逆流性食道炎とは?原因、症状、治療法について解説

  • クリニックブログ
2023/04/05

逆流性食道炎とは?原因、症状、治療法について解説

MYメディカルクリニック大手町 常勤医 高尾 公美

胸が焼ける感じがしたり、酸っぱいものが上がってきたり、食後にみぞおちあたりが痛いと感じたことはありませんか?
それは逆流性食道炎が原因かもしれません。
 
逆流性食道炎は、食べ過ぎや早食い、食べてすぐ寝たりと日々の行動が原因で発生します。
 
今回はそんな「逆流性食道炎」についてMYメディカルクリニック大手町・常勤医師の高尾医師が消化器内科の専門医として解説していきます。
症状や治療方法についても解説していくので、ぜひ最後までご覧ください。

逆流性食道炎って何?

ここでは、逆流性食道炎の意味、原因・誘因、症状について解説していきます。
 

逆流性食道炎とは

逆流性食道炎とは胃から食道に胃酸が逆流することにより引き起こされる食道粘膜障害と、それに伴う症状のいずれかまたは両者を引き起こす病気です。
 
逆流性食道炎と類似した用語に胃食道逆流症があります。
胃食道逆流症(Gastroesophageal reflux disease:GERD)は、胃の内容物が食道へ逆流して起こる病気の総称です。
 
そして内視鏡検査を行い、食道炎が認められれば「逆流性食道炎(Reflux esophagitis)」と診断され、食道炎が認められなければ「非びらん性胃食道逆流症(non-erosive reflux disease:NERD)」と診断されます。
 
一般には胃食道逆流症と逆流性食道炎は同じ意味で用いられておりますが、本記事では逆流性食道炎を以下のように分類します。
 

  • ●食道粘膜障害を有する「びらん性逆流性食道炎(Gastroesophageal reflux disease;GERD)」
  • ●症状のみを認める「非びらん性逆流性食道炎(non-erosive reflux disease;NERD)」

 
逆流性食道炎の症状は、胃酸の逆流による胸やけや呑酸(どんさん)症状(口の中に苦みを感じること)です。
この症状はとても強く、逆流性食道炎のある方のQOLに大きく影響します。
 
例えば食事が十分に楽しめない、ぐっすりと眠れない、仕事がはかどらないといったケースなどです。
強い症状のある方のQOLは、軽度の心不全、狭心症、十二指腸潰瘍のある方のQOLよりも低いといわれています。
 
日本人のびらん性逆流性食道炎の有病率は10%程度と推定されており、決して珍しい病気ではありません。
そのうちロサンゼルス分類でgradeC・Dの重症例は、びらん性逆流性食道炎の3%のみと報告されています。
 
日本の外来における内視鏡検査でのびらん性逆流性食道炎の有病率は、1980年代には1.6%でしたが、1990年の後半から増加し、2000年代には13.1%まで増加しています。
 
また検診時に逆流性食道炎の症状を見た割合も、1990年代には10.3%でしたが、2000年半ばには18.9%まで増加しています。
このことから日本人の逆流性食道炎の有病率は増加していると考えられます。
 
非びらん性逆流性食道炎は、びらん性逆流性食道炎に比べ、女性に多く、ヘルニアの合併は少なく、体重が軽い人が多い傾向があることが特徴です。
 

逆流性食道炎の原因・誘引

胃の壁は胃酸が直接触れないように粘膜で守られていますが、食道は胃酸に対する抵抗性が低いため、胃から胃酸が逆流すると食道に傷が付いてしまいます。
 
食道と胃のつなぎ目に下部食道括約筋(LES)という筋肉があり、食物が通過するとき以外は胃の入り口を締めて胃内容物が食道に逆流しないように働いています。この筋肉が一過性に緩むことで胃酸の食道への逆流が生じるようになります。
 
下部食道括約筋が緩む原因としては加齢による変化、高脂肪食、胃内圧の上昇(暴飲暴食)、腹圧の上昇(肥満、衣類による締付け、前かがみの姿勢、妊娠)などがあります。
 
また食道裂孔ヘルニアも大きな原因です。
横隔膜という胸部と腹部を隔てる境界となっている筋肉があり、横隔膜には血管や食道などが通る穴が空いています。
このうち、食道が通る穴を食道裂孔と呼びます。
食道裂孔から腹部にあるはずの胃の一部が横隔膜の上に飛び出してしまうことが食道裂孔ヘルニアです。
食道裂孔ヘルニアがあることで、胃酸の逆流を防止する仕組みがうまく働かなくなり、食道への胃酸逆流が生じてしまいます。
 
