マンジャロ注射は痩せる?効果と副作用、薬価、危険性、オンライン処方について解説

  • クリニックブログ
2025/04/01

マンジャロ注射は痩せる?効果と副作用、薬価、危険性、オンライン処方について解説

2型糖尿病治療薬である「マンジャロ」は、血糖値のコントロールに加え、体重減少効果も期待されることから注目を集めています。
 
本記事では、マンジャロのダイエット効果や副作用、適切な使用方法について詳しく解説します。安全に使用するためのポイントやオンライン診療での処方についてもご紹介するので、「過度な食事制限やハードな運動をせずに痩せたい」という方はぜひ参考にしてください。

 
 

マンジャロとは?

マンジャロとは、2型糖尿病の治療に用いられる皮下注射薬です。「GIP(ジーアイピー)」や「GLP-1(ジーエルピーワン)」と呼ばれるホルモンと同じ作用を持ち、すい臓からインスリン分泌を促します。「インスリン注射」とは異なります。
 
マンジャロ(チルゼパチド)には、血糖値を下げる作用や体重減少の効果が期待できます。具体的には、食欲の抑制や満腹感の持続、脂肪の分解を促す作用があるといわれています。間食や過食の頻度を自然に減らせるため、ストレスフリーでダイエットを成功できると定評を得ているダイエット医療です。
 
太もも、または腹部の指定の位置に、「アテオス」という専用ペンを用いて、1週間に1回体内に投与します。操作が簡単であるため、自分で投与することも可能です。

 

出典:世界初の持続性GIP/GLP-1受容体作動薬「マンジャロ」2型糖尿病に対する国内製造販売承認を取得 | 田辺三菱製薬株式会社

マンジャロの作用・痩せる仕組み

「GIP」と「GLP-1」は、もともと私たちの体にあるホルモンで、食事をとったときに小腸から分泌されてすい臓に運ばれ、インスリンを出すように働きかけます。
 

  • ●食事を摂ると血糖値が上がる
  • ●血糖値が上がると 小腸から「GIP」と「GLP-1」が分泌され、 すい臓に運ばれる
  • ●すい臓に運ばれた「GIP」と「GLP-1」は、インスリンを出すように働きかける
  • ●インスリンが分泌されたことにより血糖値が下がる

 

マンジャロ は体の中でGIP/ GLP-1と同様の働きをします。GIP/GLP-1と同じように、血糖値が高いときだけインスリンを出すように働きかけることが特徴です。

 
 

当院提携院にて「マンジャロ」の取り扱いがございます。

      

 
 

マンジャロのダイエット効果!本当に痩せる?

ここでは、マンジャロのダイエット効果について解説します。マンジャロは、体重減少効果が期待できることから、ダイエット目的で利用する方が増えています。
 
実際に臨床試験では、「オゼンピック」よりも高い減量効果が確認されており、最大容量では約11kgの体重減少が報告されています。
 
食事制限や運動が難しい方でも、血糖値のコントロールと同時に、「無理なく痩せることができる」と言われ、注目を集めています。特に、肥満に悩む方や、ダイエット後にリバウンドを繰り返している方におすすめです。
 
出典:Efficacy and Safety of Tirzepatide in Type 2 Diabetes and Obesity Management – PubMed
Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity – PubMed


 

痩せる理由1. 食欲を抑えられる

マンジャロは、食欲抑制作用があるため、ダイエット効果が期待できます。
 
主成分であるチルゼパチドは、脳の中枢に働きかけるGIPとGLP-1という2種類のホルモンに同時に作用するため、自然に食事量を抑えることが可能です。
 
「お腹は空いていないのに、つい食べてしまう」という方でも、マンジャロを使用することで無理なく食欲がコントロールされ、ストレスの少ないダイエットを実現できるでしょう。過食傾向のある方や間食がやめられない方にも適しており、持続的な減量を目指せます。

 

痩せる理由2. 満腹感を持続させる

マンジャロには、少量の食事でも長時間満足感が続くという特性があります。
 
これは、GLP-1とGIPが脳の満腹中枢を刺激し、満腹ホルモン「レプチン」の分泌を促進することに加え、胃の排出速度を遅らせる働きがあるためです。
 
これにより、食後すぐに空腹を感じにくくなり、間食や過食の抑制につながります。
 
無理な制限ではなく、「自然に食べる量が減る」状態をつくり出せるため、日常生活に取り入れやすく、継続性の高いダイエットが可能となります。

 

