説します。
 

症状

痛風は、関節の腫れと激痛を伴います。症状が現れる箇所は足の指の根元関節、耳介、手関節、アキレス腱の付け根などさまざまです。
 

 
激痛に襲われるため、正常に歩行することが困難になる方も少なくありません。名前の通り、風に当たっただけで痛みを感じるのも特徴です。

 

原因

痛風発作の原因は、関節にできる尿酸塩結晶です。高尿酸血症になり飽和溶解度の限界を超えると、関節に尿酸塩結晶ができます。白血球が尿酸塩結晶を処理するのですが、その際に激しい痛みが生じます。その痛みが痛風発作です。

 

よく似た偽痛風がある

痛風発作によく似ている「偽痛風(ぎつうふう)」があります。通常の痛風と同様、関節に激しい痛みを伴いますが、高尿酸血症は見られません。
 
引き起こされる原因は、関節軟骨や周囲組織にピロリン酸カルシウム二水和物が沈着することです。偽痛風に特化した治療法はないため、対症療法をメインに治療を行います。また、コルチコステロイドを関節に注入する、関節液を排出するといった方法がとられることもあります。

 
 

 痛風についてはこちら

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尿酸値をコントロールする方法

尿酸値をコントロールする方法は以下があります。

  • ●プリン体が少ない食材を選ぶ
  • ●運動をする
  • ●ビールを過度に飲まない
  • ●しっかり水分をとる
  • ●適正体重をキープする
  • ●ストレスをためすぎないように発散する

 
では、一つずつ具体的な方法を解説します。
 

プリン体が少ない食材を選ぶ

尿酸値を下げるためには、プリン体が少ない食材を選ぶことが大切です。プリン体が多く含まれる食材と少ない食材には以下があります。
 
<多い食材>
・牡蠣
・アンコウの肝
・うに
・白子
・レバー
・カツオ など
 
<少ない食材>
・ウナギ
・ワカサギ
・ロース肉
・バラ肉
・牛タン
・マトン
・ほうれん草
・カリフラワー
・じゃがいも
・キャベツ など
 
プリン体の摂取目安は、1日400mgまでです。
400mgを超えるととりすぎとなるため注意しましょう。
 

運動をする

運動は健康の基本です。しかし、軽い運動でなければなりません。激しい運動は、かえって尿酸値を高めるため避ける必要があります。
 
軽い運動は、ウォーキングやエアロバイク、散歩、ストレッチ、ヨガなどです。運動中は、必ず水分補給を行ってください。
 

 

ビールを過度に飲まない

ビールの中にはプリン体を多く含むものがあります。そのため、ビールを選ぶ際はプリン体が少ないものを選ぶようにしましょう。
 
とはいえ、プリン体が少なくても飲みすぎると意味がありません。
 
ビールは500mlまでにし、休肝日を週に1〜2日設けましょう。できれば、週2日を目標にしてください。
 

しっかり水分をとる

1日のベストの尿量は2000mlです。実際に尿量を測ることは難しいですが、こまめに水分補給を行えば問題ありません。
 
ただし、カフェインが入っているお茶やコーヒー、アルコール、糖質が入っている飲料は水分補給として適してはいません。
 
お茶は水分補給に入ると思う方もいるかもしれませんが、カフェインを含む緑茶などは利尿作用で水分排出を促すため、飲むならカフェインの入っていない麦茶やルイボスティー、そば茶にしましょう。
 

適正体重をキープする

痛風が見られる方は肥満の傾向にあるため、適正体重のキープは予防のために重要だと考えられます。カロリーのとりすぎ、糖質や脂質のとりすぎに注意し、腹八分目を心掛け、適度な運動をしましょう。
 

ストレスをためこまないように発散する

ストレスは、過食やアルコール類の飲みすぎにつながりやすいです。また、すでに痛風がある方は、ストレスによって発作が起こりやすくなります。

 
痛風の予防または発作の予防の観点から、ストレスを発散してためこまないようにすることが大切です。

 
 

まとめ

尿酸値が高い場合、食事や飲み物に気を付けることで数値を下げられます。高い状態が続くと高尿酸血症や痛風につながり、耐え難いつらい痛みを経験することになります。
生活習慣を見直し、尿酸値を適正値に戻すことが大切です。

 
 

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MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

資格

略歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師
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