混合性換気障害とは?代表的な疾患や検査方法を解説します

  • クリニックブログ
2024/01/05

混合性換気障害とは?代表的な疾患や検査方法を解説します

混合性換気障害と聞いても、どのような障害かイメージしにくいという方も多いのではないでしょうか?
今回の記事では、換気障害の種類や検査、混合性換気障害を起こす代表的な疾患などについて解説します。
 
治療方法や生活する上で注意すべきことなどが知りたい方も、ぜひ参考になさってください。

 

混合性換気障害について

混合性換気障害とは、なにが「混合」している状態なのでしょうか。
まずは、混合性換気障害の概要と、換気障害の種類についてまとめました。

換気障害とは?どのような症状が現れる?

私たちの肺は、吸い込んだ空気から酸素を取り込み、体内から二酸化炭素を排出するという働きをしています。
この酸素と二酸化炭素の交換が、何らかの原因で障害された状態が換気障害です。
この状態になると必要な酸素を十分に取り入れることができなくなり、息苦しさや息切れを感じるようになるでしょう。
 
また、体内の酸素が不十分な状態が続くことで、手足の爪の付け根あたりが徐々に太く変形する「ばち指」が見られる場合もあります。
 

換気障害の検査

換気障害が疑われる場合、呼吸機能検査(スパイロメトリー)という検査を行います。
呼吸機能検査は検査器具をくわえて息を強く吹くなど、検査技師の指示に従って行う検査です。痛みや侵襲がなく、また短時間で行うことができます。
 
呼吸機能検査では、肺に空気を溜める力(肺活量)のほか、空気を吐き出す力(努力性肺活量)などを調べることができます。
MYメディカルクリニックでも呼吸機能検査(スパイロメトリー)を行っているので一度ご相談ください。

 

換気障害の種類

呼吸機能検査の結果によって、換気障害は①閉塞性②拘束性③混合性の3種類に分類されます。
拘束性とは、肺の柔軟性が低下し肺を広げる機能に問題があるために肺が広がらず十分な空気を吸い込めない状態です。
 
一方、拘束性とは気管などが狭くなり吸い込んだ空気を十分に吐き出すことができない状態を指します。
混合性とは、この2種類の障害が同時に起こった状態です。

 
 

混合性換気障害の原因となる病気は?

換気障害は、種類ごとに病気の原因が異なります。
混合性換気障害を引き起こす病気には、どのようなものがあるのでしょうか?
 
いくつかのパターンがあるので、それぞれの特徴を見ていきましょう。

肺結核・じん肺症

肺結核は結核菌によっておこる感染症です。
抗結核薬による治療が可能とされていますが、症状が進行すると肺に細かい穴が開いたような状態になります。
 
また、じん肺症とは長期間にわたり無機物の粉じんを吸い込んだために肺の組織が傷ついて、炎症を起こした肺組織が機能低下を起こす病気です。
肺結核・じん肺症などが進行すると、肺の柔軟性が失われるだけでなく空気の通り道が狭くなり、混合性換気障害を引き起こします。
 

 じん肺症について詳しくはこちら

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慢性閉塞性肺疾患(COPD)

COPDは、長年にわたる喫煙などが原因で気管支・肺胞が炎症を繰り返して機能低下を起こす病気です。
病名にも「閉塞性」とあるように、COPDは閉塞性換気障害を引き起こす代表的な病気といえます。
しかし、COPDの症状が進行することで肺の柔軟性が失われ、拘束性の症状が合併して混合性換気障害になるケースもあります。
 

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)について詳しくはこちら

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閉塞性換気障害と拘束性換気障害の合併症

閉塞性換気障害はCOPD・気管支喘息・気管支炎・肺気腫などが主な原因となります。一方、拘束性換気障害の原因として代表的な病気は、肺結核・じん肺・間質性肺炎などです。
 
このように、単独では閉塞性・拘束性いずれかの状態を引き起こす病気も、それぞれが合併することで混合性換気障害につながります。

 
 

混合性換気障害の治療

換気障害の原因となる病気の中には、状態の改善や根治が難しい病気もあります。
もし混合性換気障害になったら、どのような治療法があるのでしょうか?

薬剤療法

混合性換気障害は原因が多岐にわたるため、治療の基本は原因となる病気の治療・進行抑制となります。
薬を使用する場合、肺や気管支の炎症を抑えることを目的とした抗炎症剤での治療が多いでしょう。
 
また、肺組織が「線維化」という状態に陥って肺の柔軟性が低下している場合は、抗線維化薬と呼ばれる薬を使用する場合もあります。
そのほか、原因となっている病気に治療薬がある場合は、それらの薬も併用することが一般的です。
 

呼吸機能訓練(リハビリテーション)

肺の機能が衰えても、呼吸方法を工夫することで呼吸苦を緩和できる可能性があります。
呼吸のリハビリで行うのは、主に息を深く吸う腹式呼吸の練習や、気道が広がりやすくなる呼吸法の練習などです。
 
リハビリでは呼吸の練習と併せて、運動機能を低下させないための筋力トレーニングのほか、呼吸器周辺の筋肉のストレッチなどを行うこともあるでしょう。
 

酸素療法

体内の酸素濃度が下がると、患者さんが「苦しい」と感じるだけでなく肺や心臓にも大きな負担がかかります。
 
呼吸困難感や身体の負担を軽減するためには、高濃度の酸素を吸入する「酸素療法」も有効です。
酸素療法では、携帯式の酸素ボンベを使用することで外出なども可能です。呼吸の状態により、常に使用が必要な場合と運動時などにする場合があります。

 
 

混合性換気障害といわれたら

肺の病気の中には、経過が慢性的で根治が難しいものもあります。
長く付き合う病気だからこそ、病院での治療だけではなく自宅でもできる悪化予防のための生活改善をしっかり行いましょう。
 
ここからは、患者さん自身ができることについてまとめました。

感染症の予防に努める

呼吸器疾患のある方は、感染症がきっかけで呼吸機能や肺の炎症が急激に悪化する可能性があります。
そのため、手洗い・マスク着用を習慣づけることや、必要に応じて感染症のワクチンを接種することが大切です。
 

禁煙する

喫煙は、肺の組織を傷つけて新たな炎症を起こすだけでなく、新たな呼吸器疾患のリスクを高める習慣です。
症状の悪化や肺機能の低下を防ぐためには、禁煙が強く推奨されます。
 
患者さん自身に喫煙習慣がない場合でも、家族や身近な方が煙草を吸っている場合は受動喫煙をなくすために周囲の協力も必要です。
 

体調管理の徹底

小さな体調の変化が病状を悪化させる感染症の兆候であったり、肺機能障害の進行を知らせるサインだったりという可能性もあるでしょう。
日常生活では規則正しい生活で体調を整え、また体調の変化を感じたときの早期受診を習慣化することが大切です。


 
 

まとめ

混合性換気障害は、拘束性障害と閉塞性障害を併せ持った病態です。
原因疾患は根治が難しいものが多いですが、早期に適切な治療を受けることで、症状を和らげることができるかもしれません。


 

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