【第一回】院内インタビュー(ピロリ菌編)

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2018/09/13

【第一回】院内インタビュー(ピロリ菌編)

本日は当院のスタッフである保健師のAさんに来て頂きました。
当院でピロリ菌を除菌されていたとお聞きしました。

 

■質問1 ピロリ菌を除菌された経緯に関して教えてください。

・なぜピロリ菌に感染していたことがわかったのですか?

 

【Aさん】
今年の職員健診で初めてバリウム検査を受けたところ、慢性胃炎の所見が見つかったんです。診察で先生からピロリ菌検査を勧められたので、その日の採血検査にピロリ菌抗体検査を追加してもらいました。結果が届いたら抗体検査も陽性で、ピロリ菌疑いがいよいよ濃厚になりました。

 

・それはいつですか?

 

【Aさん】
今年の4月です

 

・除菌までのフローを教えてください(薬等)

 

【Aさん】
この時点ではまだ「ピロリ菌感染疑い」であり、ピロリ菌感染の確定診断には内視鏡検査(胃カメラ)や尿素呼気試験が必要になります。内視鏡を受けずに検査や治療を受けることも可能ですが、その場合は保険が使えず自費診療となります。私の場合は結果が出て約1ヶ月後に、当院の外来で内視鏡検査を受けました。内視鏡検査を受けたのは今回が初回だったのですが、思っていたよりカメラが細くて、覚悟していたほど辛くはなかったです。(個人の感想です)

 

その結果、明らかな慢性胃炎が見つかった他には特に大きな所見もなかったのでホッとしました。検査後の結果説明でピロリ菌の除菌を勧められ、除菌療法を行うことにしました。内服の副作用や注意事項については、先生と薬剤師さんが一つ一つ丁寧に説明してくれました。

 

ピロリ菌の除菌は、抗菌薬2種類と胃酸の分泌を抑える薬を、朝と夕の1日2回、7日間内服するのがワンセットです。途中で中断したりすると、耐性菌(抗菌剤が効かない菌)ができてしまう原因となるので、しっかり7日間忘れず内服することが大切です。

 

 

・除菌が完了されたか否かはどうやって調べるのですか?

 

【Aさん】
除菌が成功したかどうかの確認は、内服完了後4週間以上経過してから尿素呼気試験を受けることが適切です。抗体は除菌後でも数年間は体に残るので、ピロリ菌抗体検査は除菌確認には向きません。

 

インタビュー

 

質問2 Aさんは普段、健康診断の結果を作成する業務に就かれていると聞いています。ピロリ菌はなぜ除菌する必要があるのでしょうか。

 

【Aさん】
ピロリ菌は胃の中に住み着いて炎症を起こす細菌です。感染経路ははっきりとは解明されていませんが、5歳頃までに食べ物や飲み物を介して口から感染するとされています。胃酸で強い酸性に保たれている胃の中でもピロリ菌は生き続けることができ、薬で除菌しない限り、自然にいなくなることは考えにくいです。
ピロリ菌に長期間感染していると、胃炎の他にも胃潰瘍、そして胃がんの原因になるとされています。ピロリ菌を除菌することで、それらのリスクを下げることができると言われています。
しかし、ピロリ菌による胃炎は自覚症状がない場合も多く、私自身も、胃痛などの症状は何もなかったので、バリウムや抗体検査の結果は正直ショックでした。気づかない内に感染している場合があるので、何も症状がない若い人でもピロリ菌検査を受けてみることをお勧めします。

 

 

質問3 除菌は失敗するは一般的にはあるのでしょうか。またその場合はどうすればよいでのでしょうか。

 

1週間の内服治療で大半の方が除菌に成功するとされています。
しかし中には、指示通りにちゃんと内服していたにも関わらず除菌が上手くできない場合もあります。その場合、抗生剤を一部変更して再び1週間かけて内服する二次除菌、更に三次除菌が必要なこともあります。

 

 

質問4 今後健康診断を受けられる方・受けて頂いた方に一言をお願いします。

 

【Aさん】
ピロリ菌感染は中高年の病気ではなく、20代など若い世代でも感染が見つかる方もいらっしゃいます。症状が何もなくても、抗体検査を受けてみてください。
また、除菌治療を行った後も、胃がんのリスクがゼロになるわけではありません。除菌が成功したかどうかの確認、そして定期的な内視鏡検査で経過観察することが大切です。

 

今日はありがとう御座いました!!

 

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