また、非びらん性逆流性食道炎は胃酸の逆流以外にも

  •  ①十二指腸液や空気の逆流
  •  ②胃酸逆流に対する食道の知覚過敏
  •  ③胃酸逆流が関与しない食道の運動機能異常

が関与しているとされています。
 

診察をする高尾医師

食べすぎ・早食い

食べすぎでは、多くの食べものと空気が胃の中に入るため、食道と胃のつなぎ目にある噴門が一時的に開いて、空気や胃酸が逆流します。
 
また早食いでは、よくかまずに食べるため、食べ物と一緒に多くの空気を飲み込みます。
したがって食べすぎと同じ病態から、逆流が起こるのです。
 

食べてすぐに横になる

食後すぐに横になってしまうと、逆流した胃酸に重力がかからず、食道内から胃の中へ移動しなくなって、食道内に長い間残留してしまい、逆流性食道炎が起こりやすくなります。
 
ことわざで「食べてすぐ横になると牛になる」といわれますが、これはお行儀の問題だけではなく、逆流性食道炎にも関係しているわけです。
 

高脂肪食・アルコール・喫煙

高脂肪食をとるとコレシストキニンというホルモンが分泌され、噴門が開いて胃酸が逆流しやすくなり、逆流性食道炎が起こります。
 
また、アルコールや喫煙も逆流性食道炎を引き起こす要因の一つです。
 

前かがみ姿勢

庭仕事のような前かがみ姿勢は、おなか全体を圧迫するため、胃酸が逆流する可能性が高いです。
 
またおなかに力を入れて仕事をする方、ベルトや帯でおなかをきつく縛る方も、おなかが圧迫されるため胃酸が逆流します。
 

肥満や加齢

内臓脂肪がたまる肥満の方、加齢で腰が曲がっている方、妊娠している方は、胃が圧迫されるため、胃酸の逆流が起こります。
 
びらん性食道炎のある方は、そうでない方と比べると、BMIが優位に高いとする報告が見られます。
このようにいろいろなことが原因となって胃酸が食道へ逆流し、逆流性食道炎が起こるのです。
 

ピロリ菌感染率の減少

最近の日本人は、食生活の欧米化、胃酸を分泌する能力が高くなったこと、ピロリ菌の感染率が低下して胃酸が活発に出る元気な胃を持つ方が増えたことで、胃食道逆流症が増加したといわれています。
 
それにつれて逆流性食道炎も増えていると考えられます。
 

薬で悪化することもある

逆流性食道炎は、ある種の薬を飲むと悪化することが分かっています。
例えば以下のような薬です。
 

  • ●高血圧の薬であるカルシウム拮抗薬
  • ●狭心症の薬である亜硝酸剤
  • ●更年期障害で使われる女性ホルモン

 
これらの薬は下部食道括約筋を弛緩させるため、胃酸の逆流現象が起こりやすくなります。
 
また抗コリン作用のある薬は、おなかの働きを悪化させます。
 

難治性の逆流性食道炎の原因

プロトンポンプインヒビター(PPI)を使って治療しても、なかなか症状が改善しない難治性の逆流性食道炎の原因は以下のとおりです。
 

  • ●胃酸分泌抑制が不十分
  • ●胃酸以外の逆流が関係している
  • ●逆流と症状の関連を認めない機能性の胸やけ
  • ●好酸球性食道炎
  • ●食道運動障害
  • ●心理的要因

 

逆流性食道炎の症状

逆流性食道炎の典型的な症状は、胸やけと呑酸症状です。
 
胸やけはみぞおちから前胸部にかけての灼熱感、呑酸症状は口の中に苦みを感じます。
それ以外にも、慢性のせきが見られることがあります。
 

セルフチェックシート

逆流性食道炎でよく見られる症状をチェックリストにしました。
逆流性食道炎の初期診断、治療の効果判定に有効です。
どのくらい当てはまるかセルフチェックしてみてください。
 

  • ●胸やけがする
  • ●すっぱいものがこみ上げてくる
  • ●ものを飲み込むときにつかえる
  • ●食べすぎたり、油っこいものを食べたりすると不快感がある
  • ●食後に胃が張る
  • ●胃の調子が悪く食欲がない
  • ●喉がイガイガしてせきが出る
  • ●睡眠中にせきが出て目覚めることがある
  • ●急に声がかすれる

