パーキンソン病は指定難病|認知症発症後の寿命やストレッチについて

  • クリニックブログ
2024/04/12

パーキンソン病は指定難病|認知症発症後の寿命やストレッチについて

パーキンソン病は指定難病に入っている進行性の病気です。一度発症すると完治は厳しく、主症状によってはゆっくりと進行していくのが特徴です。発症年齢は50〜60歳が多い傾向にあり、女性のほうが男性よりも発症しやすいとされています。
 
本記事では、パーキンソン病とはどのような病気なのか、また認知症発症後の寿命、無動を改善するストレッチについて解説します。

 

パーキンソン病とはどんな病気?

パーキンソン病とはどのような病気なのか、特徴や症状、発症の原因、予後、発症からの平均寿命や認知症発症後の寿命を解説します。

パーキンソン病とは?

パーキンソン病は、運動症状に加えて自律神経症状や精神症状を合併することがある病気です。脳の中枢神経の変性が原因による病気としてアルツハイマー病がありますが、その次に発症数が多い病気となっています。50歳以上になると発症しやすくなりますが、若年性パーキンソン病という40歳以下での発症例もあります。
 

症状は大きく2つに分かれる

パーキンソン病の症状は大きく2つに分けられます。
 

  • ● 運動障害
  • ● 非運動障害

 
では、ひとつずつ解説していきます。
 

運動障害

運動障害とは、体の動きに関する症状です。
具体的に以下のような症状があります。
 

  • ● 震え
  • ● 筋肉が固まる
  • ● 動作が遅くなる
  • ● 転びやすくなる

 
震えは、何もしていない時にみられるのが特徴ですが、なかには動いている時にもみられる方もいます。症状として現れてくる体の部位については、手、足、顎です。筋肉が固まるのは、緊張が強くなることで起こります。また、人が手足を動かそうとしてもすんなりと動かせないほど、動きが悪くなってしまうのです。
 
さらに動作が遅くなるのは手足の動きだけでなく目にも現れます。目ではまばたきの数が減ってしまうため、ドライアイに気をつけなくてはなりません。転びやすくなってしまうのは、姿勢が前屈みになりバランスを保つのが難しくなるためです。初期や中期の段階ではあまりみられず、かなり進行が進んだ後期にみられる傾向があります。

 

非運動症状

非運動症状とは、体の動き以外に現れる症状のことです。具体的には、精神症状や自律神経症状、睡眠障害などを指します。
精神症状は、以下のようなものがあります。
 

  • ● 幻覚
  • ● 幻聴
  • ● 妄想
  • ● 意欲低下 など

 
認知症と似ている症状であるため、認知症とパーキンソン病を間違われることもあります。
 
自律神経症状は、以下のような症状です。
 

  • ● 起立性低血圧
  • ● 便秘
  • ● 頻尿 など

 
日常的に立ちくらみしてしまう方や便秘気味な方の場合、気付けないこともあるでしょう。睡眠障害は、過眠やREM睡眠行動障害などです。REM睡眠行動障害では、睡眠中に突然手足が乱暴に動きだしたり、奇声を発したりします。そのため、隣で一緒に寝ている方をケガさせることもあり、深刻な病気といえるでしょう。
 
REM睡眠行動障害と夢遊病との違いは、症状の激しさです。夢遊病は睡眠時遊行症といって、自宅の徘徊といった穏やかな症状が特徴であるため、ご家族や同居人の方などにケガを負わせることは基本的にありません。
 

原因について

発症の原因については、はっきりとわかっていません。ただ、可能性として遺伝的要因や環境的要因(加齢)が関係しているとされています。発症するメカニズムは、神経細胞の減少や衰えです。何かしらの原因で中脳に存在する「ドーパミン神経細胞」が減少することで、運動障害や非運動障害を発症すると考えられています。
 
指定難病のなかで研究中の病気ですが、まだまだわからないことがたくさんあるのが現状です。
 

発症後の予後について

パーキンソン病は完治する方法がまだ見つかっていないため、予後は良いとはいえないでしょう。さらに、進行性の病気のため、発症してしまうと、将来的には食事や排泄、入浴などの身体介護をしてもらわなければなりません。また、ご家族でのケアが難しくなった場合は、訪問介護や訪問看護なども利用しつつ、最後までケアをしていく形となります。
 
