頻尿の原因や症状とは?対策方法についても解説

  • クリニックブログ
2024/02/15

頻尿の原因や症状とは?対策方法についても解説

「一日に何回もトイレに行く」「他の人に比べてトイレに行く回数が多い気がする」と感じる場合は、頻尿の疑いがあります。トイレに意識が向いてしまうと集中力が疎かになったり、気力が減退することもあります。
 
トイレの悩みというのは、家族や友人などには相談しにくいため、1人で悩み、症状の悪化に苦しむ方もいらっしゃいます。まずは、頻尿の原因について解説していきます。

腹部に違和感を感じる女性
 

頻尿の原因

成人の1日あたりの正常なトイレ回数は、個人差はありますが約5~7回です。それ以上に回数が多い場合に、頻尿といわれています。頻尿になる原因については下記の通りです。

ストレス

緊張や不安などの精神的なストレスがたまった時に、頻尿につながる場合があります。一時的なものであれば問題はないのですが、トイレに悩む時間が多いなど生活に支障が生じる場合は適切な治療、受診をすることをおすすめします。
 

水分摂取量が多い

一日の水分摂取量が多いと、頻尿を引き起こす可能性があります。1日の飲水量は体重1kgあたり尿量が20~25mL程度が目安とされています。体重が60キロの方であれば、1200ml~1500mlが理想です。
 
尿として身体の余分な水分が排出されるには、限度があります。適切な水分補給は大切ですが、過剰な水分摂取は控えるようにしましょう。
 

過活動膀胱

過活動膀胱は、通常の膀胱の収縮と弛緩の調節が乱れ、不随意的で強い膀胱の収縮が起こる状態を指します。これにより、患者は頻尿、切迫感、および尿失禁の症状を経験することがあります。必ず排尿するときもあれば、そうでない場合もあります。
 
短い時間の中で何度もトイレに行くなど生活の中で支障が出る症状がある場合は、適切な治療を受けるようにしましょう。
 

 過活動膀胱について詳しくはこちら

詳しくはこちら

 

前立腺肥大症

男性の場合は「前立腺肥大症」による頻尿であることが多いです。前立腺は膀胱の下にあるため、大きくなり膀胱や尿道を刺激します。そのため尿意を感じやすく、尿量がさほどたまっていないにもかかわらずトイレに行きたくなるのです。
 
前立腺肥大症の原因は、いまだに明らかにはなっていません。中高年男性に多くみられるため、男性ホルモンの働き、減少によるものだともいわれています。
 

 前立腺肥大症について詳しくはこちら

詳しくはこちら

 

尿路感染

膀胱炎の初期段階で感じやすく、尿道から雑菌が入り、炎症を起こしている場合頻尿になることがあります。女性は男性よりも感染しやすい傾向があります。疲れが溜まり免疫力が低下しているときなどにも同様の症状がみられやすいです。
 

子宮筋腫

子宮筋腫は、女性の子宮内に発生する良性の腫瘍です。子宮にできる良性腫瘍が影響を与え、頻尿を引き起こす場合があります。生理痛、経血の増加などの症状もみられます。
 

 子宮筋腫について詳しくはこちら

詳しくはこちら

 

加齢

年齢が重なっていくと、自然と膀胱の筋肉が硬くなったり、尿を濃縮するホルモンの働きが減りトイレの回数が増えます。膀胱が硬くなると、尿を溜める量が少なくなり、尿を濃縮できなくなると、一回の尿の量が減ってトイレに行く回数が増えるからです。
 

頻尿の悩みを相談すべき場所は?

