くしゃみがでる原因やとまらない原因とは?対処法について解説!

  • クリニックブログ
2023/12/18

くしゃみがでる原因やとまらない原因とは?対処法について解説!

「くしゃみ」という症状は軽微な風邪やアレルギーなどで見られる症状のひとつです。
そのためつい、軽視してしまうことがあります。
 
ですが、くしゃみは風邪以外にもさまざまな病気のサインかもしれません。
今回の記事では、くしゃみから予想される病気や対処法について解説していきます。

問診中の女性医師
 
 

くしゃみから予想される疾患は?

くしゃみが出る理由や、くしゃみから予想される疾患について解説します。

くしゃみが出る理由

くしゃみは、ウィルスや細菌、ゴミなどの異物が肺に入るのを防ぐための反応です。
鼻の粘膜に異物がつくと、粘膜の神経から呼吸に使われる筋肉に伝わります。
伝達を受けた筋肉が動き、強く息を吐き出して異物を外に出そうとするのがくしゃみです。

 

くしゃみが出る疾患

次に、くしゃみが出る疾患について、ご紹介します。
 

風邪などのウィルス性疾患

風邪をひくとくしゃみの症状が現れることがあります。
体内に侵入したウィルスに反応し、排除するためにくしゃみがでます。
発熱や腹痛など、くしゃみ以外の症状もみられるのが特徴です。
ほかに、インフルエンザやコロナウィルスが原因の場合も、くしゃみの症状が出ることがあります。

 

アレルギー性鼻炎

花粉症、ハウスダスト、ペットなどのアレルギーが原因でくしゃみが出ることがあります。
連続して出ることが多く、透明で水っぽい鼻水が出たり、目にかゆみが出たりするのが特徴です。
アレルギー性鼻炎には、年間を通して症状が出るものと、特定の季節だけの症状が現れるものがあります。
 

 アレルギー性鼻炎については詳しくはこちら

詳しくはこちら

 

血管運動性鼻炎

暖かい室内から寒い屋外に出たときなどに、くしゃみが出る症状です。
症状がアレルギー性鼻炎と似ているため、寒暖差アレルギーとも呼ばれますが、原因はアレルギーではありません。
本来は、寒い場所では鼻の粘膜の血管が収縮し、暑いところでは拡張するはずですが、この調整がうまくいっていないことが一因とみられています。

 

モーニングアタック

モーニングアタックとは起床直後に、くしゃみや鼻水が出て止まらなくなる症状です。
自律神経の乱れによって起こります。
通常は、日中には交感神経が優位に働き、血管の収縮によってくしゃみを抑え、夜は、副交感神経が優位になり、血管が拡張します。
しかし、自律神経が乱れていると、朝目覚めたときに、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかずに、くしゃみの症状が出やすくなります。
 

刺激物質でくしゃみが出る

小さなゴミやホコリが鼻粘膜を刺激して、くしゃみが出ることがあります。
異物の侵入を防ぐための身体の反応ですので、病気ではありません。
香料やタバコなどの煙、調味料に反応することもあります。

 
 

くしゃみを止めたい!そんなときは?

くしゃみは、異物を排出するための反応であり、反射的に出るため、自力で制御するのが難しいものです。
ですが、とまらないくしゃみを何とかしたいと感じることもあるでしょう。
くしゃみが止まらないときの対処法について、症状別にご紹介します。

風邪でくしゃみが出るとき

原因である風邪を治すことが大切です。
風邪の回復には、栄養と睡眠をたっぷりとることが重要です。
 
休養する際には、室内の温度や湿度にも気を配りましょう。
鼻粘膜が冷たい空気や乾燥で刺激されると、くしゃみが出やすくなります。
 
安静にしていれば、風邪は治りますが、つらい症状や不調が長く続くようであれば、病院を受診しましょう。

 

アレルギーが原因でくしゃみが出るとき

ハウスダストやダニが原因の場合は、こまめな掃除や換気が必要です。
寝具にもアレルギーを引き起こす物質が付着しますので、日光に当てるようにして干しましょう。
 
花粉が原因の方は、マスクを着用して、体内に花粉が入るのを少しでも防ぎましょう。
花粉は衣類にも付いていることがありますので、外から帰ってきたら、衣類についた花粉を落とすようにしてください。
ペットアレルギーがある方は、寝室などペットを入れない空間を設けるとよいでしょう。
 