 

せきを起こす胃食道逆流症

呼吸器疾患などの明らかな原因がない慢性のせきの原因として、食道内への胃酸の逆流が原因の一つである可能性が指摘されています。
胃食道逆流症状で受診した6,215名のうち、13.0%に慢性のせきが見られたという報告があります。
 
また逆流性食道炎に対する生活指導や酸分泌抑制薬による治療で、慢性のせきが改善したという報告もありますが、有効性に一定の傾向は認められていません。
 
出典:日本医科大学消化器内科学 「他領域からのトピックス」胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/119/10/119_1273/_pdf
 

逆流性食道炎の合併症

逆流性食道炎の合併症には、バレット食道、慢性咽喉頭炎・咽喉頭症状、睡眠障害、歯の酸触症があります。
 

バレット食道

食道への胃酸逆流の影響でバレット食道が生じることがあります。
食道の粘膜は扁平上皮という粘膜で覆われていますが、胃や腸は円柱上皮という粘膜で覆われています。
 
バレット食道とは、食道下部の粘膜が胃酸の逆流により炎症を繰り返すことで細胞が変性し、円柱上皮に置き換えられている状態をいいます。
 
バレット食道は、程度により全周性に3cm以上の円柱上皮を認めるlong segment Barrett’s esophagus(LSBE)、3cm未満または非全周性に円柱上皮を認めるshort segment Barrett’s esophagus(SSBE)に分類されます。
 
バレット食道は食道腺がんの発生母地となることがあります。
LSBEからの食道がんの発生率は年率0.5~1.2%程度といわれています。
SSBEについては日本人のデータははっきりと示されたものはありませんが、非常に低いと予想されます。
 
日本人の食道がんの多くは扁平上皮がんであり、腺がんは少ないものの、近年は増加傾向にあります。
LSBEを指摘された方は、年1回の内視鏡検査でのフォローが推奨されます。
 
 

 バレット食道について詳しくはこちら

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慢性咽喉頭炎・咽喉頭症状

びらん性逆流性食道炎は、非びらん性逆流性食道炎と比較すると、咽喉頭炎の合併が多いとの報告があります。
 
プロトンポンプインヒビター(PPI)により、慢性咽喉頭炎・咽喉頭症状が改善するかどうかは、確定していない状況です。
 

睡眠障害

逆流性食道炎がある方は、横になると胃酸が逆流しやすいため、睡眠中に症状が強くなり、睡眠障害を起こすことがあります。
 

歯の酸触症

細菌が関係していない酸で化学的に歯が溶解されることです。
 
 

逆流性食道炎の検査や診断について

逆流性食道炎の検査や診断には、上部内視鏡検査、PPIテストが行われます。
 

上部内視鏡検査

症状から逆流性食道炎を疑った場合の検査として上部消化管内視鏡検査があります。
 

診察をする高尾医師

内視鏡検査はスコープという細い管を鼻や口から挿入し、食道・胃・十二指腸を観察する検査です。
びらん性逆流性食道炎があるのか、食道裂孔ヘルニア、バレット食道の所見はあるのか、胃潰瘍など他の疾患の可能性についても鑑別が可能であり、非常に有用な検査です。
 
 

逆流性食道炎の検査についてはこちら

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逆流性食道炎の分類

びらん性逆流性食道炎の食道粘膜障害の評価にはロサンゼルス分類が広く使用されています。
グレードN、M、A、B、C、Dで評価され、胃酸の逆流の程度、治療の反応性と相関が示されています。
しかし内視鏡上の重症度分類と症状は一致しないこともよくあるため注意が必要です。
 

  • ●グレードN:食道に変化を認めない
  • ●グレードM:粘膜の白苔、発赤などの色調の変化を認める
  • ●グレードA:長径が5mmを超えない粘膜障害を認める
  • ●グレードB:少なくとも1カ所の粘膜障害が5mm以上あり、別の粘膜ひだ上の粘膜障害が互いにつながっていない
  • ●グレードC:別のヒダ上の粘膜障害がつながっているところがあるが、全周の75%を超えない
  • ●グレードD:全周の75%以上の粘膜障害を認める

 
 

 消化器検査の結果の見方についてはこちら

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PPIテスト

高用量のプロトンポンプインヒビター(PPI)を短期間使用することにより、症状が改善するかどうかを見るのが「PPIテスト」です。
 
PPIテストでのびらん性逆流性食道炎の感度は74%、非びらん性逆流性食道炎の感度は66%と報告されており、初期診断に有用と思われます。
 
内視鏡設備を持たない医療機関においては、PPIテストを用いて臨床評価を行い、逆流性食道炎の可能性が高い場合、標準量のPPIを投与して症状が消失すれば、一過性の症状として治療を終了することが可能です。
 
ただし症状が続いたり再発したりする場合、内視鏡検査が勧められます。
 
 

逆流性食道炎の治療は?

