めまいがおきるのはなぜ?原因や対処法、受診の必要性について解説

  • クリニックブログ
2024/02/27

めまいがおきるのはなぜ?原因や対処法、受診の必要性について解説

ふとした拍子にめまいを感じると、疲れているのか、それとも何かの病気が原因なのか、と心配になる方は少なくないのではないでしょうか。
 
めまいには、「回転するようなめまい」「ふわふわ浮くようなめまい」など様々な症状があり、脳や耳などが原因の場合は、専門的な治療を必要とします。めまいの原因や症状と対処法、受診の必要性についてや、受診するときに気になる診断の流れについてみていきましょう。

 

めまいの種類

まず、ひとくちに「めまい」といってもいくつかの種類に分かれます。
ではどのめまいが何を原因として生じるのかみていきましょう。

回転性めまい

回転性めまいとは、以下のような症状がみられる場合のめまいです。
 

  • ● 自分や周囲の天井・壁がグルグルと回っている感覚
  • ● 吐き気、嘔吐、聞こえづらさ、耳鳴りがある

 
回転性めまいには耳と脳の病気が関わっています。
 

耳の異常

耳にある三半規管や前庭神経といった「平衡感覚」に関わっている部分の異常です。

メニエール病

メニエール病は、強い回転性めまいの発作に加え、耳鳴り、耳がつまった感じ、吐き気・嘔吐などの症状を伴います。内耳にあるリンパ液という液体が増えすぎてしまった状態の「内リンパ水腫」が原因です。
 

 メニエール病について詳しくはこちら

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良性発作性頭位めまい症

良性発作性頭位めまい症は、頭を動かすと回転性のめまいがする病気です。耳の三半規管には平衡感覚をつかさどる「耳石」という石のようなものがあり、それがはがれることで平衡感覚を感知できなくなり、発症します。1回の発作は数十秒〜数分ですが、頭を動かすたびにめまいの発作がおこるのが特徴です。

 

前庭神経炎

前庭神経炎は、突然、回転性の激しいめまいがおこり、吐き気・嘔吐を伴うことが多く、数日間続きます。発症1〜2日間は症状が強く、徐々に軽くなっていく方が多いようです。

 

突発性難聴

突発性難聴とは、突然片方の耳が聞こえづらくなる病気です。耳鳴りや耳が詰まった感じがして、めまいを伴うこともあります。
 

 突発性難聴について詳しくはこちら

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中耳炎

中耳炎は重症になるとめまいをおこし、発熱、耳の痛み、耳鳴り、聞こえづらい、耳から膿が出てくるなどの症状があります。耳だけでも原因となる病気は多岐にわたるため、上記のような症状がある場合には、耳鼻科を受診しましょう。
 

脳の異常

脳の「平衡感覚」に関わる部分に異常をおこすとめまいが生じます。
脳の異常がある場合、めまいに加えて、ろれつが回らない、激しい頭痛、まっすぐ歩けなくなる、突然手足に力が入らなくなるなどの症状がみられます。すぐに治療が必要なこともあるため、早急に脳神経科へ受診しましょう。
 

  • ● 浮動性めまい
  • ● 体がふわふわとする感覚
  • ● まっすぐに歩くことができない

 
といった症状があります。
 
原因はさまざまですが、脳の障害、自律神経失調症、薬の副作用などです。体に異常がみつからない場合、精神的ストレスが原因の場合もあるでしょう。

 
 

年齢や体の状態が原因のめまい

耳や脳の病気以外にも、体の状態が原因で発症することがあります。

薬の副作用

 

  • ① 抗生物質
  • ② 精神安定剤
  • ③ 降圧剤
  • ④ 抗パーキンソン病薬

 
これらの薬には副作用としてめまいをおこす可能性があります。
 

抗生物質

抗生物質の中には、三半規管に狂いを生じさせるものや、耳石をはがれやすくする副作用を有するものがあります。三半規管や耳石がはがれることで生じるのが、回転性のめまいの症状です。抗生物質の副作用でめまいが起こることも知っておくと良いでしょう。
 

精神安定剤

精神安定剤は、ふらつきや脱力感を感じさせることがあります。また、精神安定剤を飲む方は、ストレスや不安などで自律神経が乱れていることがあり、それもめまいの原因となります。しかし、勝手に服用を中止することは、体調を悪化させる原因となりますので、医師に相談しましょう。

 

