喉に発生する「喉頭がん」の特徴と治療法とは

  • クリニックブログ
2024/04/30

喉に発生する「喉頭がん」の特徴と治療法とは

喉頭がんとは、喉頭部に発生するがんの総称です。そのため、一口に喉頭がんといっても、がんの発生部位によっていくつかの種類に分けられます。また、喉頭のどの部位にがんができるかによって症状が変わってきます。
 
ここでは、喉頭がんの特徴や治療法などについてご説明します。

 

喉頭がんとは

喉頭がんとは、喉頭部にできたがんです。では、喉頭はどこにあり、どのような働きを持つ器官なのでしょうか。喉頭の場所や役割、喉頭がんの特徴からご説明します。

喉頭とは

喉頭とは、喉仏と呼ばれる部位のことです。喉は、喉頭と咽頭の2つの器官で構成されており、喉頭が前側に、咽頭が後ろ側にあります。
 
喉頭は気管の入り口にあり、気道を確保する役割を持つと共に喉頭蓋と呼ばれる部分を開け閉めし、口から入る食べ物が咽頭や気管に入り込まないように防ぐ役割があります。また、喉頭の中には発声に必要な声帯があり、発声も喉頭の役割の一つです。

 

喉頭がんとは

喉頭がんは頭頸部にできるがんで、ほとんどが粘膜組織に生じる扁平上皮がんです。喉頭がんは、がんができる場所によって「声門がん」「声門上部がん」「声門下部がん」の3つに分けられます。
 
声門とは、左右に一つずつある声帯と声帯に囲まれた部分を指します。また、声門より上の部分を声門上部、声門より下の部分を声門下部といいます。喉頭がんの約70%は、声門にがんができる声門がんです。声門がんは転移しにくいことが分かっている一方で、声門上部がんと声門下部がんはリンパ節に転移しやすいという特徴があります。

 
 

喉頭がんの症状

喉頭がんの症状は、がんができる部位によって異なります。

声門がんの症状

声門がんは、声帯がある部分にできるがんです。そのため、腫瘍が小さい段階から声がかすれる、嗄声と呼ばれる症状が出始めます。ガラガラとした声や息が漏れるような声になるなど、しわがれた声になってきます。1か月以上、声がれの状態が続く場合には医療機関に相談をしましょう。
 
がんが進行すると、声のかすれもひどくなり、声門が狭くなるために息苦しさも感じるようになります。また、血痰が見られる場合もあります。
声門がんは初期段階から、声が変わるという症状が見られるため、早期発見につながりやいという特徴があります。

 

声門上部がんの症状

声門上部がんでは、喉の違和感や食べ物を飲み込む際に痛みを感じるなどの症状が表れます。また、首のリンパ節が腫れるといった症状も見られます。進行すると声門までがんが広がり、声がかすれたり、呼吸が苦しくなったりするという症状も出てきます。
 

声門下部がんの症状

がんが進行するまで自覚症状が表れないことが多く、進行すると声のかすれや息苦しさといった症状が見られます。自覚症状に乏しいため、早期の発見が難しいがんです。

 

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喉頭がんの検査・診断

問診で症状を確認した後に、がんを診断するためのさまざまな検査を行います。

内視鏡検査

内視鏡を喉頭部分に入れ、がんの大きさや状態を確認し、声帯の動きや気道の状態を調べます。また、喉頭がんがある場合、食道や胃などにも病変が見られる場合があるため、食道や胃の状態も確認します。
 

腹部超音波検査

腹部に超音波の出るプローブをあて、肝臓や胆管、胆嚢などの状態を確認します。胆管の狭窄や閉塞、閉塞の影響によって拡張した胆管なども超音波検査で確認が可能です。
 

生検

内視鏡検査の際にがんが疑われる場合は、喉頭にある病変の一部を採取し、顕微鏡で詳しく観察します。生検は、がんの種類を診断するうえでも必要な検査です。
 

CT検査

造影剤を注射し、がんの大きさや広がり、遠隔転移などを調べるための画像診断をします。
 

MRI検査

強力な磁石を用いて、がんの大きさや広がり、リンパ節への転移などを調べます。問題のない組織とがんに侵された組織をはっきりと区別することができます。
 

PET-CT検査

がん細胞はブドウ糖を集中的に取り込む性質があります。PET検査では、放射性フッ素を加えたブドウ糖液を検査液として体内に注射し、体内でのブドウ糖の分布状況をCTで撮影することで全身のがんの広がりを調べる検査です。

 
 

喉頭がんの治療法

喉頭がんでは、病気の進行度や種類に応じた治療を選択します。また、喉頭がんは発声に関わる部位にできたがんであり、治療法によっては日常生活にも影響が出るため、患者さんの希望や年齢なども鑑みながら治療法を決定します。

放射線治療

喉頭がんの治療では、発声機能を温存する治療法として、放射線治療を中心とした治療が選択されるケースが多くなります。特に、早期がんの場合は放射線をがん細胞に照射し、がん細胞を消滅させたり、小さくしたりする治療が行われます。喉頭を切除することがないため、声を出す喉頭の機能を残すことができます。
 
がんの進行度合いや患者さんの年齢などに応じ、放射線治療のみで経過観察をする場合もありますが、化学療法を併用するケース、放射線治療後にがんが残っている場合には外科手術に進むケースがあります。

 

化学放射線療法

放射線療法と抗がん剤や分子標的薬による化学療法を併用する治療法です。放射線療法だけの場合に比べてよりがんの進行を抑える効果が期待できます。しかし、放射線治療と化学療法の両方の副作用が出るため、化学放射線療法を実施するかどうかは、年齢や身体の状態なども踏まえて慎重に判断する必要があります。
 

外科手術

喉頭がんの外科手術には、喉頭を温存する「喉頭温存手術」と、喉頭を全て摘出する「喉頭全摘手術」の2つがあります。喉頭温存手術では、声を出す機能を残すことができるため、手術後も声を出すことが可能です。しかし、がんが進行している場合には、喉頭を完全に除去する必要があり、その場合声を出すことはできなくなります。
 
喉頭温存手術の場合は、誤嚥のリスクや声の出にくくなるリスクを抑えるためのリハビリ、喉頭全摘手術の場合は、食道発声など人工喉頭を使用した発声を行うためのリハビリが必要になります。


 
 

まとめ

喉頭がんは声門がん、声門上がん、声門下がんの3つに分けることができます。声門がんは、早い段階で声に異常が生じるため、早期発見につながりやすいがんです。しかしながら、声門上がん、声門下がんは初期段階では症状が分かりにくく、発見が遅れる場合もあります。
 
喉に違和感がある場合や声がかすれる状態が続いている場合などは、医療機関に相談をし、検査を受けるようにしましょう。


 

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MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

資格

略歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師
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