痩せる理由3. 脂肪の分解を促進する

マンジャロは、食欲を抑えるだけでなく、脂肪分解を促進する作用も併せ持っています。
 
GIPの働きにより、脂肪細胞や肝臓での脂質代謝が活性化し、体内に蓄積された脂肪がエネルギーとして優先的に使われるようになります。その結果、体脂肪の減少が促され、基礎代謝の向上にもつながります。
 
ハードな運動や厳しいカロリー制限を行わずとも、身体の内側から痩せやすい状態を作ることが可能です。リバウンドしにくいダイエットを実現したい方にとって大きなメリットとなるでしょう。


 

マンジャロの使用がおすすめな人

  • ●ダイエットが続かない人
  • ●内臓脂肪が気になる人
  • ●年齢を重ねるにつれて痩せにくくなっている人
  • ●仕事や家事、育児などで忙しくて、運動不足の人
  • ●他のGLP-1ダイエット薬(オゼンピック等)で効果をあまり実感できなかった人
  • ●サクセンダ、ビクトーザなど1日1回の頻度で注射を継続するのが難しい人

 
 

マンジャロの副作用

マンジャロは、2型糖尿病の治療に有効な薬ですが、消化器症状や低血糖などの副作用に注意が必要です。とくに、服用初期や増量時には、副作用が出やすいと言われているため、医師と相談しながら慎重に経過を観察しましょう。

マンジャロの主な副作用

マンジャロのおもな副作用として、以下が挙げられます。

  • ●嘔吐
  • ●腹痛
  • ●悪心
  • ●下痢
  • ●便秘
  • ●消化不良
  • ●食欲減退
  • ●心拍数増加
  • ●低血圧
  • ●腹部膨満

 

胃腸症状の対処法

マンジャロの使用により、吐き気、嘔吐、下痢などの胃腸症状 が現れることがあります。特に、初めて使用する際や投与量を増やしたときに起こりやすいため、注意が必要です。症状が現れた場合は、自己判断でマンジャロの投与を中止せず、次回の投与予定日までに主治医に相談してください。

  • ●1回あたりの食事量を減らし、3食を4食に分ける
  • ●揚げ物など脂肪の多い食品は避ける
  • ●満腹感を感じたら、それ以上食べるのをやめる

 
 

低血糖の対処法

「スルホニルウレア薬(SU薬)」「グリニド薬」「インスリン」などの糖尿病治療薬を併用している場合、低血糖が起こりやすくなるため注意が必要です。
 
低血糖は放置すると重症化することがあるため、早めの対処が重要です。低血糖の症状を感じたら、すぐに主治医に相談してください。

低血糖のおもな症状

    初期症状: 冷や汗、動悸、脈が速くなる、手足のふるえ、空腹感
    進行すると: 眠気(生あくび)、頭痛、目のかすみ
    重症になると: 意識を失う、異常な行動、けいれん、昏睡、顔面蒼白

 

低血糖を感じたらすぐに行うこと

    ブドウ糖(10g)を摂取する
    ブドウ糖を含む飲み物(150~200mL)を飲む(ジュースや清涼飲料水など)
    角砂糖(約20g)を摂取する

 
 

マンジャロの重大な副作用

マンジャロの重大な副作用として、以下が挙げられます。

【重大な副作用】

  • ●低血糖
  • ●低血糖症状
  • ●脱力感
  • ●高度空腹感
  • ●冷汗
  • ●顔面蒼白
  • ●動悸
  • ●振戦
  • ●頭痛
  • ●めまい
  • ●嘔気
  • ●視覚異常
  • ●重篤な低血糖症状
  • ●意識消失
  • ●膵炎
  • ●胆嚢炎
  • ●胆汁うっ滞性黄疸
  • ●アナフィラキシー
  • ●血管性浮腫
  • ●急性膵炎
  • ●嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛
  • ●胆管炎

 

マンジャロの上記以外の副作用

  • ●胃食道逆流性疾患
  • ●おくび
  • ●鼓腸
  • ●胆石症
  • ●糖尿病網膜症
  • ●注射部位反応
  • ●紅斑
  • ●そう痒感
  • ●疼痛
  • ●腫脹
  • ●過敏症
  • ●湿疹
  • ●発疹
  • ●そう痒性皮疹
  • ●味覚不全
  • ●異常感覚
  • ●膵アミラーゼ増加
  • ●リパーゼ増加
  • ●体重減少
  • ●疲労

 
 

マンジャロの危険性・使用を避けるべき人

以下に当てはまる人は、マンジャロを使用することはできません。

  • ●過去にマンジャロ皮下注アテオスに含まれる成分で過敏症(かびんしょう)のあった人
  • ●糖尿病性ケトアシドーシス状態(吐き気、甘酸っぱいにおいの息、深く大きい呼吸)の人、糖尿病による昏睡状態の人または昏睡状態になりそうな人、1型糖尿病の人
  • ●重い感染症にかかっている人、手術などの緊急の場合