降圧剤

降圧剤は、血圧を下げるための薬ですが、血圧が正常に戻っている状態で飲み続けていると、血圧が下がりすぎることがあります。その場合、平衡感覚を司る脳や耳への血流が減少し、ふらつきやすくなります。長期間降圧剤を内服していて、めまいを感じる方は、医師に相談しましょう。

 

抗パーキンソン病薬

抗パーキンソン病薬も、めまい・ふらつきが出やすいという副作用があります。また、パーキンソン病を発症すると、血圧が低下傾向になるため、起立性低血圧(立ち上がった時などに血圧のコントロールがうまくいかずに低血圧となる)となりやすいようです。
 
その他、市販の薬でも副作用でめまいをおこすものがあります。
薬の添付文書をよく確認してください。
 

加齢・更年期

40歳台から加速し始めると言われている加齢変化ですが、加齢により、耳や脳の機能が衰えていくことで、平衡障害を引き起こしやすくなります。また、耳石の加齢変化により、良性発作性頭位めまい症も引き起こしやすくなっているようです。
 
更年期世代の女性では、自律神経の不調による精神的ストレスや睡眠不足が、めまいの誘因となることもあります。

 

ストレス・睡眠不足

先述のとおり、ストレスや睡眠不足により、自律神経が不調をきたすことで、めまいがおこりやすくなります。自律神経には、交感神経と副交感神経があります。
 
交感神経は、体を活発にさせる時に働く神経で、反対に副交感神経は、体がゆったりとしているときに働く神経です。ストレスを長時間感じたり、睡眠不足が生じると、交感神経が優位になり、耳や脳への血流が低下します。その結果、平衡感覚を司る三半規管へ十分な血流が行きわたらず、めまいを生じるといわれているのです。

 
 

めまいで病院を受診する目安

めまいには原因箇所による違いや症状の重さなど複数の種類があります。
では、どんなめまいなら病院へ行った方がいいのか、まためまいの治療とはどんなものか解説いたします。

受診の必要があるめまい

以下の場合は、危険な病気が潜んでいる可能性があるため、直ちに受診することをおすすめします。
 

  • ● めまいの程度が強い
  • ● 1時間以上続く
  • ● 意識がもうろうとする、強い頭痛、体の片側の動きや感覚がおかしい
  • ● ろれつが回らない

 
上記以外でも、繰り返しめまいが起こる場合には、数日以内に病院を受診しましょう。
 

診断の流れ

めまいについての診断の流れは以下のとおりです。
 

問診

  • ● めまいが初めておきたのか、繰り返しおきているのか
  • ● 持病(高血圧・心疾患・糖尿病など)の有無
  • ● めまいに加えて難聴、耳鳴り、耳が詰まる感じの有無
  • ● めまいの種類(頭を動かすとおこるのか、立ち上がったときにおこるのかなど)

 
自分の症状を正確に伝えられるように前もって整理しておきましょう。
 

診察

血圧や、貧血の有無、眼球が震えていないか、運動麻痺などの脳の症状の有無を診察します。何か異常がみつかった場合、聴力検査や脳の画像検査(CTやMRI)検査を行い、めまいの原因となる病気を診断します。

 

対処法と治療

めまいについての対処法と治療法は以下のとおりです。
 

対処法

・まず安静にする
転倒の可能性があるため、座るか横になり、頭の位置を低くして脳への血流を増やしましょう。脱水が原因のこともあるため、水分をとることもおすすめです。
 
・日常生活の見直し
生活リズムを整え、十分な睡眠をとりましょう。アルコールやカフェインの取りすぎを避け、適度な運動をすることで、自律神経のバランスが整いやすくなります。
 

治療

治療は、めまいの種類によって異なり、生活習慣の改善から内服、手術まで様々です。
例えば、メニエール病の場合、耳に溜まったリンパ液を排泄させるために利尿剤を使用し、聴力が落ちてしまった場合はステロイド剤を使用することもあります。患者の状態によってはストレス管理を行いますが、それでも改善しない場合は、手術でリンパ液の圧力を逃すこともあるでしょう。
 
また、良性発作性頭位めまい症では、頭をゆっくりと一定の法則にしたがって動かすことで、耳石を元の場所に戻す治療法もあり、60%程度の患者は翌日には症状が軽くなるといわれています。

 
 

まとめ

めまいには命に関わる危険なものから、慢性的に付き合っていかなければならないものまであり、症状も様々です。また、めまいに加えて脳の症状がある場合には命に関わるおそれがあります。めまいを感じたら、正しく専門的な検査・治療が行えるよう、医師に相談しましょう。

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MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

資格

略歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師
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