寒気がするときの上手な対処法とは?原因や症状などとあわせて解説
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寒気がするときの上手な対処法とは?原因や症状などとあわせて解説
「寒気がする」という表現をよく耳にすることはあっても、具体的にはどのような症状を指すのでしょうか。
寒気だけでなく、他の症状が同時に出現する場合には、医療機関での専門的な診断が重要となります。
この記事では、寒気の原因や症状、そして対処法について紹介していきます。
寒気がする原因
寒気がするとき、多くの方は「寒いからだろう」と考える一方で、実は他にもいくつかの要因が存在します。
特に、「体温の低下」と「精神的な要素」が大きく影響しているといえるでしょう。
体温の低下
寒気は多くの場合、体温の低下に直結しています。
体温の低下は、さまざまな外部および内部の要因によって引き起こされます。
環境的な要因として、寒い天気や、室内での強いエアコンの使用は、私たちの体温を急速に下げます。
また、服装も体温調節に大きな影響を与える要素の一つです。
薄着であれば体が冷えてしまうだけでなく、汗をかいてそのまま冷えた空気に触れるとなれば、体温はさらに急激に下がるでしょう。
また、運動不足も体温の低下と切り離せないものです。
筋肉を動かすことは、血流が良くなり体を温める上で非常に役立ちます。
つまり、筋力が低下すると血行に影響があり、寒気を感じやすくなります。
精神的なストレスや緊張
心の状態も体調や体感に直結し体温調節に影響を与えることがあります。
仕事や人間関係などからくるプレッシャーは、自律神経を乱れさせ、体温調節の機能を不安定にします。ストレスがかかることで体がアラート状態になり、それが体温の変動として現れることも少なくありません。
試験やプレゼンテーションなど緊張を伴う状況では、体が「戦うか逃げるか」のモードに切り替わります。この反応では、体温を一時的に下げ、寒気を感じる場合があります。
また、メンタル的な落ち込みにより体温が下がり、寒気を感じることがあります。
心が体の反応をコントロールし、感情の高ぶりが体温調節に影響を与えるためです。
寒気の症状と特徴
寒気がする場合、それは単に「寒いから」というわけだけではなく、体からの何らかのサインであることもあります。また、その寒気が体調の変化を知らせる重要な指標となることもあるでしょう。
それでは症状例をいくつかご紹介します。
ぞくぞくとした感覚
寒気を感じたときによくある「ぞくぞく」という感覚は、体が「暖まってほしい」と訴えている状態です。この状態が続くと、体はエネルギーを使って暖を取ろうとします。
ぞくぞくとした感覚は、体温を適切に保つための自然な反応です。
体の震えや冷え
寒気が強くなると、手足が震えたり、体が冷えたりします。
特に、手足が震えるのは、血流が不足している症状の一つです。
身体の震えや冷えを伴う寒気がすると、体は内臓に血流を集中させ、末端の血流が減少することがあります。
寒気と同時に発生する症状
寒気だけでなく、頭痛や吐き気、疲れが同時に出る場合は、ただの寒気以上の何かを心配すべきです。
特に、高熱や強い頭痛が伴う場合は、感染症や他の疾患の可能性があるといえるので、医療機関の受診が推奨されます。
寒気を和らげる方法
寒気がするとき、そのままにしておくよりも、何らかの手段を講じることが重要です。
寒気の原因や症状に応じた対策が求められます。
ここでは、寒気を和らげるための具体的な方法をいくつかご紹介します。
体を温める方法
寒気が出たら、まずは体温を上げることが優先です。
電気毛布やこたつも、体温を上げるには有効といえるでしょう。
湿度にも配慮し乾燥を避けることで、体温低下を防ぐことが可能です。
さらに、生姜や唐辛子入りの飲み物、温かいスープなどは体を内側から暖めることができます。
リラックスや休息
ストレスや緊張が寒気の原因である場合、心地よい環境を作ってリラックスすることが大切です。
例えば、好きな音楽を流したり、アロマオイルで部屋を香らせたりすると良いでしょう。
