【女性の悩み】おりものが多いのは病気のサイン?原因・注意点を併せて解説

  • クリニックブログ
2024/02/26

【女性の悩み】おりものが多いのは病気のサイン?原因・注意点を併せて解説

女性の身体を外部の細菌などから守る上で、おりものはとても大切な存在です。しかし、おりものが多くなる背景には、病気やさまざまな原因が隠れているかもしれません。
 
本記事では、なかなか人に相談しづらいおりものの悩みに寄り添い、増えてしまう原因や注意したい症状について詳しく解説していきます。

 

そもそも「おりものとは」どのような役割をもっているの?

おりものとは、女性の膣内部から流れ出る透明な分泌液のことです。おもに思春期から感じるようになり、排卵前は水っぽくサラサラした状態のものから、月経前後にかけて卵白のような粘りを感じるように変化するでしょう。とくにニオイはなく、体調の変化によっては「ヨーグルト」のような酸味です。
 
また膣内部のうるおいを保つだけではなく、外部から侵入してくる細菌などから身体を守る働きがあります。中には、普段からあまりおりものに関して気にしたことがない方も多いでしょう。それほど自然で、女性にとってはごく当たり前に感じる機能です。

 
 

おりものが増える原因とはどのようなもの?

普段はあまり気にすることが少ないおりものですが、「なんだかいつもよりも量が多い」と感じた経験はありませんか?おりものは、月経周期・年齢・妊娠の初期症状・病気が原因で変化していく場合が考えられるでしょう。
 
ここからは、おりものが増加していく4つの原因について解説していきます。

排卵〜月経周期が関係している

毎月の排卵や月経周期は10代の思春期から閉経を迎える40代までの女性に見られ、そのたびにおりものも変化します。このような状態はホルモンバランスが関係し、月経前から少しずつおりものの量に変化を与えます。
 
月経直後は、量や粘り気が少ないことが多く「透明なゼリー状」です。排卵前後は、量や粘りが増えて「卵白」のような状態に、排卵直前はおりものの粘りが強く、量が格段に増えます。不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ごく正常な反応のため、過度に心配する必要はありません。どうしても不安という方は、婦人科を受診すると良いでしょう。
 

年齢の変化

おりものは、年齢とともに量や状態が変化していくことをご存知でしょうか?「初潮」を迎える方が多い10代では、おりものの量はごくわずかです。
 
初めて月経を迎えると、徐々に分泌量に変化が表れるでしょう。
20代は、女性ホルモンが活発に分泌されることから、10代に比べておりものの量が増えます。30代は、妊娠・出産などの関係で卵巣機能が成熟し、おりものの量がもっとも多くニオイも増えるでしょう。40代〜閉経を迎える女性は、おりものの量が再び減少します。
 
このように、日々の体調だけではなく年齢とともにおりものは変化を続けていくのです。
 

妊娠初期症状のひとつ

おりものが増加する原因として、妊娠初期症状があげられます。妊娠期には、黄体ホルモン(プロゲステロン)が赤ちゃんのベッドとなる大切な子宮の内側を守る役割を果たすでしょう。日々外部から身体を守るだけではなく、さまざまな面からおりものの量やニオイは関係しています。

 

細菌感染や婦人科系疾患が隠れている

年齢や月経などによるホルモンバランスなどに心当たりがない場合、おりものの量が増える原因の中には、病気が関係しているかもしれません。また普段から、ビデなどのシャワートイレを頻繁に使用していませんか?
 
実は、このようなものを乱用することで膣内部にいる善玉菌を余分に洗い流してしまい、感染を起こす女性が増えています。また、おりものの増加だけではなく、強烈なニオイやかゆみを感じる場合はカンジダ膣炎や、場合によっては子宮頸がんの可能性も考えられるため注意が必要です。

 

 子宮頸がんについて詳しくはこちら

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このようなおりものの状態は注意!

通常は無色・透明なおりもの、「かゆみ・痛み・強烈なニオイ・血液が混ざっている」場合は、我慢せずに速やかに婦人科を受診しましょう。
ここからは、注意したいおりものの状態について詳しく解説していきます。

かゆみや痛み

かゆみや痛みのほかに不快臭を伴うおりものの場合、細菌感染を起こしている可能性があります。性行為などを行った場合は、性感染症が疑われるでしょう。かゆみのほか、カッテージチーズのような白いカスが膣から出てくる場合は、カンジダ膣炎の可能性が考えられるでしょう。
 
また、陰部のニオイが強い場合は、ガードネレラ菌が繁殖している場合が考えられます。「いつもとなんだかおかしい」と感じた場合は、恥ずかしがらずに医師に相談してください。

 

出血したような色が混ざっている

おりものが赤やピンク色の場合、不正出血を起こしている可能性が考えられます。子宮内部で出血が起こり、時間が経つと血液が茶色く変化し、おりものと混ざる場合があります。
 
子宮頸がんなどの症状としてあげられる場合もあるため、放置せず速やかに婦人科を受診し医師や看護師に相談しましょう。

 

サラサラとした大量のおりもの

水っぽいサラリとした透明のおりものが沢山出てくる場合、クラミジア性感染症が疑われます。放置しておくと将来の不妊症につながるため、注意が必要です。このようなおりものの症状だけではなく、発熱なども伴うため、早めに医療機関を受診しましょう。
 

膿を伴う緑色のおりもの

おりものの中には、緑〜黄緑色のものがあり、淋病などの細菌感染があります。クラミジア感染症と同じく、放っておくと子宮内部に炎症を起こし不妊の可能性を高めてしまうでしょう。抗生物質の投与により治療が可能なことから、将来のためにも婦人科で治療を受けることをおすすめします。

 

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まとめ

おりものが増加する原因として、「年齢や月経・排卵などのホルモンバランスの影響」と、「細菌感染や婦人科系疾患の可能性」が考えられます。正常なおりものの状態は、無色透明でにおいなどもとくに強くはありません。しかし、近年シャワートイレの普及や性行為などにより、感染症を起こす女性が増加傾向にあります。
 

  • ● おりものの量が異常に増えた
  • ● かゆみや痛みのほかにもニオイが気になる
  • ● おりものの色が赤やピンク、黄緑がかっている
  • ● まるで酒粕やカッテージチーズのように変化している

 
このような場合は、我慢したり恥ずかしがったりせずに婦人科に相談しましょう。


 

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MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

資格

略歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師
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