ただし、重度にまで進行するケースがほとんどであるため、やがてサポートを受けても食事が難しいという状態になります。最終的に、誤嚥性肺炎を起こし命を落とすリスクが高くなるでしょう。
 

発症からの平均寿命や認知症発症後の寿命

発症してからの平均寿命は、健常者の一般的な平均寿命から2〜3年短いだけで、あまり変わりません。発症しても、適切な治療を受けられれば10年はいつも通りの生活ができます。ただし、認知症を合併した場合は非常に短くなり、合併後の余命は平均で3年程度とする報告もあるようです。

 
 

パーキンソン病の診断・検査方法や治療法

パーキンソン病の診断・検査方法や治療法を紹介します。

診断・検査方法について

診断や検査方法は以下の2つがあります。
 

  • ● 身体診察
  • ● 検査

 
どのような診断や検査が行われるのか、詳しく解説します。
 

身体診察

身体診察では、指定の動きを患者様にしてもらうことがあります。具体的には、指で自分の鼻を触る、両手を裏返して元に戻すといった行動です。これらは、振戦の傾向と動きが遅いというパーキンソン病の特徴を確認するために行います。

 

検査

検査方法については、CTやMRI検査、SPRECT検査、PET検査を行うことがあります。CTやMRI検査は、パーキンソン病と似たような症状を起こす別の病気を起こしていないか調べられます。SPRECT検査やPET検査は、パーキンソン病特有の脳の病変を見つけることが可能です。

 

治療法について

治療法は以下の2つがあります。
 

  • ● 薬物療法
  • ● 手術療法

 
では、ひとつずつ解説します。
 

薬物療法

薬物療法は基本的な治療法です。現れている症状に合わせてさまざまな薬が組み合わせて処方されます。たとえば、運動障害がある場合はドーパミンの減少が原因と考えられているため、ドーパミンを補う薬を服用します。
 

手術療法

手術療法は、症状を緩和させるための対症療法として行われます。よって、完治させるものではありません。


 
 

【事例あり】パーキンソン病の無動は改善可能!ストレッチ方法を紹介

ストレッチにより、パーキンソン病の無動の症状が改善された事例もあります。以降では、事例とストレッチ方法を紹介します。

ストレッチで無動が一時的に改善した事例

L-ドパ剤を減量し発症した重度の無動を抱える70歳の男性です。訪問リハビリテーションサービスを利用している方で、L-ドパ剤を減量してから昼から夕方にかけて無動がみられるようになり、それに伴い血圧の上昇も確認されました。
 
そこで、股関節周りを含む全身のストレッチを開始したところ、無動が改善されたのです。
 
参考:ストレッチにより一時的に無動が改善したパーキンソン病の一例

 

パーキンソン病体操方法①首周りのストレッチ

パーキンソン病を改善するための体操のひとつ目として、首周りのストレッチ方法を紹介します。まずは四つん這いになり、次に、顎の上げ下げを10回行います。このストレッチは、3セットを目標に行いましょう。
 

パーキンソン病体操②全身のストレッチ

全身のストレッチにはいくつか種類がありますが、今回は、姿勢反射障害や腰曲がりの症状に良いストレッチを紹介します。まず、壁の前に椅子を用意し、壁に向かって座ります。次に、両手を壁につけて徐々に手を上げていきましょう。
 
このストレッチ方法は回数や秒数に決まりはありません。無理のない範囲で行いましょう。


 
 

まとめ

パーキンソン病ははっきりとした原因がわかっていませんが、遺伝や加齢にあると考えられています。完治する治療法は見つかっていませんが、薬を服用しながらリハビリをすることで、一般的な方とさほど変わらない年齢まで生きられるようになりました。
 
最終的には介護が必要となりますが、ご家族や医師と協力しながらケアをしていきましょう。


 
 

MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

資格

略歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師
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