頻尿で悩んでいる場合は、まず内科または泌尿器科に相談しましょう。最初は気にならなくても精神的に不安になることで、別の病気を併発する可能性もあります。自分で生活習慣の見直しなどご自身でできる工夫もありますが、病気として治療が望ましいこともあるのでぜひ一度相談してみてください。

 
 

頻尿の症状

日常生活で頻尿が影響して苦しんでいる場合は、原因がいくつか考えられます。回数とともにトイレに行く時間帯、一回にどのぐらいの量がでるかなども気にしましょう。
 
ここでは、頻尿の症状について解説します。

頻尿による夜間の頻尿の症状

寝ている間の時間に1回以上トイレに起きることがあれば、夜間の頻尿といいます。毎日続いたり、2回以上トイレに起きることがあれば睡眠をきちんととれないことにより昼間の注意力が散漫になり、転倒したり仕事の効率が下がったりします。このような場合は、すぐに医師に相談しましょう。
 

頻尿による過活動膀胱の症状

過活動膀胱は、自分の意志とは無関係に排尿筋が収縮して我慢ができない尿意切迫感があり、時には間に合わずに切迫性尿失禁をともなうこともみられます。尿が実際にたまっていないのに排尿感覚が起こる場合は、膀胱の年齢による変化、膀胱を支える骨盤底筋の筋力が下がったり、前立腺肥大症が考えられます。
 
脳卒中やパーキンソン病の既往歴がある場合、後遺症で頻尿になっている可能性も否めません。具体的な原因が分からない場合もあります。症状が続く場合は、医師に相談して正確な診断と治療を受けることが重要です。きちんと診断を受けることで過活動膀胱の改善が期待できます。
 

頻尿による尿失禁の症状

尿失禁は、通常の尿のコントロールが難しくなり、尿が思わず漏れてしまう状態を指します。これは、膀胱の筋肉や尿道の機能が損なわれたり、神経系の問題があったりすると発生することがあります。
 
尿失禁は、それ以外にも口が渇きやすくなったり、血尿が出たりすることもあります。

 
 

頻尿の症状を和らげるためにできること

毎日の生活を見直すことで頻尿は、症状が落ち着く場合があります。日常でできることをまとめました。

ストレスを軽減する

精神的に追い詰められることで、頻尿になる場合があります。自分が夢中になって打ち込めることを見つけて好きなことができる時間を増やしたり、日頃から汗を流す習慣を身につけることで改善できる場合があります。
 

生活習慣を改善する

頻尿は人には相談しにくいデリケートな悩みです。あまりにも気になる場合、現在の自分の生活を記録して少しずつ改善をしていきましょう。例えば食後のお茶を飲む回数を意識し、2杯から1杯にするだけでも変化が期待できます。
 
頻尿と合わせて、排便記録もつけてみるとよいでしょう。便秘の状態というのは、腸が便秘で膀胱を圧迫します。そのため、本来の尿をためる量よりも少なくなり、頻尿の原因となっていることがあります。
 

利尿作用のある飲料を摂りすぎない

一日の間にとる水分の質に気を付けましょう。緑茶やコーヒー、紅茶などは、カフェインなどが多く含まれています。カフェインは中枢神経刺激物質であり、利尿作用があるため、これらの飲み物を摂取すると尿量が増えやすくなります。麦茶や白湯、ハーブティーなどに変更し、様子を見てみるとよいでしょう。
 

定期的な診断と治療を受ける

頻尿に対する不安があることを専門家に相談し、定期的な診断と治療を受けることをおすすめします。病院に通うことで精神的な不安が軽減されたり、他の病気の早期発見にもなるでしょう。
 
医師のもとに通うことで膀胱訓練を教えてもらうこともあります。膀胱訓練とは、膀胱の容量をひろげる訓練で頻尿の改善に役立ちます。尿意を感じ始めてから我慢して、時間を少しずつ伸ばしていくもので過活動膀胱に対しては特に効果がみられます。

 
 

まとめ

今回は、頻尿についての原因と対策を解説いたしました。頻尿は、年齢による身体の変化や病気が原因であるほかに、精神的な不安などが身体にあらわれています。
 
ひどくなると、外出が億劫になるなど日常に支障をきたします。急にトイレに行きたくなる感覚や間に合わないことがある場合、日常での水分摂取量を意識して減らしてみてください。頻尿は多くの人が経験し、どこに相談したらよいか悩む方が多いです。人には相談しにくいからこそ、定期的に医師のもとに診察に通い改善できるようにしていきましょう。


 
 

MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

資格

略歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師
一覧に戻る