緑内障とは?原因、症状、治療法について解説

  • クリニックブログ
2023/07/10

緑内障とは?原因、症状、治療法について解説

緑内障とは

緑内障は、眼球内の圧力が高くなることで視神経が損傷し、視野が狭くなっていく病気です。緑内障は進行性の病気であり、治療をしないと徐々に視野が失われていき、最悪の場合には失明に至ることもあります。
  
緑内障には、開放隅角型緑内障と閉塞隅角型緑内障の2種類があります。開放隅角型緑内障は、徐々に進行し、最初の症状はほとんどありませんが、閉塞隅角型緑内障は、突然起こり、強い痛みや視覚障害を引き起こすことがあります。開放隅角型緑内障と閉塞隅角型緑内障は、緑内障の主なタイプの一つであり、病態や発症メカニズムが異なります。開放隅角型緑内障は、徐々に眼圧が上昇し、視神経がダメージを受けることで発症し、症状が進行すると、視野が狭くなり、失明することがあります。このタイプの緑内障は、年齢や遺伝などの要因によって発症することが多く、初期症状が軽く、病気の進行が遅いため、検診を受けることが重要です。
  
一方、閉塞隅角型緑内障は、瞳孔が開くときに、虹彩が眼角と接触して眼房の水の流れが阻害され、眼圧が急激に上昇することで発症します。症状は突然現れ、激しい眼の痛みや吐き気、嘔吐などが現れます。このタイプの緑内障は、急性の発作として現れ、緊急性が高いため、速やかな治療が必要です。
これらの違いから、緑内障の検査で眼圧測定や眼底検査の他に、瞳孔拡張検査や視野検査、眼角の形態を観察する隅角鏡検査などが行われます。治療についても、開放隅角型緑内障は点眼薬や手術、閉塞隅角型緑内障は緊急性が高いため、瞳孔を収縮させる点眼薬やレーザー治療が行われます。

緑内障の原因は

緑内障は、眼球内の圧力が高くなり、視神経がダメージを受けることで発症します。一般的に、眼球内の房水という液体が正常に流れなくなり、圧力が上がることが原因とされています。この圧力の上昇には、房水の産生量が増えたり、排出経路が詰まったりすることが関係しています。緑内障には、一次緑内障と二次緑内障の2つのタイプがあります。
  
一次緑内障は、圧力の上昇原因が明確ではなく、高齢者に多く見られます。二次緑内障は、糖尿病や近視、眼球外傷などの病気や状態が原因となり、あるいは薬剤の副作用などが原因となる場合があります。緑内障は、初期症状がなかなか現れないため、定期的な検診が重要です。

  

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緑内障の検査方法と診断

緑内障の検査には、以下のような項目があります。

①眼圧検査

眼圧を測定することで、緑内障の可能性を判断することができます。通常は、眼圧計と呼ばれる機械で測定します。

  

②視野検査

視野検査は、視野の狭窄があるかどうかを調べるための検査です。緑内障の場合、視野が狭くなっていく傾向があります。この検査は、自動周辺視野検査機などを使用して行われます。

  

③眼底検査

眼底検査では、眼底を観察することで、視神経の状態や緑内障の進行度を評価することができます。瞳孔拡大剤を使用することで、より詳細に眼底を観察することができます。

  

④角膜厚測定

角膜の厚さを測定することで、眼圧の測定値を正確に評価することができます。

  

⑤オクト検査

オクト検査は、眼の中の構造を高解像度で観察することができる検査です。緑内障の場合、視神経や網膜の変化を観察することができます。

  

これらの検査を総合的に評価することで、緑内障の診断や進行度を評価することができます。

緑内障の治療方法

緑内障の治療には、以下のような方法があります。

①点眼薬

点眼薬は、眼圧を下げる効果があり、緑内障の進行を抑えることができます。種類によっては、副作用や効果の減退があるため、医師の指示に従い正しく使用する必要があります。

  

②手術

点眼薬の効果が不十分な場合や、緑内障が進行している場合は、手術が必要となる場合があります。手術には、レーザー手術や手術器具を使った手術などがあります。

  

③生活習慣の改善

緑内障の進行を遅らせるために、生活習慣の改善が必要です。禁煙や適度な運動、塩分の摂取量の制限などが挙げられます。

  

緑内障は、発症初期に症状がなかなか現れず、進行すると視野が狭くなったり、失明したりすることがあります。早期発見と正しい治療が必要です。定期的な眼科の検診を受けることが大切です。

  

緑内障の予防方法

緑内障の予防には、以下のような方法があります。

①定期的な眼科検診

緑内障は、発症初期に症状がなかなか現れないため、定期的な眼科検診を受けることが重要です。検診によって、早期発見・早期治療することができます。

  

②健康的な生活習慣の維持

緑内障は、高血圧や糖尿病、高脂血症など、生活習慣病と関連があります。健康的な食生活や適度な運動、禁煙など、健康的な生活習慣を維持することが予防につながります。

  

③眼の負担を減らす

パソコンやスマートフォンの使用時間を減らし、適度な休憩を取ることが予防につながります。また、紫外線対策も重要です。

  

④ストレスの軽減

ストレスは、眼圧を上昇させる原因になることがあるため、ストレスを軽減することが予防につながります。

  

緑内障は、予防が難しい病気ですが、定期的な検診や健康的な生活習慣の維持、眼の負担を減らすことが予防につながります。早期発見と正しい対策が、失明を防ぐことにつながります。

  

まとめ

緑内障は、眼圧の上昇によって視神経が損傷する病気で、進行すると視野が狭くなったり、失明することがありますが、発症初期に症状がなかなか現れないため、定期的な眼科検診を受けることが大切です。 
緑内障の治療には、点眼薬や手術、生活習慣の改善があります。点眼薬は、眼圧を下げる効果があり、緑内障の進行を抑えることができます。手術は、点眼薬の効果が不十分な場合や、緑内障が進行している場合に行われます。生活習慣の改善には、禁煙や適度な運動、塩分の摂取量の制限などが挙げられます。
  
緑内障の予防には、定期的な眼科検診、健康的な生活習慣の維持、眼の負担を減らすこと、ストレスを軽減することが重要です。緑内障は、予防が難しい病気ですが、早期発見と正しい対策が、失明を防ぐことにつながります。
 
緑内障は、発症初期には症状がなく、進行すると視野が狭くなったり、失明することがあるため、注意が必要です。緑内障は、加齢や遺伝、生活習慣病との関連があるため、予防には、定期的な検診や健康的な生活習慣の維持が重要になりますので、不安に感じられている方はぜひ検診を受ける事をお勧めします。

 

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MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

資格

略歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師
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