三種混合ワクチン

三種混合ワクチンとは

三種混合ワクチンとは、百日咳、破傷風、ジフテリアの混合ワクチンです。
百日咳、破傷風、ジフテリアを予防することができます。

日本では百日咳に対する定期予防接種は乳幼児期にしかありませんが、百日咳含有ワクチンを10歳以降に追加接種すると、百日咳の抗体が再度上昇し、百日咳感染を防ぐことができます。

成人で百日咳が流行していることが問題となっているため、すべての思春期・成人に百日咳含有ワクチンの追加接種が望ましいです。 特に子どもがかかりやすく、かかると症状が重くなりやすいため乳児に接触する可能性のある子どもや妊婦・その家族、医療従事者は優先度が高いです。

現在は、三種混合に不活化ポリオやHibを加えた「5種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)」が定期接種として導入されており、少ない回数で複数の感染症を効率的に予防できる体制が整っています。

また、米国への留学の際は留学先から接種を推奨されることがあります。

症状や特徴



百日咳 … 百日咳菌でおこる急性の呼吸器感染症です。潜伏期間は7~10日間程度で、初期には風邪のような症状が現れます。次第に咳が強くなり、けいれん性の咳発作が特徴です。

破傷風 … 破傷風菌が傷口から侵入して引き起こされる感染症です。 潜伏期間は3日~21日で、口から全身に広がる筋肉の痙攣、呼吸困難などが起こり、治療が遅れると死亡することもあります。

ジフテリア … ジフテリア菌が飛沫感染や濃厚接触により感染する感染症です。潜伏期間は2~5日程度で、初期には風邪のような症状が現れます。進行すると鼻づまり、鼻出血、声がれなどの症状が起こります。

流行している地域、流行するシーズン

数は減っているもののほぼ全世界でみられます。

百日咳 … 日本では2025年に入り、百日咳の報告数が急増しています。5月末時点での累積報告は22,351例と過去最多で、乳児の重症例や死亡例も報告されています。
欧州(英国・オランダ・チェコ)や中国、米国、韓国でも流行が続き、特に学齢期や乳幼児への感染が目立ちます。世界的にはワクチン接種率低下や免疫減弱が要因とされ、乳幼児や妊婦への接種が推奨されています。

破傷風 … 日本国内ではワクチンの普及により破傷風の流行はほぼ見られません。
しかし、アジア、アフリカ、南アメリカでは報告数が多く、これらの地域ではワクチン接種率が十分でないため感染リスクが高い状況が続いています。
また、災害時などには接種率の低い地域で小規模な集団発生が報告されることがあり、例えば2004年のインドネシア大津波では1か月で106人の発症が報告されています。

ジフテリア … 日本では定期接種によりジフテリアの流行はほぼ抑えられています。
海外でも一部の発展途上国で小規模な流行が報告されますが、2025年の直近データでは大規模な流行は確認されていません。欧米など先進国ではワクチン接種によりほぼ発生が抑制されています。


予約でスムーズ!
待ち時間が少なく接種可能!

24時間ご予約可能!
ワクチン予約フォームはこちら

フォーム送信後、当院担当よりメールでご連絡を差し上げます。



三種混合ワクチンの説明

DTワクチン(ジフテリア、破傷風の混合ワクチン)を接種後、5年以上経過してからの方が副反応が出にくいと言われることもありますが、基本的にはいつでも問題ありません。

小児用三種混合ワクチン(DPT):トリビック®
成人用三種混合ワクチン(Tdap):Boostrix®, Adacel®

製剤の特性

無毒化した百日咳毒素と繊維状赤血球凝集素抗原が主成分で副反応を軽減した改良百日咳ワクチン・ジフテリアトキソイド・破傷風トキソイドを混合したものです。

有効性

副反応が少ない優れたワクチンです。

副反応

注射部位の赤み、しこり、腫れ、かゆみ、痛み、熱感など、全身症状として発熱などがあらわれるほか、発疹、下痢、鼻水、頭痛などがあらわれることがあります。

一般的な副反応以外に、特異的な副反応報告はありません。

その他の留意点

百日咳の免疫効果は4-12年で低下し、感染する可能性がでてくるため、10歳以降に追加接種することで百日咳感染の予防につながります。

三種混合ワクチンの費用

・接種料金
   3種DTP(ジフテリア、百日咳、破傷風)ワクチン:4,950円/回
   3種T-dap(ジフテリア、百日咳、破傷風)ワクチン:14,960円/回
・接種方法:原則、事前のワクチン確保が必要なため、完全予約制です。

予約でスムーズ!
待ち時間が少なく接種可能!

24時間ご予約可能!
ワクチン予約フォームはこちら

フォーム送信後、当院担当よりメールでご連絡を差し上げます。

三種混合ワクチンの最新動向

国内外の接種状況

日本では三種混合ワクチン(DPT)は定期予防接種の対象で、生後2か月から接種が始まります。現在は「5種混合(DPT-IPV-Hib)」が広く使われており、1回で複数の感染症を予防できる体制が整っています。

一方で、2025年春には百日咳の流行により接種希望者が急増し、ワクチン不足が起きました。このため、乳児や妊婦など重症化しやすい方を優先する対応が取られています。

世界的には2024年時点で接種率はおよそ85%ですが、国や地域によって差が大きく、接種を一度も受けていない子どもが1,000万人以上いることが国際的な課題とされています。

