認知症の症状や4種類の特徴、予防・治療法を解説|一気に進む原因も

  • クリニックブログ
2024/04/12

認知症の症状や4種類の特徴、予防・治療法を解説|一気に進む原因も

「認知症になるとどのような症状が出るの?」
「予防する方法が知りたい」
「一気に症状が進む原因は何がある?」
といったお悩みや疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
 
超高齢化社会に突入した日本において、認知症の発症率は増加していくと考えられています。65歳以上の方の場合、5人に1人が発症するともいわれており、誰が発症してもおかしくありません。
 
しかし、できることなら発症せずにいたいものです。以下では、認知症の特徴、症状や原因、予防や治療法を解説します。一気に症状が進む原因も含めて解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

認知症とは?

認知症とはどのような病気なのか、特徴や症状、原因となる病気、痴呆症との違いについて解説します。

 

認知症の特徴

認知症の症状は物忘れだけではありません。
「初期症状」や「中核症状」、「周辺症状」に分類されるさまざまな症状が現れます。

 

初期症状

発症の初期症状はさまざまなものがあり、以下のようなものがあります。
 

  • ● 何度も同じ話をする
  • ● イライラしやすくなる
  • ● お金を盗まれたと言うようになる
  • ● 好きなものに関心を示さなくなる
  • ● 買ったことを忘れて何度も同じものを買う

 
上記のような症状により、周囲の人が「認知症かもしれない」と気づくケースが多く見受けられます。
 

中核症状

進行すると必ず見られる症状として中核症状があります。脳の障害によって引き起こされる症状であり、認知機能が大きく下がります。具体的には、以下のような症状があります。
 

  • ● 見当識障害
  • ● 記憶障害
  • ● 実行機能障害
  • ● 失語
  • ● 失認
  • ● 失行

 
見当識障害とは、時間や日付、場所、人物の把握や理解ができなくなってしまう症状になります。記憶障害は、新しい出来事や新しく増えた家族の名前などが覚えられなくなるといった記憶に関する症状です。
 
実行機能障害とは、段取りを組み計画的に物事を実行する能力が低下する症状をいいます。失認は、目の前にある品物などが何か理解できなくなる症状です。失語は、人の名前や物の名前が思い出せなくなってしまう症状になります。失行は、服が着られなくなったり、包丁などの道具の使い方がわからなくなったりする症状です。

 

周辺症状

発症するかどうかは個人差があります。具体的には、以下のような症状を周辺症状といいます。
 

  • ● 妄想・幻覚・幻聴
  • ● 不安
  • ● 徘徊
  • ● 暴言・興奮
  • ● 抑うつ
  • ● 異食
  • ● 不眠
  • ● 介護の拒否

 
上記の症状は、患者様本人の性格や、周囲の環境、人間関係が関係しているといわれています。そのため、接し方などによっては発症せず、また発症しても症状が改善することがあります。
 

原因となる病気(認知症の種類)

認知症の一種でもありますが、発症原因となる病気は主に4つあります。
 

  • 1. アルツハイマー病
  • 2. レビー小体型認知症
  • 3. 脳血管性認知症
  • 4. 前頭・側頭型認知症

 
上記の病気がどのような症状なのかひとつずつ解説します。

 

アルツハイマー病

発症原因として最も多いのがアルツハイマー病だといわれています。最初に記憶障害の症状が見られることが多い傾向があります。また、周辺症状のひとつである徘徊は、アルツハイマー病の方に多く見受けられています。
 

レビー小体型認知症

レビー小体という物質が脳に現れることで認知機能が低下する病気です。このレビー小体の出現は、もともとパーキンソン病特有の病変として知られているものでした。レビー小体型認知症では、筋肉のこわばりや歩行困難といったパーキンソン病にも見られる症状や、幻視を発症するのが特徴的です。
 

脳血管性認知症

脳血管の疾患が原因で発症する病気です。発症要因となる具体的な病気には、脳卒中や脳梗塞などがあります。落ち着いていたにもかかわらず急に悪化したり、突然症状が現れたりと変動的に発症してしまうのです。
 
初期症状として、脳梗塞にも見られる呂律の回りにくさや手足の麻痺などの症状が見られることもよくあります
 

 脳梗塞について詳しくはこちら

詳しくはこちら

 

前頭・側頭型認知症

前頭葉もしくは側頭葉の前方が徐々に萎縮することで発症する病気です。発症率はそれほど高くはありませんが、アルツハイマー病の発症年齢とは違い、50代~60代の年齢の方が患うことが多いタイプです。ピック病とも呼ばれており、特徴として人が変わったような人格障害の症状が強く見られます。

