悪寒がするときの原因と対処法!知っておきたい4つのポイント

  • クリニックブログ
2024/02/27

悪寒がするときの原因と対処法!知っておきたい4つのポイント

「悪寒」と「寒気」は混同されることが多くありますが、医学的には異なる現象です。特に、悪寒はウィルスや細菌が体内に侵入した際の免疫反応として発生します。
 
この記事では、悪寒が発生する主な疾患とその対処法について紹介していきます。

 

悪寒とは免疫反応の1種

「悪寒」と聞くと、多くの方には「寒気」と同じようなものでも、実は違います。「悪寒」は、体が異常状態に対処するための免疫反応です。
 
ここでは、悪寒の仕組みについて解説します。

悪寒の定義

一般的に「悪寒」は寒さや不快感と結びつくことが多いかもしれませんが、医学的にはもっと深い意味があります。ウィルスや細菌が体内に侵入した際に、免疫システムが反応を起こした結果として悪寒が起きています。つまり、悪寒は体が自分自身を守るためのアラーム機能ともいえます。

 

悪寒を感じる原因

悪寒は、体内で起こる生理学的な反応の一部として理解されており、体が感染に対抗しようとする兆候の一つです。免疫システムが活性化されることで、体は侵入者との戦いに備え始めます。
 
免疫システムが侵入者を検知すると、免疫応答を強化するためにさまざまなプロセスが体内で始まるでしょう。体温を上昇させ免疫細胞を活性化させることも免疫システムのプロセスです。高い体温は、ウィルスや細菌に対抗するための環境を作り出し、免疫応答を助けます。

 

寒気とは異なる症状

「寒気」と「悪寒」も、実は異なるものです。寒気は外部の気温や風によって生じる一般的な寒さを指します。
一方、悪寒は体が異常状態に対処するための免疫反応です。簡単に言えば、寒気が単なる寒さによる感覚であるのに対して、悪寒は体が自己防衛に積極的に動いている状態であると言い換えられるでしょう。

 

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悪寒がする主な病気や状態

「悪寒」は、単に寒さを感じるだけではなく、さまざまな健康問題のサインである場合が多くあります。特に他の症状が伴う場合、医療機関での診断が必要です。
 
悪寒と関連する疾患を簡潔に説明します。

インフルエンザや風邪

風邪やインフルエンザは、悪寒の一般的な原因として知られている疾患です。風邪やインフルエンザが体内に侵入すると、免疫反応が起こり、悪寒を引き起こすことがあります。また、喉の痛みや鼻詰まりなど、他の症状もしばしば同時に現れます。
 
特にインフルエンザでは、高熱が出ることもあり、その際の悪寒は特に強烈で、体全体が寒気に包まれるような感覚が伴うでしょう。
 

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感染症

感染症も悪寒の原因である可能性があります。細菌やウィルスが体内に侵入すると、免疫システムがこれに反応し、体温を上昇させて悪寒が生じさせるためです。
 
感染症の中には、胃腸炎、膀胱炎、肺炎などがあり、高熱、吐き気、頭痛などの症状も一般的に伴います。感染症が悪寒を引き起こすメカニズムは、体が病原体に対抗するためにエネルギーを消費し、体温を上昇させることが多くあります。

 

内分泌系の異常

内分泌系の不調も、悪寒の原因の一つです。甲状腺の低機能、更年期障害、糖尿病など、内分泌系の異常が存在する場合、体温の調節に問題を引き起こすことがあります。
 
甲状腺の低機能症状では、体温が適切に維持されず、寒さを感じやすくなることがあります。更年期障害の場合、ホルモンの変動が体温調節に影響を与え、悪寒を感じることがあるでしょう。また、糖尿病による高血糖や低血糖も、体温の不調を引き起こす要因になります。

 
 

悪寒が続く場合の対処法

ここでは、悪寒が持続する場合の対処法と予防策について紹介します。悪寒が一過性の症状ではなく、継続的に感じられる場合、何らかの健康上の問題が潜んでいる可能性を否定できません。
 
そのため、悪寒が持続する際には、専門の医療機関での診察が非常に重要です。医師は患者の症状や状態を詳しく評価し、必要に応じて検査を実施することで、悪寒の原因を特定し、適切な治療プランを提供します。

病院での診察の重要性

悪寒が続くという状況は、単に不快なだけでなく、体内で何らかの異常が起きている可能性を示しています。自己判断での対処は避けるべきといえるでしょう。特に、悪寒が高熱や吐き気、過度な疲れといった他の健康問題と一緒に現れる場合、それはさらに深刻な状態であると考えるべきです。
 
自然治癒が難しく、投薬などが必要な疾病の場合、放置すると悪化する可能性が高いため、適切な受診、治療が重要であるといえるでしょう。
 

自宅でのケア方法

医療機関での診察後、自宅でできるケアとしては、暖房を適切に使用する、厚着をする、温かい飲み物を摂るなどがあります。また、ストレスを減らすためのリラクゼーションも効果的です。体温を適切に保ち、悪寒の不快さを和らげられるでしょう。

 

予防策は生活習慣の見直し

悪寒予防には、外部からウィルスなどが侵入しづらい状態を維持することが重要といえます。まずは健康的な生活習慣や食生活を維持することが不可欠といえるでしょう。特に、バランスの取れた食事と適度な運動は、免疫機能を高めるために非常に重要です。さらに、十分な睡眠と水分補給も、感染症の予防に繋がります。

 
 

悪寒に関するよくある質問

ここでは、悪寒に関する一般的な疑問とその解答を紹介します。

Q.発熱時に悪寒がする原因は?

A.発熱と悪寒が同時に出る場合、ウィルスや細菌などが外部から侵入している状態であるといえるでしょう。免疫システムが活性化し、体温を上げることでウィルスに対抗しようとしているのです。必要に応じて投薬などの治療を行うことは、内分泌系の不調に対処する重要な手段の一つです。体内の自己免疫機能を補助し、早い回復が期待されます。
 
内分泌系の異常は、体温調節に関わる重要な要因であり、適切な治療を受けることで影響の軽減が期待できます。

 

Q.悪寒だけで病院に行くほうがいい?

A.悪寒が短時間で治まらない、または他の症状(高熱、吐き気など)と一緒に出る場合は、専門の医療機関で診察を受けることが推奨されます。悪寒が他の重症状の前触れである可能性があるためです。
 
自然治癒が難しい疾病が隠れている場合があるため、気になる症状があれば医療機関受診が必要といえるでしょう。

 

Q.悪寒を感じている子どもに解熱剤を飲ませてもいい?

A.子どもが悪寒を感じていて、さらに発熱をしている場合、解熱剤を検討することもあるでしょう。しかし、医師によっては発熱している子どもの状態(食欲や睡眠など)により、解熱剤を勧めないことも少なくありません。
 
これは発熱による自己免疫の効果で回復することが推奨されるためです。解熱剤を使用する、しないに関わらず医師と相談をすることが重要といえるでしょう。


 
 

まとめ

悪寒は、体がウィルスや細菌などの外部からの侵入者に対して発動する免疫反応の一つです。
この状態は寒気とは異なり、体が何らかの異常に対処しようとしている反応によって引き起こされています。
 
インフルエンザや風邪、その他内分泌系の異常などが懸念されるため、症状が続く場合には特に、適切に医療機関を受診し、治療を受けることが重要です。日常的に生活習慣や食生活を整え、自己免疫機能の向上や感染症予防に努めることも効果があるといえます。
 
悪寒は自身の体調を知るための1つの指針となりうるものです。
気になる症状があれば医療機関受診をするように心がけてください。

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MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

資格

略歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師
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