食生活の見直しをしてみませんか?

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2023/08/30

食生活の見直しをしてみませんか?

今年の夏は記録的な猛暑が続き、夏バテで思うように食事が摂れていない方や、ついつい冷たい飲み物やアイスに手が伸びてしまった、お盆休みで親戚と集まりいつも以上に食やお酒が進みすぎてしまったなど食生活の乱れについて思い当たる方も多いのではないでしょうか。

 

近年、働き盛りの男性の肥満者の増加や若い女性のやせ(低体重)が指摘されています。
肥満は糖尿病・脂質異常症・高血圧・痛風(高尿酸血症)・虚血性心疾患・脳血管疾患などの生活習慣病のリスクとなる他、やせ(低体重)についても無月経や低血圧、不整脈、低出生体重児出産、高齢での虚弱・要介護と関連があると言われています。これらを予防するためには、適切な運動習慣、休養、禁煙、リスクの高い飲酒の減少とともに食習慣が大切です。

 

厚生労働省は毎年9月1日~30日までの1か月間を「健康増進普及月間」と「食生活改善普及運動」の期間として全国で普及啓発活動をしています。
これから秋を迎え食への関心が高まる時期ですが、今後も健康で長生きするためにもこれを機に食生活の見直しをしてみませんか?

 

令和5年度の食生活改善普及運動では、「食事をおいしく、バランスよく」を基本テーマとしています。栄養の偏りや不足が起こらないよう、下記のポイントを押さえて食生活の見直しを行っていきましょう。

 

①主食・主菜・副菜をそろえてバランスの良い食事を


 
忙しいときはさっと食べられるパンやおにぎり、丼ものや麺類で済ませてしまう方も多いかもしれませんが、なるべく主菜・副菜もそろった定食スタイルのごはんを選ぶようにしましょう。丼ものやパスタなどの単品メニューばかりの場合は、炭水化物や脂質の摂取量が多くなり、逆にたんぱく質や野菜などが不足しがちです。たんぱく質やビタミン、ミネラルの摂取量が少なくなることで筋力低下や代謝が悪くなることで肥満や貧血、疲れやすくなるなど体の不調にもつながります。コンビニなども活用してうまく主菜や副菜を補っていきましょう。
 

②毎日野菜を+1皿


 
大人が1日に必要な野菜の摂取量は350gが目安です。
サラダや煮物、おひたし、具沢山の汁物などから1皿70gを目安に1日5皿を食べるようにしましょう。

 

③おいしく減塩1日マイナス2g


 
日本人の食事摂取基準では成人男性7.5g/日、成人女性6.5g/日が塩分摂取の目標量です。
加工食品や外食などの影響もあり塩分の摂取量が増えていますので、現在の摂取量から-2gを目標に減塩に取り組みましょう。
調理の際はだし・柑橘類・香辛料を使用して減塩に取り組みましょう。
なるべく加工食品や外食を控え、外食をする際は栄養表示を確認して目標量を超えないように意識していきましょう。
 
カップラーメンやラーメン、うどんは塩分が5~7gほど含まれているものが多く、スープまで飲むと1食で目標量を超えてしまいます。
減塩のためにもスープはなるべく残すように心がけましょう。
また、和食は主菜や副菜もあり栄養バランスとしては良いですが、煮物や漬物、汁物などで塩分が多くなりやすいため、
刺身醤油は少な目にする、漬物や佃煮などは量に注意する、具沢山の味噌汁にするなどの工夫ができると良いですね。
 

④毎日のくらしwithミルク


 
カルシウムは豆腐や海藻類、野菜、小魚などにも含まれているため、3食の食事をバランスよく食べたうえで、牛乳や乳製品も摂取をしていきましょう。
牛乳が苦手な方はチーズやヨーグルトなどの摂取もお勧めです。
乳脂肪分が気になる方は低脂肪のものやギリシャヨーグルトなどを選ぶこともお勧めです。
カルシウムはたくさん摂り過ぎるとマグネシウムとのバランスが崩れてしまうため、1日に牛乳なら200ml(コップ1杯)程度、ヨーグルトなら100g×2個、チーズならスライスチーズ2枚やチーズ2かけ程度を目安に摂取しましょう。

 

食事バランスガイド

具体的に1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかイメージがつきにくい方は食事バランスガイドや食事管理アプリなどを利用して1日の食事内容を見直しすることもお勧めです。
 

「食事バランスガイド」厚生労働省、農林水産省

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou-syokuji.html

 

また、塩分量や野菜の摂取量などが厚生労働省のスマートライフプロジェクトのページにも詳しく記載がありますので、ご参照ください。

https://www.smartlife.mhlw.go.jp/event/disease/nutrition/

 

仕事や家事、育児など忙しい日々を送っていると食事バランスをつい疎かにしがちですが、これからの季節は気温の変化もあり体調も崩しやすい時期ですので、将来的な病気の予防も含めて、普段よりも少し食事に気を付けて過ごしてみてはいかがでしょうか?
 
 
〈参考文献〉
①「日本人の食事摂取基準」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html
②「食事バランスガイド」厚生労働省、農林水産省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou-syokuji.html
③厚生労働省「スマートライフプロジェクト」
https://www.smartlife.mhlw.go.jp/event/disease/nutrition/
④eヘルスケアネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-006.html
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-001.html

 

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