 
 

以下に当てはまる人は、特に注意が必要です。使い始める前に医師または薬剤師に伝えてください。

  • ●重い胃不全麻痺など重度の胃腸障害のある人
  • ●過去に膵炎(すいえん)にかかったことがある人
  • ●低血糖をおこすおそれのある次の人
  • ●脳下垂体機能に異常のある人、副腎機能に異常のある人
  • ●栄養状態の悪い人、飢餓状態の人、食事が不規則な人、食事が十分に摂れていない人、衰弱している人
  • ●激しい筋肉運動をしている人
  • ●飲酒量が多い人
  • ●増殖糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫、急性期治療を要する非増殖糖尿病網膜症にかかっているまたはかかったことがある人
  • ●妊婦または妊娠している可能性のある人
  • ●授乳中の人

 

なお、マンジャロには併用を避けるべき薬がいくつかあります。ほかの薬を使用している場合や、新たに使用する場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
 
マンジャロを使用する前に、インスリンによる治療が必要かどうかの確認が行われます。

 

マンジャロ注射の使用方法

マンジャロ注射は 週に1回、同じ曜日に投与します。医療機関で十分な指導を受けた患者様やご家族の方であれば、自宅で自己注射が可能です。
 
使用前には、注入器が壊れていないか、薬液が無色からわずかに黄色の透明で浮遊物がないかを確認する必要があります。静脈内や筋肉内には、注射しないように注意が必要です。
また、1キットは1回限りの使用となるため、使い回しはしないようにしてください。

 

マンジャロ注射の打ち方

マンジャロは、操作が簡単な「アテオス」という専用ペンで、1週間に1回投与します。アテオスの名称は「あてて、押す」という使い方に由来しているそうです。
 
アテオスは、針の取り付けや、薬を混ぜるなどの準備が不要で、すぐに使うことができ ます。操作は3つのステップです。

 

ステップ1. 灰色のキャップをはずす


出典:患者さん向け資材ダウンロード | 日本イーライリリー糖尿病治療薬をお使いの皆様へ
 

灰色のキャップをまっすぐ引っ張って取り外します。
 
キャップは、使用直前まで取り外さないようにしましょう。取り外したキャップは 再装着せず、そのまま廃棄します。はめ直すと針が破損する可能性があるため、注意が必要です。

 

ステップ2. 底面を皮膚にあててロックを解除する


出典:患者さん向け資材ダウンロード | 日本イーライリリー糖尿病治療薬をお使いの皆様へ
 

アテオスの底面を皮膚にあてて、ロックを解除しましょう。透明な底面を皮膚にしっかりと密着させた状態で、緑色の目印をロック解除の方向に回します。止まるまで回すとロックが解除されます。
 
アテオスを皮膚に対して垂直に当てると、しっかり密着させることができます。
 
また、ペンの中央部を強くつまむと針が戻らなくなる可能性があるため、強く握らないように注意しましょう。

 

ステップ3. 注入ボタンをおして、そのまま待つ


出典:患者さん向け資材ダウンロード | 日本イーライリリー糖尿病治療薬をお使いの皆様へ
 

紫色の注入ボタンを押して、そのまま待ちます。以下の音を確認しましょう。

  • ●1回目の「カチッ」という音で注射が開始
  • ●2回目の「カチッ」という音で注射が完了

 
薬液の注入は、最大10秒以内に完了します。透明な部分に灰色のゴムピストンが見えていれば注入は完了しているので、音が聞こえなかった場合は確認してみてください。

 

マンジャロ注射を打つ場所


出典:患者さん向け資材ダウンロード | 日本イーライリリー糖尿病治療薬をお使いの皆様へ
 

マンジャロ注射を打つ場所は、「腹部」または「大腿部」です。また、訓練を受けた方の手助けがある場合は、上腕部後ろ側への注射も可能となっています。
 
同じ部位に連続して注射しないよう、毎回注射する場所を変えることが推奨されます。

 
 

マンジャロの使用用量

マンジャロの使用量は、患者様の症状などにあわせて、医師が決定します。通常、成人の使用量および回数を以下に記載しました。

  • ●開始量:2.5mg/1回あたり
  • ●維持用量:5mg/1回あたり

 

マンジャロは、開始量を4週間注射した後に維持用量へ増量します。通常、週1回2.5mgから開始し、効果が不十分な場合は 4週間以上の間隔を空けながら、1回2.5mgずつ増量するケースが多いです。
 