研究開発や改良の動き

ワクチンは年々改良が進んでおり、日本でも2024年から「5種混合ワクチン」が定期接種に導入されました。これにより、子どもたちが少ない回数で効率よく免疫をつけられるようになっています。

また、世界では新しい仕組みを取り入れたワクチンの研究も進行中です。新型コロナの予防で広く知られるようになった「mRNAワクチン」などの技術を応用し、より効果的で安全性の高いワクチンを開発する取り組みが行われています。日本国内でも、大学や企業が協力して新しいワクチンづくりを進めています。

最新の知見・ニュース

2025年の百日咳流行では、乳児の重症例や死亡例が確認されました。これをきっかけに、ワクチンの重要性が社会的に再認識されています。

また、妊婦の方がワクチンを接種すると、母親の免疫が赤ちゃんに受け継がれ、生まれてすぐの時期から百日咳に対する予防効果が期待できることも報告されています。

一方で海外では、接種率の低下や未接種児の多さが問題となっており、世界的な感染症対策の大きな課題となっています。

出典:日本WHO協会
https://japan-who.or.jp/factsheets/factsheets_type/immunization-coverage/
厚生労働省 「ワクチン接種について」
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2018/01261048.html
厚生労働省 「ワクチンの供給状況について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou03/index_00002.html


三種混合ワクチンに関するよくある質問

追加接種は必要ですか?

百日咳などの免疫は10年前後で低下するため、就学前や10代での追加接種が推奨されています。

成人も接種できますか?

はい、成人も接種可能です。大人でも百日咳の免疫は年齢とともに低下するため、流行時や乳児と接触する機会が多い場合は追加接種を検討すると安心です。

費用はかかりますか?

定期接種の場合は公費で無料ですが、任意で受ける場合は自己負担となります。

他のワクチンと同時に接種できますか?

はい、麻しん風しん(MR)や不活化ポリオワクチンなどと同時接種が可能です。詳細は事前にご相談ください。です。



ご予約から接種後の流れ

ご予約
  • ワクチン仮申込フォームを入力し送信してください。 24時間以内(土日・祝日を除く)に、当院からお電話もしくはメールでご連絡を差し上げ、ご予約確定となります。 ※英文証明書をご希望の場合、来院希望日時は申込日から5日後以降の日程をご選択ください。
  • ・事前に接種を希望されるワクチンの問診票を下記よりダウンロードしていただきご記入ください。
ご来院・接種
●お持ち物 問診票・母子手帳・接種証明書・ワクチン手帳(ある方)
  • ・37.5度以上の発熱があるなどの体調不良時には予防接種を受けることができません。
  • ・当院以外でも予防接種をおこなう場合は、ワクチンの接種間隔にご注意ください。
接種後
  • ・接種後15~30分間は体調変化の経過観察をしてください。
  • ・次回のワクチン接種予定がある方は、接種計画(ワクチンの種類・スケジュール)を確認してからご帰宅ください。
  • ・接種当日の激しい運動は避けてください。
  • ・シャワーや入浴は可能ですが、長風呂は避けてください。
  • ・1週間以内に接種部位が赤くなったり痛みが出たりなど、何らかの副反応が生じる場合がありますが、ほとんどの場合は数日以内に自然に軽快します。 日常生活に支障をきたすような症状がある場合、気になる症状がある場合は、当院までお問い合わせください。

注意事項 ※必ず事前にご確認ください。

  • ●初回は必ずワクチン仮申込フォームでの事前お申し込みが必要です。 下記「ワクチン仮申込フォーム」をご入力ください。
  • ●原則、事前のワクチン確保が必要なため、完全予約制です。 当日の接種をご希望の場合は事前に当院へご連絡ください。
  • ●英文証明書をご希望の場合、事前に当院での対応可否を確認しております。 ワクチン仮申込フォームより英文接種証明書をご希望いただき、別途事前にFAXにて記載箇所を明示の上ご送付ください。
  • ●証明書は発行までに数日程度お時間をいただく場合もございますのでスケジュールに余裕をもってお問い合わせください。
  • ●無断キャンセルはキャンセル料を頂く場合がございますので、予約のご変更はお早めにお電話くださいませ。
  • ●中学生以下の方の接種は、小児科医不在のためお断りしております。
  • ●高校生~未成年(20歳未満)の方の接種には保護者同席をお願いしております。

問診票について

予防接種時には問診票の記入が必要です。事前に下記より問診票をダウンロードし、ご記入の上お持ちいただくと当日スムーズにご案内可能です。 (当日の状況次第では、お待ち時間が発生する可能性がございます。) 未成年の方の予防接種には、保護者の方の同意が必要です。 保護者の方が予防接種時に付き添えない場合には、事前に問診票をダウンロードしていただき、保護者の方のサインをご記入の上ご持参くださいませ。 医師問診の際に、保護者の方にオンラインでお繋ぎいただくことによって未成年の方は予防接種可能となります。 ※医師の判断により、予防接種を中止することがございます。 あらかじめご了承ください。

各種証明書

証明書の種類と料金

証明書の種類 料金
当院書式【日本語】 3,300円(税込)
予診票コピー【日本語】
領収書【日本語】
当院書式【英語】 5,500円(税込)
当院以外の指定書式【英語※事前相談必須】 5,500円(税込)

「国際基準」のワクチン接種記録手帳

ワクチン接種記録手帳3,300円(税込)

当院で接種されたワクチンについては、WHO(国際保健機構)の手帳に記載いたします。 1冊あたり3,300円(税込)です。



三種混合ワクチンについての関連記事はこちら

詳しくはこちら