下肢静脈瘤とは?原因、症状、治療法について解説

  • クリニックブログ
2023/05/10

下肢静脈瘤とは?原因、症状、治療法について解説

下肢静脈瘤って何?

私たちの体にある血管は大きく分けて動脈と静脈に分かれています。

動脈は心臓から押し出された血液を体のすみずみに送り出す血管で、酸素や栄養が豊富です。静脈は体中の二酸化炭素や老廃物などをきれいにするための臓器(肺・腎臓・肝臓など)に運び、再び心臓に戻っていく際に通る血管です。
静脈の血液は筋肉のポンプ作用などによりゆっくり流れていて、低い圧力でも心臓に向かって一方向に流れるように「静脈弁(逆流防止弁)」が備わっています。

この「静脈弁」が壊れて逆流し静脈に血液が溜まったままになる→静脈が太くなっていく
→さらに太くなり静脈が曲がりくねってしまう状態を下肢静脈瘤といいます。
下肢静脈瘤は見た目の問題だけではなく、二酸化炭素や老廃物が溜まったままになってしまったり静脈内の圧力が高くなり炎症を引き起こしてしまったりと様々な症状を起こしてしまいます。
脚


静脈瘤の種類
① クモの巣状静脈瘤:皮内の毛細血管の拡張したもので、青色に見える
② 網目状静脈瘤:皮膚下の細い静脈が拡張した状態で、静脈瘤の中で多いタイプで赤く見える
③ 伏在静脈瘤:本幹や主要分枝の拡張したもの
④ 側枝静脈瘤:伏在静脈から分かれた血管の交通枝が拡張したもの

下肢静脈瘤の原因って?

足の静脈弁が壊れて逆流が起こす関連因子として、
・長時間の立ち仕事、座りっぱなしの仕事
・妊娠・出産の経験ある女性
・肥満、加齢、遺伝

などがあげられます。

下肢静脈瘤の症状って?

無症状のこともありますが、足のむくみ・痛み・だるさ(重さ)・かゆみ・色素沈着などを訴える方が多いです。ひどくなると湿疹や皮膚が破れて潰瘍などができる場合もありますが、命に関わる重篤な疾患というよりは見た目の問題で治療を受けられる場合が多いです。
必ずしも拡張の度合いと症状が一致するとは言い切れません。

下肢静脈瘤の検査や診断について

血管外科・心臓血管外科、もしくは下肢静脈瘤専門などの病院で診療していることが多いです。(病院により皮膚科や形成外科などでも行っている施設もあります)
まずは医師が視診・触診にてむくみや変色・痛みの有無、下肢静脈瘤の場所や状態などを確認します。その後より詳しく下肢静脈瘤の原因がどこにあるのか?静脈の太さや逆流の程度を調べるために超音波検査等を行います。診断の結果により治療方法を患者さんとじっくり話し合って決めます。
診察

下肢静脈瘤の治療は?

・圧迫療法:治療用の弾性ストッキングを履くことによって、血液の逆流やうっ滞を防ぐ方法です。足首の圧力が最も強く心臓に向かうほど弱くなる設計になっています。足のむくみやだるさなどが軽減される手軽な方法ですが、根本的に静脈瘤を消失させることはできません。重症の方には手術と併用して行います。

・ストリッピング手術:局所麻酔後に皮膚を小さく切開し、拡張や瘤化した静脈を引き抜く術法です。再発率も低く、日帰りや1泊での手術が可能と言われています。


・高位結紮術:静脈瘤のできている部位によりますが、逆流をしている静脈を逆流しないように縛ります。弾性ストッキングを履くことによって、再発防止になります。


・血管内治療:患部の高周波(ラジオ波)またはレーザーを使用する「血管内焼灼治療」や静脈瘤に硬化剤を注射して固める「硬化療法」は、低侵襲で日帰り手術が可能と言われています。


または静脈瘤のタイプによってこれらを組み合わせる治療もあります。
治療にはメリットや注意が必要な場合があり費用も異なるので、静脈瘤のタイプや患者さんの既往歴などを総合的に判断して治療の選択を行います。

下肢静脈瘤の予防方法は?

静脈弁が壊れて重力に逆らって心臓に戻れなくなるのを防ぐために日常生活では、下記に気を付けることで、進行を遅らせることや予防にも効果的です。

・適度な運動やマッサージで血流をよくする。
 寝た状態で両足を上に上げブラブラさせる、座ったままでつま先を上げ下げする、ふくらはぎマッサージ(下から上に向かってさする)、お風呂でのマッサージなど


・長時間の立ち仕事や座りっぱなしを避ける。
 仕事などで避けられない場合もかかとの上げ下げや足踏みなどで、血液がうっ滞するのを防ぐ効果があります。


・足枕などしてを足を高くして寝る
足枕


・バランスのとれた食生活で肥満や脂質異常を予防する


・弾性ストッキングを履く

まとめ

生命に関わるような重篤な場合は少ないですが一度なってしまうと自然に治癒することはなく時間とともにゆっくり悪化していく厄介な疾患のため、予防することや進行を遅らせることが大事です。(進行速度に個人差はあります)

また静脈瘤と似たような疾患(皮膚病、閉塞性動脈硬化症、血管性静脈炎など)もあるためしっかりと診断してくれる専門医が在籍していることや、治療の方法も多くあり適した患者さんが異なるため静脈瘤のタイプや患者さんの年齢・既往歴・費用などを考慮した上で最適な治療方法を選択できる専門機関を探すことも必要です。

当院では腹部造影CT検査や腹部超音波検査といった画像検査や血液検査などをうけることができますので、ご心配な方は一度ご相談ください。

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MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

体調がすぐれないときだけでなく、皆様が一生健康で暮らせるよう、普段の生活から見直していくきっかけをご提供します。都内で仕事を頑張っていらっしゃる方々の憩いの場として、愛されるクリニックになれるようスタッフ一同精進してまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

学歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師

資格

  • 麻酔科標榜医
  • 日本医師会認定産業医

専門

麻酔・救急・内科/外科全般

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