最大で週に15mgまで増量されることがあります。増量のタイミングや適切な用量については、必ず主治医の指示に従ってください。

 

投与スケジュール

マンジャロは、週に1回、毎週同じ曜日に投与するのが一般的です。例えば、日曜日にマンジャロを投与した場合は来週の日曜日にも同じように投与します。

 

マンジャロの保管方法

マンジャロは冷蔵庫(2〜8℃)で光を避けて保管し、凍結しないように注意が必要です。万が一凍結した場合は使用せず、廃棄してください。
 
また、室温で保管する場合は、外箱から出さずに保管し、21日以内に使用することが推奨されます。特に30℃を超える高温の場所での保管は避ける必要があります。

 

マンジャロの保管に関する注意点

マンジャロの誤飲を防ぐため、子供の手の届かない場所に保管してください。薬が残ってしまった場合でも、他の人に譲渡することは避けましょう。不要になった薬の処分については、自己判断せず薬局や医療機関に相談することを推奨します。
 
また、使用済みの本品の廃棄方法については、環境や安全面を考慮し、医療機関の指示に従うことが重要です。

 
 

マンジャロ注射は痛い?

マンジャロの皮下注射は、採血の注射とは異なり、針が細く短く設計されているため、痛みは少ないと言われています。しかし、痛みの感じ方には個人差があるため、強い痛みを感じる方も中にはいらっしゃるかもしれません。
 
また、注射の打ち方によっても痛みの強さが異なる傾向にあるので、正しい打ち方を把握したうえで実践してみてください。なお、医療機関などで注射や点滴を問題なく打つことができる方であれば、痛みを心配する必要はないでしょう。

 
 

マンジャロを打つ時に失敗した時の確認方法・対処方法

マンジャロの注射が完了したかどうかは、注入器の透明な部分にある「灰色のゴムピストン」を見ることで確認できます。灰色のゴムピストンが見えている場合、投与は完了しています。
 
マンジャロの投与に失敗した場合は、追加投与せずに次回のあらかじめ定めた曜日に投与してください。心配やご不安がある際には、必ずクリニックへご相談ください。

 
 

マンジャロはオンライン診療で処方できる?

マンジャロは、オンライン診療を行っている医療機関やクリニックであれば、処方してもらうことができます。
 
ただし、マンジャロは比較的新しい薬剤であり、取り扱いのない医療機関やクリニックも多いです。事前に取り扱いの有無や在庫を確認した上でオンライン診療を予約すると良いでしょう。

 
 

マンジャロの製品概要・添付文書情報をもとに解説

マンジャロの製品概要について、添付文書情報をもとにまとめました。

販売名
マンジャロ®皮下注7.5mgアテオス®
マンジャロ®皮下注10mgアテオス®
マンジャロ®皮下注12.5mgアテオス®
マンジャロ®皮下注15mgアテオス®
一般名
チルゼパチド
製剤名
チルゼパチド注射液
薬効分類名
持続性GIP/GLP-1受容体作動薬
効能又は効果
2型糖尿病
用法及び用量
通常、成人には、チルゼパチドとして週1回5mgを維持用量とし、皮下注射する。
ただし、週1回2.5mgから開始し、4週間投与した後、週1回5mgに増量する。
なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、週1回5mgで効果不十分な場合は、4週間以上の間隔で2.5mgずつ増量できる。
ただし、最大用量は週1回15mgまでとする。
製造販売元
日本イーライリリー株式会社
販売元
田辺三菱製薬株式会社

 

マンジャロの発売日

製造販売承認取得日
2022年9月26日
薬価収載日
2023年3月15日
発売日
2023年6月12日

 

マンジャロの薬価

販売名 薬価
マンジャロ®皮下注7.5mgアテオス®
0.5mL 1キット:5,772円
マンジャロ®皮下注10mgアテオス®
0.5mL 1キット:7,696円
マンジャロ®皮下注12.5mgアテオス®
0.5mL 1キット:9,620円
マンジャロ®皮下注15mgアテオス®
0.5mL 1キット:11,544円

 
 

まとめ

2型糖尿病治療薬である「マンジャロ」は、体内のホルモンと同様にインスリン分泌を促し、血糖値を調整します。
 
副作用には、吐き気や嘔吐、下痢、低血糖などがあり、特に投与開始時や増量時に注意が必要です。マンジャロの使用方法は、週に1回の皮下注射で、最大15mgまで増量可能となっています。
 
オンライン診療での処方も可能ですので、クリニックに通う時間がない方も無理なく続けることができるでしょう。

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