口唇ヘルペスとは?原因、症状、治療法について解説

  • クリニックブログ
2023/05/22

口唇ヘルペスとは?原因、症状、治療法について解説

口唇ヘルペスって何?

口唇ヘルペスは、ヘルペスウイルスによって引き起こされる感染症の一種で、唇や口の周りに水疱や潰瘍ができる病気です。ヘルペスウイルスには、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)と2型(HSV-2)があり、口唇ヘルペスの原因となるのは主にHSV-1です。
感染経路は、唾液、皮膚や粘膜などを介して直接感染するほか、共用の物品や食器、タオルなどを介して感染することもあります。感染後は、ウイルスが潜伏しており、繰り返し発症することがあります。
感染すると、まずはじめに、唇や口の周りに赤い斑点が現れ、その後、小さな水疱ができます。水疱が破れると、潰瘍ができ、その周りが赤くなってかゆみや痛みを引き起こします。症状は1〜2週間ほどで自然治癒しますが、再発することもあります。
口唇ヘルペスは、一般的に健康な成人でも発症することがありますが、免疫力が低下している人や、幼児、高齢者などでは重症化することがあります。治療法としては、抗ウイルス薬や抗炎症薬を使用することが一般的です。また、予防策としては、適切な手洗いやうがい、共用物品の適切な管理、唇の乾燥を避けることなどが挙げられます。



 

口唇ヘルペスの原因って?

口唇ヘルペスの原因は、ヘルペスウイルスによる感染です。主にヘルペスシンプレックスウイルス1型(HSV-1)によって引き起こされます。このウイルスは、唾液や病変部分の接触、キス、共用の食器やタオル、性行為などを通じて感染が広がります。また、免疫力が低下した状態やストレス、月経周期、紫外線などが引き金となって発症することもあります。感染後は、ウイルスが神経細胞に潜伏しているため、再発することがあります。


 

口唇ヘルペスの症状って?

感染後、最初に発症するのは口唇や顔の赤みや腫れ、かゆみ、痛みです。その後、小さな水疱が形成され、次第に破裂してかさぶたができます。
この過程は、通常1〜2週間ほどかかります。再発する場合、症状は初発時と同様に現れます。
感染者によって症状の程度は異なりますが、一般的には口唇周辺が痛みやかゆみを伴い、触ると痛いと感じることが多いです。また、発熱、頭痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状が出る場合もあります。
口唇ヘルペスは、口の周りだけでなく、唇の内側や歯茎、舌、口の中などにも発症することがあります。その場合、食事や歯磨きなどで痛みを感じることがあるため、口腔内の衛生管理にも注意が必要です。
なお、初めて口唇ヘルペスに感染した場合、免疫力が低下している場合、またはウイルスに対する免疫力が弱い人は、症状が重篤になることがあります。この場合、高熱や頭痛、悪寒、筋肉痛などの全身症状が出現することがあります。


 

口唇ヘルペスの検査や診断について

症状が現れた時には、主に臨床症状や病歴によって診断が行われることが多く、症状が出てから数日以内に診察を受けることが望ましいとされています。症状が現れた後数日が経過すると、抗体の量が増加して検出しやすくなるため、この時期に血液検査や細胞検査を行うことができます。
口唇ヘルペスの潜伏期間は、感染した後、一般的に2〜12日程度とされています。ただし、感染の状況や個人差によって、潜伏期間は異なる場合があります。潜伏期間中は、症状が現れないため、感染していることに気づかずに他人に感染させる可能性があります。唇や口周りに症状が現れた場合は、速やかに医師の診察を受け、適切な治療を行うことが大切です。

 

検査項目

口唇ヘルペスの検査項目には、以下のものがあります。

1.臨床症状の確認

口唇ヘルペスの診断は、主に臨床症状によって行われます。水疱や痛み、かゆみ、腫れなどの症状が現れた場合、口唇ヘルペスの可能性があるため、医師による診察が必要です。

2.血液検査

抗体検査によって、ウイルスに感染したことがあるかどうかを調べることができます。血液中に存在するHSVに対する抗体の量を測定することで、感染しているかどうかを判定することができます。

3.PCR検査

水疱からの液体採取によって、HSVの遺伝子を検出することができます。PCR検査は、感度が高いため、感染が疑われる場合には、症状が現れてから数日以内に行われることが望ましいです。

4.ウイルス抗原検査

水疱や潰瘍から採取したサンプルにより、HSVのタンパク質であるウイルス抗原を検出することができます。この検査は、感度がPCR検査に比べて低いため、症状が現れてから数日以内に行うことが推奨されます。

 


 

口唇ヘルペスの治療は?

口唇ヘルペスの予防方法には、以下のような方法があります。

 

1.抗ウイルス薬の使用

アシクロビル、バラシクロビル、バロキサビルなどの抗ウイルス薬を処方することがあります。これらの薬剤は、ウイルスの増殖を抑えることで症状を緩和します。

2.症状の緩和に向けた薬剤の使用

症状の緩和に向けた薬剤の使用:痛みやかゆみを緩和するために、鎮痛剤や抗炎症薬を処方することがあります。

3.再発予防の薬剤の使用

手洗いや口の周りの清潔を保つことが大切です。タオルや食器などの共有物を使わないようにすることも重要です。

 

 

口唇ヘルペスの予防方法は?

口唇ヘルペスの予防方法には、以下のような方法があります。

 

1.免疫力を高めること

健康的な食生活、適度な運動、ストレス管理、十分な睡眠などで免疫力を高めましょう。

 


 

2.感染予防

感染を招く可能性がある場合には、口や顔を触った手で目や鼻を触らないようにし、他人と共有する飲食物や用具は避けましょう。

3.乾燥を避けること

口唇周囲の皮膚が乾燥すると、ヘルペスウイルスが感染しやすくなります。保湿クリームを使い、必要に応じてリップクリームを使用し、口唇周囲の皮膚を保湿しましょう。

4.太陽光線の遮蔽

手洗いや口の周りの清潔を保つことが大切です。タオルや食器などの共有物を使わないようにすることも重要です。

5.早期の治療

症状が現れたら、早期に医師に相談し、適切な治療を行いましょう。治療が早ければ、症状を軽減することができます。

 
 

まとめ

口唇ヘルペスの原因となるヘルペスシンプレックスウイルス1型(HSV-1)は、日常的に存在し感染力は強く、多くは、幼少期に感染したとされています。一度感染すると体内にウイルスが残り、再発することがあります。再発の頻度や期間は人によって異なりますが、ストレス、免疫力の低下、日光や風などの外的要因、月経周期などが引き金となることが多いとされています。
再発を予防するためには、健康的な生活習慣の維持として、ストレスを避け、バランスの良い食事や十分な睡眠をとることも重要です。口唇ヘルペスはウイルス感染症であるため、完全に治すことはできませんが、適切な治療や予防策を取ることで、症状の緩和や再発予防ができます。治療方法や薬剤の使用については、医師に相談することが大切です。


 

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MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

資格

略歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師
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