【意外と知らない】抗原検査とは
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【意外と知らない】抗原検査とは
平素よりお世話になっております。
みなさま、緊急事態宣言下でいかがお過ごしでしょうか。
本日、新型コロナウイルスの抗原検査キットが来週にも承認されるというニュースが出ましたね。
(※2020年5月11日に公開した記事ですが、一部、2020年7月15日に修正致しました。
7月1日より当院にて新型コロナウイルスの抗原検査は実施可能です。)
抗原検査というのは、簡易検査の一種でウイルス特有のたんぱく質(抗原)を検出する検査です。鼻の奥の粘液などを綿棒で採取して検査します。結果はだいたい数分~20分で出ます。
そもそも抗原とはなんなのか?気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
抗原とは、異物の表面に存在しており、抗体が異物を認識して破壊するための標的となる物質の総称です。つまり、抗原が抗体をつくるもととなります。
異物が体内に入るとその異物にある抗原と特異的に結合する抗体を作り、異物を排除するように働きます。
ですので、抗体は体内で増えるまでに時間がかかり(IgM抗体は感染からおよそ1週間、IgG抗体はおよそ2週間後に検出されるようになります)感染初期に検出できませんが、抗原の有無は感染初期でも検出が可能です。抗体検査より早く感染有無を知ることができるということですね。
実は、みなさんも受けたことがあるであろうインフルエンザの検査も抗原検査なのです。
インフルエンザの抗原検査は、咽頭ぬぐい液もしくは鼻腔ぬぐい液を採取して検査します。
インフルエンザは潜伏期が短く感染力が強いため、迅速な対応が必要であり、抗インフルエンザ薬の投与も48時間以内が原則であるため、早期診断が求められるため、抗原検査が有用です。
※感度というのは陽性の患者を正しく陽性と判定する確率です
新型コロナウイルスの抗原検査でも、感染していることを感染初期に知ることで、早期に適切な治療を受けることができると考えられます。また、早い段階で自己隔離などの対応をとることで周囲への感染の拡大を防ぐことにもつながります。加えて、遅れが目立つ検査体制の拡大の後押しにつながるとも考えられます。
今後の動きに注目していきたいですね。