おたふくワクチン(Mumps)

おたふくかぜとは

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は、ムンプスウイルスによって感染し、感染から発症までの潜伏期間は12~24日で、主に発熱と耳下腺の腫脹と疼痛によって発症します。
様々な合併症が有り、無菌性髄膜炎、 難聴や膵炎、精巣炎、 卵巣炎等が挙げられます。

おたふくかぜは一度発症すると抗体を獲得することができますが、抗体が不十分であった場合は再発することがあります。かつておたふくかぜは一度かかると終生抗体が体内で作られるとして、二度と再発することはないと言われていました。しかし、近年では何度も再発してしまうおそれのある病気として、認識が改められてきています。

感染してしまった場合、特効薬などはなく自然治癒を待つことになります。大人が発症してしまった場合は重症化し、難聴などの後遺症が残ってしまうおそれがあります。

おたふくかぜの症状や特徴



おたふくかぜは、耳の付け根の前部分あたりにある耳下腺と呼ばれるところが炎症を起こして腫れることから、正式な呼び名を「流行性耳下腺炎」といいます。これはムンプスウイルスというウイルスによる感染症で、特に3〜6歳程度の幼稚園や小学校の子供によくみられます。

耳下腺だけでなく舌の下部や喉の上部分にある唾液を作る唾液腺が腫れることもあり、主な症状は発熱や頭痛といったものです。一度発症するとその後再び発症することは滅多にありませんが、大人になってから発症すると重症化や合併症を引き起こしてしまうおそれがあります。 ムンプスウイルスの多くが唾液などに潜んでいるため、感染経路は主にくしゃみや咳による飛沫といった同じ空間にいたことによる空気感染です。ウイルスが体内に潜伏する期間はおよそ2〜3週間とされており、発症すると喉の痛みや発熱を起こします。

発症してから、およそ1〜2週間程度で熱や喉の腫れといったものは落ち着いていきますが、大人が発症してしまった場合は重症化し、難聴などの後遺症が残ってしまうおそれがあります。
また耳下腺が腫れることで内耳にも影響を与えてしまい、難聴になってしまうこともあります。この難聴は「ムンプス難聴」と呼ばれており、年間で約2,300人の方が患っているとされています。

流行している地域、流行するシーズン

これまでエジプトやリビアを除くアフリカ諸国や日本を含む東アジアの一部地域で流行を繰り返すことが知られていました。
2025年現在では、日本国内でも全国的に患者報告があり、特に関東地方をはじめ複数の地域で流行が確認されています。

季節的には冬から春にかけてやや増加する傾向があるものの、近年は年間を通して散発的な発生が続いており、特定の季節に限定されない注意が必要です。

出典:厚生労働省公式ページ 「感染症情報」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/index.html
国立感染症研究所公式ページ 「流行性耳下腺炎(ムンプス、おたふくかぜ)」
https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ra/mumps/010/mumps.html



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フォーム送信後、当院担当よりメールでご連絡を差し上げます。



おたふくかぜワクチンの説明

1回の接種でも効果はありますが、より確実な免疫獲得のために2回目の接種が推奨されています。日本小児科学会も2回接種を推奨しており、海外では定期接種として行われています。大人の場合でも、過去に接種歴が不明な人や未接種者は、可能な限り2回の接種を受けることが推奨されています。

個人差がありますが、適切な接種で95%以上の人が十分な抗体を得られると言われています。

おたふくかぜワクチン:おたふくかぜ生ワクチン、乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン

ワクチン

製剤の特性

毒性の弱いムンプスウイルスをニワトリ胚細胞で増殖させ、得たウイルス液を精製し、安定剤を加え分注した後、凍結乾燥したものです。

副反応

接種直後から翌日に、発疹、微熱、軽度の耳下腺腫脹、接種部位の発赤や痛みが起きる場合があります。

おたふくかぜに対して免疫のない場合、接種後2~3週間頃に発熱、耳下腺腫脹、嘔吐、咳などの症状が現れることがありますが、通常は軽度で数日中に消失します。

その他の留意点

妊娠されている方への接種は基本的には行なえません。

おたふくかぜワクチンの費用

・接種料金:6,600円/回
・接種方法:原則、事前のワクチン確保が必要なため、完全予約制です。

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おたふくかぜワクチンの最新動向

国内外の接種状況(接種率や導入時期)

日本では現在、定期予防接種の対象疾患とはなっていませんが、多くの子どもが任意で接種しています。単回接種での抗体陽転率は80〜100%程度、2回目まで接種することで抗体陽転率は86%に上昇すると報告されています。
過去には国産MMRワクチンの定期接種が中止された経緯がありますが、その後も新しいおたふくかぜワクチンの導入や研究は継続されています。

海外では70か国以上で「Jeryl-Lynn株」を用いたワクチンが導入されており、これまでに4億ドーズ以上が接種されています。日本でも同株を使用していますが、定期接種化は未だ実現していません。

研究開発や改良の動き

厚生科学審議会では、より安全性の高い新しいMMRワクチンの開発が望まれており、混合ワクチンの研究開発は優先度が高い課題とされています。現時点では承認された新規MMRワクチンはありませんが、日本国内では弱毒株を選別・改良した新しいおたふくかぜワクチンの開発が進行中です。

また、動物実験では有望な結果も報告されており、さらなる有効性向上や安全性改善を目的に、新技術を取り入れた研究や、混合ワクチン・新しい投与経路の開発も進められています。

最新の知見・ニュース

国立感染症研究所などによる調査では、ワクチン接種後の長期的な発症阻止効果が確認されています。近年、厚生労働省の予防接種基本計画の中でも、研究開発と安定供給の重要性が改めて強調され、製薬企業への開発支援も強化されています。

さらに、過去には製造や供給の課題から一時的な出荷停止が起きたこともありましたが、近年は供給体制の強化に向けた取り組みが続いています。国内外の産業界では、安全性と効果の高い新規ワクチンの開発が活発化しており、将来的なおたふくかぜワクチンの定期接種化に向けた動きも注目されています。

出典:国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト
https://id-info.jihs.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/6832-440r11.html
厚生労働省「ワクチンの研究開発について」
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/001307481.pdf


おたふくかぜワクチンに関するよくある質問

何回接種すれば効果的ですか?