認知症と痴呆症の違い

認知症と痴呆(ちほう)症の違いはなく、同じ病気を指します。認知症は、昔「痴呆」と呼ばれていましたが、侮辱的な意味があるとして、認知症という言葉が使われるようになりました。

 
 

認知症が急加速に進む原因は?症状が悪化した時の対処法

急加速に症状が進行する原因と、悪化したときの対処法について解説します。

急加速に進行する原因は4つ

症状が一気に悪化する原因は以下の4つです。
 

  • 1. 脳への刺激が足りない
  • 2. ストレスがかかっている
  • 3. ミスを責められる
  • 4. 病気が合併している

 
では、ひとつずつ解説します。

 

脳への刺激が足りていない

に刺激がいかなくなると、脳の老化が進むため、症状が一気に進行しやすくなります。例えば、外出をしなくなったり、寝たきり生活になったりした方は、どうしても脳への刺激が少なくなってしまいます。対策として、寝たきりであってもできる脳トレなどがあります。脳を刺激することが大切です。
 

ストレスがかかっている

継続的にストレスを受けたり、強いストレスがかかったりすると症状が一気に進むことがあります。強いストレスは、コルチゾールというホルモンを過剰に分泌させ、記憶力や感情を司る脳の働きを低下させてしまうのです。
 

ミスを責められる

認知症を発症すると、排泄障害が現れたり、物の認識ができなくなることで大切なものも捨ててしまったりするといった事象が起こりやすくなります。そのような時に強く責められてしまうと、自尊心が低下したり、責められる恐怖から意欲や活動レベルが低下したりしてしまいます。そして認知症が進みやすくなってしまうので、ミスをしてしまったときの関わり方には注意が必要です。
 

病気が合併している

病状の進行が急加速する原因として、別の病気を併発している可能性もあります。例えば、転倒して頭を強く落ち、頭蓋骨と大脳の間に少しずつ出血する慢性硬膜下血腫があります。慢性硬膜下血腫の症状は、尿失禁や活気の消失、歩行障害などです。
 
認知症が進行した場合にも見られるため、慢性硬膜下血腫を患っていると気づきにくいことがあります。本人は頭を強く打ったことも覚えていないため、周りの人が気づくことも困難でしょう。そのため、いつもと様子が違い、認知症が急に進行していると感じたら、別の病気による症状であることを疑うことが大切です。

急に悪くなったときにご家族ができること

急に症状が悪くなったと感じた場合、ご家族ができることは以下のようなものがあります。
 

  • ● 病気を疑い検査を促す
  • ● 脳神経外科に受診し治療を受ける
  • ● 地域包括支援センターなどに相談する
  • ● 訪問介護などのサービスを利用する

 
上記のように、まず本人とご家族が快適に過ごせるための方法を考えると良いでしょう。
早めに受診をすることで原因が分かり治療薬をもらえたり、誰かに相談することで、今後どのような対応を行っていけば良いのかという方針がわかったりします。
 
認知症は本人にもご家族にも大きな負担がかかることが考えられます。
抱え込まずに、全員が安心して過ごせる方法を考えることが大切です。


 
 

認知症の予防・治療法について

認知症の予防方法や治療法について解説します。

予防方法

認知症は、生活習慣を見直すことで発症や進行のリスクを抑えられます。たとえば、脳血管性認知症の場合の原因となる脳梗塞や脳出血などは、肥満や高血圧、高脂血症が原因です。そのため、過剰な脂質や塩分の摂取に気をつけた食生活によって発症を予防できます。
 
また、脳の刺激が減ると脳の老化が進み、発症リスクが上がります。よって、外出して人やさまざまなものから刺激を受ける、脳を活性化させるパズルやトランプなどの娯楽を楽しむというのも良いでしょう。

 

治療法

中核症状が見られる認知症には、薬による治療方法で対処します。周辺症状が見られる場合は、リハビリを行ったり、環境を整えたりすることが治療方法です。


 
 

まとめ

認知症は年齢による脳の老化が原因なので、予防できないと考える方もいるかもしれませんが、工夫次第で発症リスクを抑えることは可能です。生活習慣を整えたり、脳を刺激したりすることは発症予防になるだけでなく、発症したあとの進行の速度を落とす効果も期待できます。
 
認知症は、ご家族や周りの方々、自治体などと協力しながらケアをしていきましょう。


 
 

MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

資格

略歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師
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