深呼吸や瞑想も、心を落ち着かせる効果があります。
さらに、質の良い睡眠は体調を整える上で欠かせない要素です。
短い仮眠や、リラックスできる場所での休憩も有効だといえます。
特に、ストレスが多い日は、リラックスできるアクティビティや趣味に時間を使うことで、心地よい状態を作り出すことができるでしょう。
また、適度な運動もストレス解消に役立ちます。
ただし、過度な運動は体調を崩す可能性もあるので、バランスを考慮することが重要です。
適切な食事と水分補給
食事と水分は、寒気対策においても重要です。
栄養バランスの良い食事で免疫力を高め、体温を保つためにも水分補給は必須といえます。
特に乾燥する季節には、水分をこまめに摂ることが必要です。
寒気に関するよくある誤解
寒気については、誤解されていることも少なくありません。
ここでは、寒気に関するよくある誤解や疑問について、解説します。
「寒気」と「悪寒」の違い
悪寒は、病気、特に感染症や炎症が関与する場合が多く、高熱などの他の症状がしばしば伴うことがあります。
一方、「寒気」は、主に環境や心理的な要因による症状の一つです。
たとえば寒い場所やストレスが主な原因で、病気とは必ずしも関連していないことがあります。この違いを理解することで、健康状態を評価する際に役立つでしょう。
寒気は必ずしも病気のサインではない
寒気が出たからといって、すぐに病気が疑われるわけではありません。
寒気を感じることは、体温が上昇している最中によく見られる現象で、体が何らかの感染症と戦っているサインであることが多いです。しかし、すべての原因が感染症というわけではありません。
精神的なストレスや緊張により、寒気を引き起こすことがあります。
さらに、更年期障害のようなホルモンバランスの変化も寒気を引き起こす可能性の一つです。
したがって、寒気がするだけで必ずしも病気であるとは限りません。
ただし、寒気が続く場合や他の症状(例えば発熱や咳)と一緒に現れる場合は、医療専門家に相談することをお勧めします。
更年期障害について詳しくはこちら
寒気だけで病院に行く必要はない?
寒気がするだけで必ずしも病気であるとは限らないです。
ただし、寒気が続く場合や他の症状(例えば発熱や咳)と一緒に現れる場合は、医療専門家に相談することをお勧めします。
具体的な原因を特定するためには適切な診断が必要です。
寒気と冷え性の違い
寒気と冷え性は、一見似ているように見えますが、実際には異なる現象です。
冷え性は、「人が寒さを感じない温度でも手足などが冷えてつらいと感じる」状態を指します。主に血流不足が原因で、特に手足が冷たくなる症状が長く続くことが一般的です。実際に体温が低い状態とは違い、触ると冷たいというわけではありません。
一方、寒気は体温調節がうまくいかない時や、ストレスが溜まった際に出ることが多いです。短期間で発生し、全身または特定の部位が冷たく感じられます。
まとめ
寒気は、最初は単なる軽い不調のように感じられることもありますが、背後にはさまざまな要因が影響している可能性があります。
体温の低下から、精神的なストレス、そして潜在的な病気まで、寒気の原因は非常に多岐にわたるものです。
さらに、寒気だけでなく頭痛や吐き気、発熱など他の症状も同時に現れる場合、一層の注意を要します。私たちの体は、何かがおかしいときにさまざまなサインを送るためです。
したがって、もしも体調に何か異変を感じた場合、適切な診断とケアを受けるために、早めに専門家に相談することが極めて重要となります。
健康は最も貴重な資産であり、健康であり続けるためには、自分自身の体のサインを真剣に受け止め、必要なアクションを迅速に取ることが肝要といえるでしょう。
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略歴
- 藤田保健衛生大学医学部 卒業
- 公立昭和病院
- 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
- 北部地区医師会病院麻酔科 科長
- 2016年 MYメディカルクリニック 医師