逆流性食道炎の主な治療法は、プロトンポンプインヒビター(PPI)を中心とした内服薬および手術療法です。
 
またPPI抵抗性逆流性食道炎の治療についても解説していきます。
 

診察をする高尾医師

内服薬

逆流性食道炎に対する内服薬には、胃酸分泌抑制薬、制酸薬/粘膜保護薬、消化管運動機能改善薬が含まれます。
 

胃酸分泌抑制薬

逆流性食道炎の初期治療としてはプロトンポンプインヒビター(PPI)と言われる強力な胃酸分泌抑制薬が推奨されています。
 
また、ボノプラザンはイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)とも呼ばれ、既存のPPIとは異なる作用の仕組みをもつ薬剤です。
より速やかで有用な胃酸分泌抑制作用を示すとされており、特に重症の逆流性食道炎で選択されます。
 
症状の改善が得られた場合には、治療の中止やPPIによる維持療法、症状がある時のみ薬を内服するオンデマンド療法で経過をみていきます。
 
症状の改善が乏しい場合にはPPIの種類の変更や増量、投与時間の変更、消化管運動機能改善薬や漢方薬の追加を検討します。
 
非びらん性逆流性食道炎に対してもPPIを使用しますが、奏効率は50%程度と言われており、びらん性逆流性食道炎に対する奏効率70-80%と比較し、治療効果が得られにくいとされています。
治療に反応しない場合には消化管運動改善薬や漢方薬を併用することもあります。
 
P-CAB は現在使われている胃酸分泌抑制薬の中でもっとも強い作用を示します。
 
朝に服用すれば、4時間程度で効果が現れ、一日中効果が続いて夜間でも胃内のpHを高く保てるのが特徴です。
 

制酸薬/粘膜保護薬

胃酸を中和したり、胃酸の刺激から胃粘膜を保護したりします。
 
服用後すぐに効果が現れますが、効果が持続するのは20~30分程度であり、症状が出たときに補助的に使うとよいでしょう。
 

消化管運動機能改善薬

食道に逆流した胃酸を胃へ押し戻します。
また胃から胃酸の排出を促します。
 

維持療法

治療により症状が消失し、食道粘膜の炎症が改善すれば、治療は一度終了です。
ただし多くのケースで再発するため、胃酸分泌抑制薬を継続して再発を防ぎます。
 
また薬をやめることでバレット食道や食道腺がんなどにつながる可能性があるため、薬の服用を続けることが推奨されます。
 
これを維持療法と呼びます。
重症のびらん性逆流性食道炎では、積極的な維持療法が推奨されています。
 

PPI・P-CABの副作用に関して

これまで、プロトンポンプインヒビター(PPI)・P-CABを長期にわたって服用すれば、長期にわたって胃酸が抑制されるため、本来胃酸が持つ殺菌作用、たん白分解作用、ガストリン分泌抑制作用が低下し、副作用による有害事象が出現するのではないかと心配されていました。
 
しかしPPIを長期使用した70,000人を14年間観察した前向きコホート研究や、17,000人を対象として3年間にわたり調査された二重盲検試験などにより、生命予後にかかわる有害事象は認められませんでした。
唯一気を付けるべき点は、腸管感染症だけです。
 
またP-CABを5年間使用した約200人を対象とした前向きのコホート研究では、PPIと比較してP-CABを使用した方に高率に出現する重大な有害事象は見られませんでした。
現在のところ、PPI、P-CABともに、長期使用によって生じる副作用・有害事例は、腸管感染症を除いて重大な問題点は見つかっていません。
 

手術療法

以下のようなケースでは手術療法が選択されることがあります。
 

  • ●大きな食道裂孔ヘルニアがある
  • ●薬物療法が効かない
  • ●薬が有効でも長期間の服用を避けたい

 
食道と胃のつなぎ目を、胃酸が逆流しないように締め直す外科手術である「ニッセンの噴門形成術」を行います。
 
昔は開腹手術が主流でしたが、最近は腹腔鏡を用いた手術が普及してきました。
腹腔鏡を用いると、体に対する負担が軽く、入院期間が短くなり、手術痕も小さいというのがメリットです。
 