1回の接種でも一定の免疫は得られますが、2回目の接種で抗体獲得率が大幅に上昇します。日本小児科学会や海外の多くの国では、2回接種を推奨しています。

任意接種とはどういう意味ですか?

日本では現在、おたふくかぜワクチンは定期接種に含まれておらず、希望者が自己負担で受ける形になっています。自治体によっては助成制度がある場合もあります。

接種したのに発症することはありますか?

接種後でも抗体が十分にできなかった場合や、時間が経って抗体価が下がった場合には発症することがあります。ただし、発症しても軽症ですむ可能性が高いとされています。

ワクチンが不足することはありますか?

過去には製造や供給上の理由で一時的に出荷停止や不足となったことがありました。そのため接種を希望する場合は早めに予約をすることが重要です。

妊娠中や授乳中でも接種できますか?

妊娠中の接種は基本的に避ける必要があります。授乳中は接種可能とされますが、医師と相談して判断するのが望ましいです。

今後、日本で定期接種化される予定はありますか?

現在も厚生労働省で検討が進められており、新規株の開発やMMRワクチン(麻疹・風疹・おたふくかぜ混合)の改良研究が進行中です。定期接種化に向けた制度面の議論も継続されています。


ご予約から接種後の流れ

ご予約
  • ワクチン仮申込フォームを入力し送信してください。 24時間以内(土日・祝日を除く)に、当院からお電話もしくはメールでご連絡を差し上げ、ご予約確定となります。 ※英文証明書をご希望の場合、来院希望日時は申込日から5日後以降の日程をご選択ください。
  • ・事前に接種を希望されるワクチンの問診票を下記よりダウンロードしていただきご記入ください。
ご来院・接種
●お持ち物 問診票・母子手帳・接種証明書・ワクチン手帳(ある方)
  • ・37.5度以上の発熱があるなどの体調不良時には予防接種を受けることができません。
  • ・当院以外でも予防接種をおこなう場合は、ワクチンの接種間隔にご注意ください。
接種後
  • ・接種後15~30分間は体調変化の経過観察をしてください。
  • ・次回のワクチン接種予定がある方は、接種計画(ワクチンの種類・スケジュール)を確認してからご帰宅ください。
  • ・接種当日の激しい運動は避けてください。
  • ・シャワーや入浴は可能ですが、長風呂は避けてください。
  • ・1週間以内に接種部位が赤くなったり痛みが出たりなど、何らかの副反応が生じる場合がありますが、ほとんどの場合は数日以内に自然に軽快します。 日常生活に支障をきたすような症状がある場合、気になる症状がある場合は、当院までお問い合わせください。

注意事項 ※必ず事前にご確認ください。

  • ●初回は必ずワクチン仮申込フォームでの事前お申し込みが必要です。 下記「ワクチン仮申込フォーム」をご入力ください。
  • ●原則、事前のワクチン確保が必要なため、完全予約制です。 当日の接種をご希望の場合は事前に当院へご連絡ください。
  • ●英文証明書をご希望の場合、事前に当院での対応可否を確認しております。 ワクチン仮申込フォームより英文接種証明書をご希望いただき、別途事前にFAXにて記載箇所を明示の上ご送付ください。
  • ●証明書は発行までに数日程度お時間をいただく場合もございますのでスケジュールに余裕をもってお問い合わせください。
  • ●無断キャンセルはキャンセル料を頂く場合がございますので、予約のご変更はお早めにお電話くださいませ。
  • ●中学生以下の方の接種は、小児科医不在のためお断りしております。
  • ●高校生~未成年(20歳未満)の方の接種には保護者同席をお願いしております。

問診票について

予防接種時には問診票の記入が必要です。事前に下記より問診票をダウンロードし、ご記入の上お持ちいただくと当日スムーズにご案内可能です。 (当日の状況次第では、お待ち時間が発生する可能性がございます。) 未成年の方の予防接種には、保護者の方の同意が必要です。 保護者の方が予防接種時に付き添えない場合には、事前に問診票をダウンロードしていただき、保護者の方のサインをご記入の上ご持参くださいませ。 医師問診の際に、保護者の方にオンラインでお繋ぎいただくことによって未成年の方は予防接種可能となります。 ※医師の判断により、予防接種を中止することがございます。 あらかじめご了承ください。

各種証明書

証明書の種類と料金

証明書の種類 料金
当院書式【日本語】 3,300円(税込)
予診票コピー【日本語】
領収書【日本語】
当院書式【英語】 5,500円(税込)
当院以外の指定書式【英語※事前相談必須】 5,500円(税込)

「国際基準」のワクチン接種記録手帳

ワクチン接種記録手帳3,300円(税込)

当院で接種されたワクチンについては、WHO(国際保健機構)の手帳に記載いたします。 1冊あたり3,300円(税込)です。



 

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