血管運動性鼻炎(寒暖差アレルギー)でくしゃみが出るとき

寒暖差で起こる血管運動性鼻炎にも、マスクで対策をするとよいでしょう。
冷たい空気が鼻や喉に入るのを防いで、刺激をしないようにします。
また、ストールや脱ぎ着がしやすい上着を用意するなどして、室内と外で、身体に感じる温度差が極力少なくなるように心がけましょう。

 

モーニングアタックでくしゃみが出るとき

朝目覚めて布団から出る前に、指を動かすなどの刺激を身体に与えてください。
副交感神経から交感神経への切り替えを促すためです。
また、寝るときの室温を暖かく保ち、湿度も高い状態にしておくと、より効果的です。

 

くしゃみを我慢して口をふさぐと危険

くしゃみを止めたいからといって、鼻と口を押さえて無理にとめようとするのは危険です。
実際に、くしゃみを止めようとして鼻と口を押えたことで、喉に穴が開いてしまったイギリス人男性の症例が報告されています。
くしゃみは身体にとって必要な反応ですので、無理に止めようとしないようにしましょう。
対策をしても改善しない場合や、日常生活に支障が出るほど辛い症状が続く場合には、病院を受診しましょう。

 
 

くしゃみに対する検査はある?

発熱等の風邪症状がなく、長期に渡ってくしゃみが出続けている場合は、病院で検査することをおすすめします。
検査によって、アレルギー性であるかどうか、アレルギー性であった場合にはアレルギー物質は何かを調べることができます。
主な検査方法は、次の通りです。

鼻汁好酸球検査

鼻水の中に、好酸球がどの程度存在するかを調べる検査です。
好酸球は白血球のうちのひとつで、アレルギーがあると現れます。
綿棒で鼻水を摂取するだけなので、痛みもないのが利点です。
ただし、アレルギーの有無は調べられますが、アレルギー物質の特定はできません。
 

血液検査(特異的IgE抗体検査)

血液を採取し、アレルギーの原因物質に対するIgE抗体があるかを調べることで、原因物質を特定する検査です。
花粉やハウスダスト、ダニ等の原因物質を特定することができれば、具体的な治療方針や日常生活の対策もわかります。
多種の原因物質に対して、一度の血液検査で調べられるのが利点で、検査から1週間程度で結果が出ます。

 

皮膚テスト

アレルギーの原因物質を皮膚につけて、反応を調べる検査です。
少量の原因物質を針で皮膚につけて、15分後の反応で判断します。
血液検査と比べて、早く結果が出るのが利点です。
 
ただし、アレルギー治療薬を服用していると、正確な結果が出ないことがありますので、検査前に一旦、薬の服用を中断する必要があります。

 
 

くしゃみだけなら耳鼻科へ

くしゃみの症状がひどい場合には、病院を受診してください。
くしゃみのほかに、発熱や腹痛、全身の倦怠感などがある場合には、内科を受診し、全身症状が見当たらない場合には、耳鼻科を受診するとよいでしょう。
耳鼻科のアレルギー性鼻炎の治療は、主に薬物療法、レーザー治療、舌下免疫療法です。
薬物療法は、飲み薬や点鼻薬でくしゃみや鼻水の症状や鼻づまりの改善をはかります。
 
薬物療法で効果が出ない場合は、レーザーで鼻の粘膜の浅い部分を焼いて、症状を抑えていきます。
ただし、レーザー治療の効果が続くのは、1年~2年程度となり、根治を目指す治療ではありません。
血管運動性鼻炎にも、レーザー治療は有効です。
また、スギ花粉やダニアレルギーが原因の場合に限り、舌下免疫療法という治療法があります。
毎日、薬を舌の下に投与することで、根治を目指すものですが、最低でも2年は月に1回通院する必要があります。

 
 

まとめ

くしゃみが出る原因や、考えられる疾患について解説しました。
くしゃみは、よくある症状でもありますが、その原因となる疾患はさまざまです。
アレルギーなどでお悩みの方は一度、当院までお越しください。


 

 アレルギー外来については詳しくはこちら

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MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

資格

略歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師
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