PPI抵抗性逆流性食道炎の治療

標準量のプロトンポンプインヒビター(PPI)を8週間内服しても改善しない場合、以下のような対応が提案されています。
 

  • ●PPIの倍量分割投与
  • ●PPIの種類の変更
  • ●消化管運動機能改善薬の併用
  • ●六君子湯の追加投与
  • ●H2受容体拮抗薬の追加投与
  • ●専門施設において食道インピーダンス・pHモニタリング・食道内圧検査を行い、逆流や食道運動異常と症状の関連を調べる

 
 

逆流性食道炎の予防

逆流性食道炎を予防するためには、生活習慣の改善、食習慣の改善が大切です。
ここでは、逆流食道炎の予防について解説していきます。
 

生活習慣の改善

逆流性食道炎の誘因を抑えるため、生活習慣を改善しましょう。
 

  • ●食べすぎ、早食いを避ける
  • ●食べてすぐに横にならないようにする
  • ●高脂肪食、アルコール、喫煙を控える
  • ●前かがみの姿勢をできる限り避ける
  • ●おなかをベルトや帯で締め付けないようにする
  • ●肥満を改善する
  • ●夜間に症状が出る方は、頭を高くして寝る

 

食習慣の改善

内服治療とともに食習慣の改善も大切です。
食べすぎ、早食いをしない、高脂肪食を控える、おなかを締め付けない、減量、食後2~3時間は横にならないなどの食習慣の改善も大切です。
 

刺激物を控える

甘味、辛味、酸味の強いもの、油っこいもの、カフェインの多い飲み物などは胃酸の分泌を促すため、逆流性食道炎のある方は、なるべく控えてください。
 

消化の良いものを食べる

消化しにくいものを食べると、胃酸が増えて逆流しやすくなります。
できるだけ消化の良いものを食べて、対処することが重要です。
 
高齢者の方は、かむ力が衰えているため、柔らかめに調理してください。
おかゆ、うどん、白身魚、鳥のささみなどがおすすめです。
 

規則正しい食生活

不規則な食事時間は逆流性食道炎を悪化させます。
決まった時間に規則正しく3食とるようにしてください。
食後すぐに入浴しないこと、寝る前に食べないことを守りましょう。
 
 

まとめ

逆流性食道炎は胃から食道に胃酸が逆流することにより引き起こされる食道粘膜障害と、それに伴う症状のいずれかまたは両者を引き起こす病気です。
 
食べすぎ・早食い、食べてすぐに横になる習慣、高脂肪食、アルコール、喫煙、前かがみ姿勢、肥満、加齢などにより下部食道括約筋が緩むことが原因と考えられます。
 
胸焼けや呑酸の症状が続いている方は逆流性食道炎の可能性があります。
合併症は、バレット食道、慢性咽喉頭炎・咽喉頭症状、睡眠障害、歯の酸触症などです。
逆流性食道炎の検査や診断には、上部内視鏡検査、PPIテストが行われます。
 
治療法は、プロトンポンプインヒビター(PPI)を中心とした内服薬および手術療法です。
また逆流性食道炎を予防するためには、生活習慣の改善、食習慣の改善が大切です。
 
MYメディカルクリニック大手町では専門医が在籍しており、上部消化管内視鏡検査の結果をふまえて、適切な治療を行うことが可能です。
気になる症状がある方や内服治療しているが症状の改善が乏しい方はぜひお気軽にご相談ください。
 
 
 
 

MYメディカルクリニック大手町院 常勤医 takayama 医師高尾 公美

MYメディカルクリニック大手町 医師

高尾 公美  Dr. Kimi Takao

これまで消化器内科を専門とし、内視鏡検査・治療に従事してきました。患者さんに寄り添い、苦痛のない検査、病気の早期発見に尽力して参ります。また、外来診療も行っているので胸焼けや胃痛、便秘などの症状で心配なことがあればぜひご相談ください。

学歴

  • 茨城県立水戸第一高等学校 卒業
  • 北里大学医学部 卒業

職歴

  • 順天堂大学医学部附属順天堂医院
  • がん・感染症センター 都立駒込病院
  • 2022年 医療法人社団MYメディカル 医師

専門

消化器内科

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