マラリア予防薬(マラロン)

概要

マラリアは、亜熱帯・熱帯地域を中心に感染者数が多く、世界100カ国あまりで流行しており推計年間2億人以上が罹患し200万人以上が死亡していると世界保健機構(WHO)が発表しています。
死亡例の多くはアフリカの5歳未満の小児ですが、アジアや南太平洋諸国、中南米などのアフリカ以外でも発生が見られています。
マラリアはマラリア原虫を持つ蚊がヒトを刺すことによって感染します。蚊がマラリア患者の血を吸血し、その蚊がまた別の人後を吸血する際に体内へマラリア原虫が入り込むことで感染します。感染したマラリア原虫の種によって、重症化しやすい可能性もあります。熱帯熱マラリアでは、早期に適切な対応をしないと、短期間で重症化し死に至ることがあります。

マラリア流行地域へ渡航する際は、マラロンを含む抗マラリア薬の内服が望ましいとされています。
マラリア予防薬のマラロンは副反応が少なく、鬱などの精神神経疾患や不整脈を患っている方でも安全に使えるというメリットがあり、日本国内でも承認されている世界的に知られた抗マラリア薬です。
また、タイやカンボジア、ミャンマーなどの熱帯アジア地域では、国内承認されているもう一つの高マララ役である「メファキン」への耐性があるマラリアが存在するため、マラロンの服用が必要となります。

ですが、マラロンは毎日服用するため、長期滞在する場合コストが大きくなってしまうデメリットがあります。

流行地域

アジア、オセアニア、中南米、アフリカの熱帯・温帯地域
※季節や天候などにより流行地域が変わるため、渡航前に現地の最新情報を確認することをおすすめします。

製剤の特性

アトバコンとプログアニル塩酸塩の配合剤であり、それぞれの薬剤がマラリア原虫の核酸の複製に必要なピリミジン、チミジル酸の生合成を異なる経路で阻害することで予防します。

服用方法

【治療】

成人: 1日1回4錠を、3日間食後に服用。
小児:体重に応じて1回1~4錠を成人同様1日1回、3日間食後に服用。
5〜10kg:マラロン小児用配合錠の使用
11〜20kg:1錠
21〜30kg:2錠
31〜40kg:3錠
>40kg:4錠

【予防】

成人及び体重が40kgを超えている小児は1回1錠を1日1回服用する。
マラリアが流行している地域に到着前24~48時間前より服用を開始し、滞在中および流行地域を離れた後も7日間服用する必要があります。必ず毎日食後に服用してください。
体重11〜40kgの小児には、マラロン小児用配合錠が使用されます。服用方法は成人及び40kgを超えている小児と同様です。

副反応

主な副作用

貧血、過敏症、血管性浮腫、血管炎、幻覚、頭痛、不眠症、浮動性めまい、腹痛、悪心、嘔吐

重大な副作用

皮膚粘膜眼症候群、Stevens-Johnson症候群、多形紅斑、重度肝機能障害、肝炎、胆汁うっ滞、アナフィラキシー、汎血球減少症、無顆粒球症、白血球減少

上記以外の副作用

下痢、口内炎、胃障害、口腔内潰瘍、発疹、脱毛、蕁麻疹、低ナトリウム血症、食欲不振、アミラーゼ上昇、肝酵素上昇、発熱、咳嗽

その他の留意点

マラリア対策で一番有効なのは、蚊に刺されないことです。
また、ハマダラカは黒い色を好むため、夕方から夜にかけて吸血を行います。蚊に刺されないための対策として下記があるので気をつけましょう。

  • 夕方から夜間に活動することから、流行地では夜間の外出は避ける
  • 長袖、長ズボンを着用する。特に夜間は明るい色の衣服
  • 皮膚の露出部には虫除けスプレーを使用する
  • 部屋は密閉しエアコンを使用する。エアコンが使用できない場合は破れていない網戸を使用し窓を開ける。その際は、蚊取り線香も効果的である
  • 設備の整ったホテル以外に宿泊する予定のあるときは、旅行用の蚊帳を持参する